脳梗塞

リボーンクリニック 大阪院の脳梗塞

脳梗塞の初期症状とは?前触れ・BEFASTチェック・受診目安を解説

 脳梗塞の初期症状とは?前触れ・BEFASTチェック・受診目安をわかりやすく解説

「急に手足がしびれた」「ろれつが回らない気がする」「家族の顔つきや、話し方がいつもと違う…」そんな風な違和感を感じたとき、それは脳梗塞の初期症状なのかもしれません。脳梗塞は早めに対応することが非常に大切な病気です。

この記事では、脳梗塞の初期症状として注意したいサイン、FASTチェック、救急車を呼ぶ目安、症状が治まった場合の注意点、治療後の生活について解説します。もしも気になる症状がある場合は、自己判断で様子を見続けることなく、スグに医師の診察や検査を受けることをお勧めします。

この記事を読んで分かること

☑ 脳梗塞の初期症状として注意したいサイン
☑ 片側のしびれ・麻痺、ろれつの異常の見分け方
☑ FASTチェックと救急車を呼ぶ目安
☑ 症状が一度治まった場合に注意すべき理由
☑ 脳梗塞後の治療、リハビリ、再発予防の考え方

 

脳梗塞の初期症状

 

 脳梗塞の初期症状とは

脳梗塞の初期症状で注意すべきは、体の片側のしびれや麻痺、ろれつが回らない、言葉が出にくい、顔のゆがみ、見え方の異常、急なふらつきなどです。

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳の一部に血液が届きにくくなることで起こります。脳は、体の動き、感覚、言葉、視覚、バランスなどをコントロールしています。そのため、血流が妨げられる脳の部位によって、現れる症状は異なります。

特に注意しておきたいことは、症状が「突然」起こることです。
朝は普段通りだったのに、急に片手に力が入らなくなった、会話の途中で突然言葉が出にくくなった、片側の顔が下がって見えるといった変化にご注意ください。

一方で、脳梗塞の初期症状には、疲れ、加齢、肩こり、目の不調、耳の病気などと区別しにくい場合もあります。ただし、症状だけで原因を決めつけるのではなく、急な変化が現れた場合は、迷うことなく医療機関へ相談されることをお勧めします。

脳梗塞が疑われる代表的なサインを以下に整理しました。

症状の種類 具体的な変化 注意したい点
手足の異常 片側の手足に力が入らない、しびれる、物を落とす 左右差が急に出た場合は注意が必要です
顔の異常 片側の口角が下がる、笑顔がゆがむ 本人より家族が気づくこともあります
言葉の異常 ろれつが回らない、言葉が出にくい、会話がかみ合わない 短時間で治まっても相談が必要な場合があります
視覚の異常 片目が見えにくい、視野が欠ける、物が二重に見える 目の病気だけでなく脳の異常が関係する場合もあります
バランスの異常 急にふらつく、まっすぐ歩けない、立てない めまいだけで判断せず、他の症状の有無も確認します

脳梗塞は、発症後の時間が治療方針に関わる病気です。つい、「少し休めば治るかもしれない」「大丈夫だろう」と考えがちですが、急な神経症状がある場合は注意が必要です。

片側の麻痺、ろれつの異常、顔のゆがみ、視野の異常、強いふらつきなどが突然現れた場合は、救急相談や119番通報も含めて早めに対応しましょう。

 

 片側のしびれ・麻痺

脳梗塞の初期症状としてよく知られているのが、片側の手足や顔に起こる「しびれ・麻痺」です。

たとえば、右手だけに力が入らない、左足だけが動かしにくい、片方の口角が下がる、といった変化が現れることがあります。脳は体の左右の動きや感覚をコントロールしているため、脳の一部に障害が起こると、体の片側に症状が出る場合があるからです。

確認したいのは、「左右差」と「急に起こったかどうか」です。
以前からある肩こりや腰痛、手のしびれとは異なり、急に片側だけ力が入りにくくなった、急に違和感が発生した場合は注意が必要です。

具体的には、次のような変化がないか確認してください。

確認したい動き 気づきやすい変化 対応の目安
両腕を前に上げる 片方の腕だけ下がる、上げた状態を保てない 急に起きた場合は救急相談を検討します
物を持つ 片手だけ力が入らず、物を落としやすい 一時的でも自己判断せず相談が大切です
歩く 片足を引きずる、急に歩きにくい 転倒の危険もあるため無理に歩かないようにします
笑顔を作る 片側の口角が下がる、顔が左右非対称に見える 家族や周囲の人が気づきやすいサインです

ただし、しびれや麻痺の原因は脳梗塞だけではありません。頚椎や腰椎の病気、末梢神経の障害、糖尿病による神経障害などでも似た症状が出ることがあります。そのため、「しびれがあるから脳梗塞」と断定することはできません。

一方で、急に片側だけに症状が出た場合や、言葉の異常、顔のゆがみ、視野の異常を伴う場合は、脳梗塞を含む脳卒中の可能性を考える必要があります。

 

 ろれつ・言葉の異常

脳梗塞の初期症状では、ろれつが回らない、言葉が出にくい、相手の話を理解しにくいといった言葉の異常が現れることがあります。

会話の異変は、本人よりも家族や周囲の人が先に気づく場合があります。
「いつもより話し方が不自然」「急に言葉が詰まる」「言っていることが通じにくい」と感じた場合は、軽く考えないでください。

言葉の異常には、大きく分けて次のようなものがあります。

言葉の異常 具体的な状態 注意点
ろれつが回らない 発音がはっきりせず、言葉が聞き取りにくい 飲酒や疲労と決めつけないことが大切です
言葉が出にくい 言いたいことはあるのに、言葉が出てこない 突然起こった場合は注意が必要です
言葉を理解しにくい 質問に合わない返答をする、会話がかみ合わない 認知症や疲れだけで判断しないようにします
文章を話せない 短い言葉しか出ない、簡単な文章を言えない 発症時刻を確認し、早めの相談につなげます

たとえば、「今日はいい天気です」といった短い文章を言ってもらったときに、言葉が不明瞭になる、途中で止まる、意味が通じにくい場合は注意が必要です。

ただし、言葉の異常も脳梗塞だけで起こるわけではありません。低血糖、薬の影響、脱水、感染症、認知機能の変化などが関係することもあります。だからこそ、見た目だけで判断せず、医師の診察や必要な検査を受けることが大切になります。

 

視野・めまい・ふらつき

脳梗塞の初期症状では、手足や言葉の異常だけでなく、見え方の変化、急なめまい、ふらつきが現れることもあります。

特に注意したいのは、症状が突然起こった場合です。
たとえば、片目だけ見えにくい、視野の一部が欠ける、物が二重に見える、急にまっすぐ歩けなくなる、といった変化は、脳の血流障害が関係している可能性があります。

めまいやふらつきは、耳の病気、貧血、脱水、血圧の変動、薬の影響などでも起こるため、めまいだけで脳梗塞と判断することはできません。
しかし、急に立てないほどふらつく、まっすぐ歩けない、物が二重に見える、片側のしびれやろれつの異常を伴う場合は、脳の血流障害が関係している可能性が考えます。自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関へ相談しましょう。

最近では、脳卒中のサインを確認する方法として、FASTに「Balance」と「Eyes」を加えた「BE-FAST」という考え方が使われるようになりました。Balanceはバランスの異常、Eyesは見え方の異常を指します。厚生労働省のパンフレットも参考にしてください。

急なふらつきや視野の異常は、顔のゆがみや腕の麻痺ほど分かりやすくないため、見逃されやすい症状です。「疲れているだけ」「年齢のせい」、「問題ない」と決めつけず、いつもと違う急な変化がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

 

すぐ受診すべきサイン

脳梗塞が疑われる症状が、急に現れた場合は、様子を見るよりも、早めに救急相談や医療機関への受診を検討することが大切です。

脳梗塞は、発症からの時間が治療方針に関わる病気です。発症時刻や画像検査の結果、全身状態などによって、検討される治療が変わります。すべての方に同じ治療が行えるわけではありませんが、早く医療につながることで、治療選択の幅を確認しやすくなる可能性があります。

次のような症状が突然出た場合は、救急対応を考える目安になります。

確認したいサイン 具体例 対応の考え方
片側の麻痺・しびれ 片腕が上がらない、片足に力が入らない 急に起こった場合は救急相談を検討します
顔のゆがみ 片側の口角が下がる、笑顔が左右で違う 本人が気づきにくいため、周囲の確認が役立ちます
言葉の異常 ろれつが回らない、言葉が出ない、会話がかみ合わない 短時間でも軽く考えず、発症時刻を確認します
視野・見え方の異常 片目が見えにくい、視野が欠ける、二重に見える 目の疲れと決めつけず、急な変化に注意します
強いふらつき・意識の異常 立てない、まっすぐ歩けない、反応が鈍い 転倒を避け、無理に移動させないことも大切です

脳梗塞の初期症状は、痛みを伴わないこともあります。
「頭が痛くないから大丈夫」「少し話せるから問題ない」と考えてしまわないでください。痛みの有無だけで判断することはできません。

 

 FASTチェックとは

FASTチェックとは、脳梗塞を含む脳卒中が疑われるときに、代表的な症状を簡単に確認するための方法です。

FASTは、次の4つの言葉の頭文字を取ったものです。

* F:Face 顔
* A:Arm 腕
* S:Speech 言葉
* T:Time 時間

顔のゆがみ、腕の脱力、言葉の異常を確認し、当てはまる場合は時間を意識して早めに救急相談や受診につなげます。

FAST 確認すること 見られる変化
F:Face 笑顔を作れるか、顔に左右差がないか 片側の口角が下がる、顔がゆがむ
A:Arm 両腕を同じ高さに上げられるか 片腕だけ下がる、片方に力が入らない
S:Speech 短い文章を自然に話せるか ろれつが回らない、言葉が出ない、意味が通じにくい
T:Time 症状が始まった時刻を確認する 発症時刻や最後に普段通りだった時刻をメモする

FASTチェックでひとつでも異常がある場合は、脳梗塞や脳卒中の可能性があります。
ただし、FASTに当てはまらないからといって、脳梗塞の可能性がないとは言い切れません。

急なめまい、ふらつき、視野の異常、物が二重に見える、飲み込みにくいといった症状が中心に出ることもあります。FASTはあくまで確認方法のひとつとして考え、急な異常がある場合は医療機関への相談を優先しましょう。

+ BEチェック

良く知られる上記のFASTは、顔面の麻痺、腕の麻痺、言語障害から、発症を疑うものですが、更にBI(めまい、ふらつき、視野)といったサインを加えて、見逃すリスクを減らしましょう。

FAST 確認すること 見られる変化
B:Balance まっすぐ歩けるか、ふらついていないか 立てなくなる、歩けない、フラフラする
E:Eyes 正常な視覚を保てているか 片目が見えにくい、視野が欠ける、物が二重に見える

脳梗塞は、命に関わるだけでなく、重い後遺症が残る疾患です。可能な限り早く治療を開始できるかが、その後の人生を左右しかねません。「少しでも早く治療に入れれば助かる」というこいとをご理解いただき、ぜひ上記の「FAST+ BI」というサインで早めに対処できるよう、その存在を覚えておいてください。

 

症状が治まった場合

脳梗塞が疑われる症状が、治まった場合でも、「もう大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

片側のしびれや麻痺、ろれつの異常、見え方の変化などが短時間で改善すると、疲れや一時的な体調不良だったと考えてしまいがちです。しかし、脳梗塞に似た症状が一時的に出て、その後治まる状態として、「一過性脳虚血発作」と呼ばれるものがあります。

一過性脳虚血発作は、脳や目の血管の血流が一時的に悪くなり、脳梗塞に似た症状が短時間だけ現れる状態です。症状が消えるため見過ごされやすいものの、脳梗塞の前触れとして扱われるものです。

確認したいのは、症状が「治まったかどうか」だけではありません。
どのような症状が出たのか、急に起こったのか、どれくらい続いたのか、同じような症状を繰り返していないか、ということが大切になります。

確認したいこと 具体例 注意点
症状の内容 片側のしびれ、麻痺、ろれつの異常、視野の異常など 脳梗塞に似た症状かどうかを整理します
始まった時刻 何時ごろから異変があったか 医師が経過を判断する手がかりになります
続いた時間 数分、数十分、数時間など 短時間で治まっても注意が必要です
繰り返しの有無 同じ症状が何度も起こる 再発リスクや原因確認につながる場合があります

症状が消えた場合でも、脳の血管や心臓、血液の状態に原因が隠れていることがあります。

特に、片側のしびれや麻痺、ろれつの異常、見え方の変化などが突然起こり、短時間で治まった場合は、一過性脳虚血発作の可能性も考えられます。「治ったから大丈夫」と判断せず、当日中の受診や救急相談を検討しましょう。

受診時には、症状の内容、始まった時刻、続いた時間、繰り返しの有無を伝えると診療の参考になります。

 

 救急車を呼ぶ目安

脳梗塞が疑われる症状が現れた場合は、ためらわず119番通報してください。
特に、片側の麻痺、顔のゆがみ、ろれつの異常、視野の異常、強いふらつき、意識の異常がある場合は、早めの対応が必要です。

脳梗塞は、発症からの治療までの時間によって治療方法が変わる病気です。すべての方が同じ治療を受けられるわけではありませんが、早く医療につながることで、医師が治療の適応を判断しやすくなります。

救急車を待つ間は、無理に食べ物や飲み物を取らせないようにします。脳梗塞や脳卒中では、飲み込みにくさが出ることがあり、誤嚥(むせ込み)につながる可能性があります。また本人が動揺し、不安を感じているようなら、落ち着いて声をかけ、楽な姿勢で待つことが大切です。

救急隊や医療機関に伝えるために、次の情報を整理しておくと役立ちます。

伝えたい情報 確認する内容
発症時刻 症状が始まった時刻、または最後に普段通りだった時刻
症状の内容 麻痺、言葉の異常、顔のゆがみ、視野異常、ふらつきなど
持病 高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、過去の脳卒中など
服薬状況 血液を固まりにくくする薬、血圧の薬、糖尿病の薬など

最終的な診断や治療方針は、医師の診察と検査によって判断されます。脳梗塞が疑われるときは、自己判断で移動したり、様子を見続けたりせず、救急相談や119番通報を含めて早めに行動しましょう。

 

 脳梗塞が起こる原因

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳の一部に血液が届きにくくなることで起こる病気です。血液は酸素や栄養を運んでいるため、血流が妨げられると、脳の細胞がダメージを受ける可能性があり、その部位によって後遺症の現れ方が変わります。

脳梗塞が起こる原因はひとつではありません。
大きく分けると、動脈硬化によって血管が狭くなるタイプ、心臓でできた血栓が脳へ流れて詰まるタイプ、脳の細い血管が傷んで詰まるタイプなどがあります。

代表的な原因を整理すると、以下のようになります。

主なタイプ 起こり方 関係しやすい要因
動脈硬化による脳梗塞 血管の内側が狭くなり、血栓ができて詰まる 高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙など
心臓由来の脳梗塞 心臓でできた血栓が脳の血管に流れて詰まる 心房細動、心臓病、弁膜症など
細い血管の脳梗塞 脳の深い部分にある細い血管が詰まる 長年の高血圧、糖尿病、加齢など

 

主な原因とリスク要因

脳梗塞のリスク要因としては、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、運動不足、過度の飲酒、心房細動などが知られています。これらが複数重なると、脳梗塞のリスクが高まる可能性があります。

中でも、高血圧は脳の血管に負担をかけやすい要因です。
また、心房細動は自覚症状がないまま見つかることもあり、脳梗塞の原因として注意したい不整脈のひとつです。

ただし、リスク要因があるからといって、必ず脳梗塞を起こすわけではありません。反対に、目立った症状がなくても、血管や心臓の状態に問題が隠れている場合もあります。

大切なのは、健康診断などの結果や持病を放置せず、医師と相談しながら管理することです。血圧、血糖、脂質、心臓の状態などを定期的に確認することは、脳梗塞の予防や再発予防を考えるうえで役立ちます。

脳梗塞の初期症状が気になる方や、過去に一時的なしびれ・ろれつの異常・視野の異常があった方は、自己判断で済ませず、まずは医療機関で相談しましょう。

 

 検査で確認すること

脳梗塞が疑われる場合、医療機関では症状の確認に加えて、画像検査や血液検査、心臓や血管の検査などが行われます。これらの検査は、脳梗塞かどうかを確認するだけでなく、脳出血など別の病気との区別、発症時期、血管の詰まり方、原因の把握にも役立ちます。

脳梗塞の症状は、見た目だけでは判断が難しいことがあります。
片側のしびれや麻痺、ろれつの異常、視野の異常があっても、原因が脳梗塞とは限りません。一方で、症状が軽く見えても、脳の血管に異常が起きている場合もあります。

そのため、最終的な診断は、医師の診察と検査結果をもとに行われることになります。

主な検査 確認すること 注意点
CT検査 脳出血の有無や脳の状態を確認します 脳梗塞の初期では分かりにくい場合もあります
MRI検査 新しい脳梗塞の有無や範囲を詳しく確認します 撮影方法や時期によって見え方が異なることがあります
MRA・CTA 脳や首の血管の狭窄、閉塞の有無を確認します 血管の状態を把握し、治療方針の参考にします
血液検査 血糖、脂質、腎機能、凝固機能などを確認します 薬の選択や治療の安全性を判断する材料になります
心電図検査 心房細動などの不整脈がないか確認します 発作性の不整脈は一度の検査で見つからないこともあります
頸動脈エコー 首の血管の動脈硬化や狭窄を確認します 脳梗塞の原因を調べる目的で行われることがあります

検査で確認する内容は、症状の出方や発症からの時間、持病、服薬状況によって異なります。

また、症状が一度治まった場合でも、検査が必要になることがあります。一過性脳虚血発作が疑われる場合、MRIや血管検査、心電図検査などによって、脳梗塞のリスクや原因を確認することがあります。

検査の目的は、「病名をつけること」だけではありません。今後の治療方針や再発予防を考えるうえでも、原因を調べることが大切です。

 

発症後の治療と生活

脳梗塞を発症した後は、急性期の治療、再発予防、リハビリテーション、生活習慣の見直しを段階的に考えていくことになります。どの治療が行われるかは、発症からの時間、画像検査の結果、血管の状態、年齢、持病、服薬状況などによって異なります。

脳梗塞の治療では、まず命を守り、脳へのダメージをできるだけ抑えることが優先されます。その後、再発を防ぐ治療や、後遺症に対するリハビリが行われます。

発症後の流れを大まかに整理すると、次のようになります。

時期 主な対応 目的
急性期 画像検査、血栓を溶かす治療や血栓を取り除く治療の検討、全身管理 脳へのダメージを抑え、命を守ることを目指します
回復期 リハビリテーション、服薬管理、栄養管理、退院支援 運動機能や生活動作の回復を目指します
生活期 外来通院、再発予防、在宅リハビリ、生活習慣の見直し 再発予防と日常生活の維持を図ります

 

急性期治療の考え方

脳梗塞の急性期治療では、できるだけ早く血流の状態を確認し、脳へのダメージを抑えることが大切です。
どの治療が行われるかは、発症からの時間、画像検査の結果、血管の詰まり方、症状の重さ、持病や服薬状況などによって判断されます。

急性期に検討される治療には、血栓を溶かす治療や、カテーテルを使って血栓を取り除く治療などがあります。

ただし、これらの治療は誰にでも行えるわけではありません。出血のリスク、発症からの時間、脳や血管の画像所見、全身状態などを確認したうえで、医師が適応を判断します。

治療・対応 主な目的 注意点
画像検査 脳梗塞や脳出血の有無、血管の詰まりを確認します 症状だけで治療方針は決められません
血栓を溶かす治療 詰まった血栓を溶かし、血流の再開を目指します 発症からの時間や出血リスクなどにより適応が判断されます
血栓を取り除く治療 カテーテルで血栓を取り除き、血流の改善を目指します 血管の詰まり方や画像所見などをもとに検討されます
薬物療法・全身管理 再発予防や血圧、血糖、全身状態の管理を行います 原因や状態によって薬の種類は異なります

急性期治療で特に確認されるのが、発症時刻です。

症状が始まった時間、または最後に普段通りだった時間は、治療の適応を判断する手がかりになるからです。本人がうまく説明できない場合もあるため、家族や周囲の人がメモしておくとで診療に役立ちます。

脳梗塞の急性期治療は、時間と検査結果をもとに判断されます。「まだ軽そうだから大丈夫」と考えず、急な麻痺、ろれつの異常、顔のゆがみ、視野の異常などがある場合は、早めに救急相談や119番通報しましょう。

 

後遺症とリハビリ

脳梗塞の後遺症は、障害を受けた脳の部位や範囲、治療までの時間、年齢、もともとの体力や持病などによって異なります。主な後遺症には、手足の麻痺、しびれ、言葉の障害、飲み込みにくさ、視野の異常、高次脳機能障害などがあります。

脳梗塞後のリハビリテーションでは、失われた機能をすべて元通りにすることを保証するものではありません。一方で、状態に合わせて継続することで、日常生活動作の維持や改善、転倒予防、生活の質の向上を目指すことができます。

リハビリは、急性期、回復期、生活期で目的が少しずつ変わります。

急性期では、全身状態を見ながら廃用を防ぐことが意識されます。回復期では、歩行や手の動き、食事、着替え、トイレ動作など、生活に必要な機能の再獲得を目指します。生活期では、自宅や地域での生活を続けるための支援が中心になります。

後遺症の例 起こり得る困りごと リハビリで目指すこと
運動麻痺 手足が動かしにくい、歩きにくい、物を持ちにくい 歩行や手の動作、姿勢の安定を目指します
感覚障害 しびれ、感覚が鈍い、熱さや痛みが分かりにくい 安全な動作や転倒・けがの予防を支援します
言語障害 言葉が出にくい、ろれつが回りにくい、理解しにくい 会話や意思表示のしやすさを目指します
嚥下障害 飲み込みにくい、むせやすい、食事に時間がかかる 安全に食べるための訓練や食事形態の調整を行います
高次脳機能障害 注意力、記憶、判断、段取りが難しくなる 生活上の工夫や環境調整を行います

リハビリでは、理学療法、作業療法、言語聴覚療法などが状態に応じて行われます。

理学療法では歩行や姿勢、筋力などを確認します。作業療法では食事、着替え、入浴、家事などの日常生活動作を扱います。言語聴覚療法では、言葉や飲み込みの問題に対応し、多くの場合、それぞれの専門職が対応します。

注意したいのは、リハビリの内容や進み方には個人差があることです。早く始めれば必ず元通りになる、特定の訓練をすれば必ず改善する、というものではありません。症状や体力、合併症、生活環境に合わせて、医師やリハビリ専門職と相談しながら、じっくりと進めることが大切です。

 

再発予防と相談先

脳梗塞を経験した後は、再発を防ぐための治療と生活管理が大切です。一度脳梗塞を起こした方や、一過性脳虚血発作が疑われた方は、原因を確認し、再発リスクを下げるための対策を続ける必要があります。

再発予防の中心になるのは、医師の指示に基づく薬物療法と、血圧・血糖・脂質・心臓の状態の管理です。脳梗塞の原因が動脈硬化なのか、心房細動など心臓由来なのか、細い血管の障害なのかによって、使用される薬や管理方針は変わります。

再発予防で確認したい項目を整理すると、次のようになります。

確認したい項目 主な内容 注意点
血圧管理 家庭血圧や診察時の血圧を確認します 目標値は年齢や持病により異なるため医師に確認します
血糖管理 糖尿病や血糖値、HbA1cの状態を確認します 食事や薬の調整は医師の指示に基づいて行います
脂質管理 LDLコレステロールなどを確認します 動脈硬化の進行予防に関わることがあります
心房細動の管理 心電図や必要に応じた長時間心電図で確認します 自覚症状がなくても見つかる場合があります
服薬管理 抗血小板薬、抗凝固薬、降圧薬などを確認します 自己判断で中止すると再発リスクに関わる場合があります
生活習慣 禁煙、食事、運動、飲酒、睡眠などを見直します 無理のない範囲で継続できる方法を相談します

相談先としては、まず急性期や回復期に関わった主治医、脳神経内科、脳神経外科、リハビリテーション科などが中心になります。退院後の生活に不安がある場合は、地域のかかりつけ医、訪問リハビリ、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどに相談するという選択肢もあります。

再生医療や自由診療を検討する場合も、まずは標準治療、リハビリ、再発予防を継続することが前提となります。

脳梗塞後の後遺症に対して、幹細胞治療やエクソソーム等の情報を目にすることがありますが、これらは標準治療の代わりになるものではありません。また、PRP療法など他領域で用いられる再生医療と混同しないよう注意も必要です。

再生医療を検討する際は、何よりも経験や実績が豊富な再生医療専門のクリニックを選択しましょう。再生医療は、厚生労働省が定める再生医療等安全性確保法に基づいていることが大切です。当院は、法令に準拠した再生医療専門の再生医療クリニックです。お気軽にお問合せください。

 

よくある質問Q&A・脳梗塞 初期症状

 

Q.脳梗塞の初期症状は何ですか?

脳梗塞の代表的な初期症状には、片側の手足のしびれや麻痺、顔のゆがみ、ろれつが回らない、言葉が出にくい、視野が欠ける、急なふらつきなどがあります。特に「突然起こったかどうか」が大切な確認ポイントになります。

ただし、症状だけで脳梗塞と断定することはできないため、気になる症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。

 

Q.片側のしびれだけでも脳梗塞の可能性はありますか?

片側のしびれが急に起こった場合、脳梗塞を含む脳卒中の可能性を考える必要があります。ただし、頚椎や腰椎の病気、末梢神経の障害、糖尿病による神経障害などでも似た症状が出ることがあります。左右差が急に出た場合や、言葉の異常、顔のゆがみを伴う場合は早めの受診が大切です。

 

Q.ろれつが回らない場合は救急車を呼ぶべきですか?

ろれつが急に回らない、言葉が出ない、会話がかみ合わないといった症状は、脳梗塞や脳卒中でみられることがあります。片側の麻痺や顔のゆがみ、視野の異常などを伴う場合は、救急車を呼ぶことも考えてください。判断に迷う場合も、本人だけで様子を見続けず、救急相談や医療機関への連絡をお勧めします。

 

Q.症状が治まった場合も受診した方がよいですか?

はい。症状が一度治まった場合でも、一過性脳虚血発作の可能性があります。一過性脳虚血発作は、脳梗塞の前触れとして扱われることがあるため、「治ったから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。症状の内容、起きた時刻、続いた時間を整理し、早めに医療機関へ相談しましょう。

 

Q.脳梗塞の検査では何を確認しますか?

脳梗塞が疑われる場合、CTやMRIで脳の状態を確認し、MRAやCTAで血管の詰まりや狭窄を調べることがあります。また、血液検査、心電図、頸動脈エコーなどにより、血糖、脂質、心房細動、動脈硬化などの原因を確認する場合もあります。必要な検査は、症状や発症からの時間、持病などをもとに医師が判断します。

 

Q.脳梗塞後に再生医療を検討できますか?

脳梗塞後の後遺症に対する治療として再生医療が注目されています。ただし、再生医療は急性期の標準治療やリハビリの代わりになるものではありません。リハビリに合わせて行うことで効果を期待できるものです。

幹細胞治療やエクソソーム等の情報を確認する際は、治療内容、リスク、費用、再生医療等安全性確保法に基づく提供体制や届出状況を確認することが大切です。自己判断で選ぶのではなく、現在の症状、発症からの時期、治療歴、リハビリ状況を整理し、当院のような法令に準拠した再生医療専門のクリニックにご相談ください。

 

まとめ・ 脳梗塞の初期症状とは

脳梗塞の初期症状では、片側のしびれや麻痺、顔のゆがみ、ろれつが回らない、言葉が出にくい、視野の異常、急なふらつきなどに注意が必要です。特に、症状が突然起こった場合や、短時間で治まった場合でも、大丈夫だろうと、自己判断で様子を見続けることは避けましょう。

脳梗塞は、発症からの時間や検査結果によって治療方針が変わる病気です。急性期治療、再発予防、リハビリテーションは、医師の診察と検査に基づいて進める必要があります。後遺症が残こる場合もあり、状態に合わせたリハビリや生活支援を検討しなけらばなりません。

再生医療に関心がある場合、一般的な医療機関では受けることができないため、標準治療やリハビリ、再発予防を前提にしつつ、法規への準拠や、経験や実績を重視し、信頼できる専門クリニックにご相談されることをお勧めします。

気になる症状や治療後の不安がある方は、ひとりで抱え込まず、専門医や医療機関へ相談してください。

 

監修:医療法人香華会リボーンクリニック

 

脳卒中の再生医療

 

リボーンクリニックは、再生医療専門のクリニックです。
国が定めた「再生医療等安全性確保法」のもと、特定認定再生医療等委員会の厳格な審査を経て、提供計画を「厚生労働大臣」に受理された信頼と安心の「再生医療専門の医療機関」です。心を込めた安心の再生医療を実現

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