変形性股関節症

リボーンクリニック 大阪院の変形性股関節症

股関節が左(右)だけ痛い場合の治し方|原因・症状別セルフケアと治療法

この記事の内容
  1. 股関節の左、もしくは右といった股関節の片方が痛い場合について
  2. 股関節の左や右、片方が痛い場合の治し方|まずは知るべきどこが痛みむのか?
  3. 股関節 左だけ/右だけ、痛くなった場合の受診目安
  4. まとめ・股関節が左(右)だけ痛い場合の治し方|原因・症状別セルフケアと治療法
  5. よくある質問Q&A|股関節が左だけ痛い場合の治療法について

股関節の左、もしくは右といった股関節の片方が痛い場合について

ある日のこと突然、左の股関節、または右といったどちらか片方だけが、「歩くと痛みがある」「座ったあとに立ち上がろうとすると、ズキッとする」「放っておいて治るのか?」 そんな不安から、片方の股関節 左側または右だけが痛い場合の治し方を探されたのでしょうか?痛むたびに不安になることでしょう。

痛みが片側だけに現れる場合、筋肉の疲れや姿勢のクセだけでなく、股関節唇損傷や変形性股関節症など、股関節内部にトラブルが発生しているケースがあります。ただ、すべてが深刻な症状ではないため、原因を知り、適切なセルフケアや治療の選択ができれば、改善の可能性もあります。

この記事では、股関節の片方、左だけ(右だけ)痛い原因の整理から、セルフチェック、冷やすべき時期・温めるべきタイミング、自宅でできるストレッチ、座り方や立ち方のポイント、さらに再生医療や保存療法など、治療の選択肢などを段階的に整理しました。

もし今、「どうすればいいのか分からない」「このまま様子を見続けて良いのか迷っている」とお感じなら、この記事が判断のきっかけになるはずです。焦らず、ご自身の状態を確かめるつもりで読み進めてみてください。

この記事で分かること

  • ☑ 左の股関節または右股関節など片方だけ痛む原因と疑われる症状について
  • ☑ セルフケアの判断基準とストレッチの正しい方法
  • ☑ 通院が必要なサインと治療の選択肢
  • ☑ 日常動作や姿勢の改善による負担軽減のポイント

 

股関節 左だけ痛い 治し方

 

股関節の左や右、片方が痛い場合の治し方|まずは知るべきどこが痛みむのか?

股関節が左だけ痛い場合、まず考えたいのは「原因が何か?どこにあるか?」です。痛みの多くは関節そのものだけでなく、周囲の筋肉、神経、骨盤バランス、生活習慣から来たり、複数の要因が関わります。いきなり自己判断でストレッチやマッサージをするより、まず痛みの種類や状況を整理することが回復の近道です。

主に、痛みの原因は次の3つのタイプに分類できます。

分類 特徴 疾患例
①関節性の痛み 動かすと痛む・歩行で悪化 変形性股関節症・股関節唇損傷
②筋・腱・靭帯由来 特定の動作で痛む・押すと痛む 大臀筋炎・腸腰筋炎・梨状筋症候群
③神経・姿勢性の痛み 痺れ、鋭い痛み、左右差あり 坐骨神経痛・骨盤のゆがみ

このように整理しておくと、適切な治し方が判断しやすくなります。

むやみに自己流の判断でケアを始めるより、痛みの特徴を把握し、疾患を予測の上、医師にご相談ください。そのため、まずは痛みが「ズキッと刺す痛み」「重さやだるさ」「動かすと強くなる痛み」など、どのタイプなのか、説明できるよう自分で把握しましょう。

POINT -

  • ●股関節の痛みは原因により治し方が変わる
  • ●急に対処せず痛みの特徴を整理することが大切
  • ●関節・筋肉・神経のどこに問題があるか把握すると改善につながる

 

股関節が左だけ(右だけ)痛いとき考えられる原因

股関節が左だけに集中して痛む場合、左右の使い方の癖が影響していることが多くあります。特に片脚に体重を乗せて立つ癖や、仕事・家事・育児による偏った動作が原因となるケースが少なくありません。

具体的な原因として、次のようなものが挙げられます。

原因カテゴリ 代表例 症状の特徴
関節の問題 変形性股関節症・股関節唇損傷 しゃがむ・階段で痛む
筋肉の過緊張 中殿筋炎・腸腰筋炎 押すと痛い・歩き始めが辛い
神経の問題 坐骨神経痛 痺れ・しびれるような痛み
骨盤バランス 脚長差・姿勢不良 左右の痛み差・慢性化

ただし、良いく言われるのは「原因は一つではなく、複数の組み合わせで起こる」ということです。例えば、軽い筋肉の炎症が続いた結果、そこから関節にも負担がかかり、最終的に痛みが長引いてしまうケースがあります。

もし痛みが「数週間以上続く」「悪化している」「夜間も痛い」という場合は、自己判断や「治るだろう!」と自己判断せず、ご面倒でも整形外科など専門機関で画像検査を受けた方が良いでしょう。何もなければ安心ですし、あれば早期発見で、身体への負担が少なくなる可能性もあります。

POINT -

  • ●片脚への負担・姿勢癖が痛みの原因になりやすい
  • ●筋肉・関節・神経の複数要因が絡むケースが多い
  • ●数週間治らない場合は医療機関の受診が推奨

 

股関節の痛み、女性に多い理由とは

女性の股関節痛は、単に「年齢のせい」や「使いすぎ」だけで起こるものではありません。実は、骨格の特徴・ホルモン変化・妊娠出産・生活習慣など、女性特有の背景がいくつも重なって発生しています

まず大きな理由は、骨盤と股関節の形そのものにあります。

  • – 女性の骨盤は男性より横に広く、出産に適した形
  • – 股関節の受け皿である「臼蓋(きゅうがい)」が浅めで、太ももの骨(大腿骨)を深く覆いきれない
  • – 生まれつき臼蓋の被りが浅い「臼蓋形成不全」が女性に多い

次に注目すべきは、女性ホルモン(エストロゲン)の働きです

  • エストロゲンには、次のような役割があります
  • – 骨密度を維持する
  • – 軟骨の代謝をサポートする。

しかし、閉経前後になるとエストロゲンが急激に低下し、関節への負担が一気に増加します。

  • – 骨が弱くなる(骨粗しょう症)
  • – 軟骨の修復が追いつかなくなる

そのため、40~50代以降で股関節の痛みが増えてくる女性が多くなるのです。

このように女性は、関節を安定させる力が弱いため、体重がかかったり長時間歩いたりすると、軟骨にストレスが集中しやすくなります。
その結果、「軟骨がすり減りやすい  →  痛みが起こる  →  将来的に変形性股関節症へ進行」、という流れが生じやすくなりがちです。

以下は、女性に多い理由をまとめました。

理由 内容
骨盤の横幅が広い 股関節への力のかかり方が男性と異なる
妊娠・出産 骨盤周囲の筋肉・靭帯の緩みや炎症が起こりやすい
筋力差 特に中殿筋・体幹筋が弱いと負担が偏る
靴・姿勢習慣 ヒール、片脚荷重、抱っこ動作

このように女性は、ホルモンの変化、妊娠・出産、そして日常生活での負荷が重なりやすいため、注意が必要です。特に臼蓋形成不全は女性に多くみられ、将来の変形性股関節症の大きなリスクとなります。

もし、痛みや違和感が続いている場合、女性に多い「寛骨臼形成不全(股関節の受け皿が浅い状態)」などの股関節疾患の可能性がありますので一度、医療機関でご相談されてはいかがでしょうか。

POINT -

  • ●女性は骨盤構造・妊娠出産・生活習慣で負担が偏りやすい
  • ●片脚に負担がかかると股関節の片側痛へつながる
  • ●痛みが長期化する場合は検査で状態を確認するのが安心

 

股関節が急に痛みはじめた場合の注意

急に股関節に痛みが出た場合、原因は慢性的なトラブルではなく「炎症」「損傷」「関節内トラブル」のどれかであることが多くあります。この突然の痛みというのは、身体からの警告サインと受け止めてください。急に痛みが出た場合は、放置せず、医療機関の受診が正解です。

次に急性痛の代表例を記しました。

状態 特徴 注意点
股関節唇損傷 動かすとクリック音、鋭い痛み 運動直後・姿勢変化で悪化
筋膜炎・腱炎 押すと痛い・熱感あり 無理なストレッチで悪化
滑液包炎 腫れ・熱・座位が辛い 炎症期は冷却が必要

もし痛みが強い場合は、まず冷却と安静が基本となります。

炎症が落ち着く前に無理なストレッチを行うと逆効果になるため注意してください。いくら早く治したい気持ちがあっても、急性期(症状が出た当初)は「休ませることが治療」になるケースが多いです。適切な対応を行うことで、再発のリスクを減らせます。

POINT -

  • ●急な痛みは炎症や損傷の可能性がある
  • ●ストレッチや強い負荷は悪化させる場合がある
  • ●まず安静・冷却し、症状が続く場合は受診が必要

 

歩けないほど股関節が痛いときの対処法

片方(左側または右側)の股関節の痛みで歩けないほどの痛みがある場合、まず優先すべきは「炎症を進行させないこと」です。無理に動かし続けると、痛みが慢性化したり、関節内部の組織がさらに損傷する可能性があります。とくに強い痛みや腫れ、熱感、荷重時の激痛がある場合は、一時的に負担を減らす行動が必要です。

まず「行うべき」基本対応は次のとおりです。

対応方法 対処法
安静 痛みが強い動作や荷重を避ける
冷却 炎症が疑われる場合はアイスパックで冷やす
体重負荷軽減 杖・サポーター・手すりの使用も有効
痛みの記録 痛むタイミングや動作を記録する

上記の逆、反対に「やってはいけないこと」も存在します。特に、自己判断で強いストレッチやマッサージを行うと悪化するケースが多いため注意が必要です。また、市販の湿布や鎮痛薬でごまかし続けることもおすすめできません。なぜなら症状が進行しても気付きにくくなるからです。

もし、次のような症状がある場合は、早期受診が望ましいと言えます。

  • 早めに整形外科を受診すべき股関節の症状
  • – 夜間や就寝中も痛みがある
  • – 股関節の周囲に腫れや熱感がある
  • – 歩くと足を引きずるほど痛みがある
  • – 2週間以上、痛みや違和感といった症状が続く

歩けないレベルの痛みは、身体の深刻な警告であり、身体が発する注意すべきサインです。無理に我慢することなく、まずは整形外科を受診すべきです。

POINT -

  • ●歩けないほどの痛みは炎症・損傷している可能性がある
  • ●無理にストレッチしたり歩き続けると悪化しやすい
  • ●症状が続く場合は早めに医療機関へ相談が必要

 

股関節の左だけ(右だけ)が痛い場合、その特徴と疾患について

股関節の左側だけ痛い場合、単なる筋疲労だけでなく、関節内部の病気や組織損傷が隠れているケースがあります。とくに痛みが長期間続く、動作で悪化する、歩行に差し支えが出ている場合は、以下の病気が関係している可能性があります。

痛みや違和感などの症状が続く場合は、整形外科を受診しましょう。

可能性のある疾患 症状の特徴
変形性股関節症 歩行・階段・しゃがむ動作で痛み
股関節唇損傷 クリック音・鋭い痛み・方向転換で悪化
大腿骨頭壊死症 急激な痛み・荷重で強く悪化
滑液包炎 触ると痛む・腫れと熱感
坐骨神経痛 鋭い痛みと痺れ・放散痛

ここで重要なのは、「症状だけでは疾患を判断できない」という点です。同じ“歩いたときの痛み”でも、原因が筋肉なのか、関節内部なのか、神経なのかで治療法が全く異なります。

そのため、痛みが続く場合は、整形外科を受診し、画像検査(レントゲン・MRI)でその原因を調べることが大切です。また、大腿骨頭壊死症のように進行しやすい病気も存在するため、痛みが続く場合は、その強弱など自己判断せずに受診されることをお勧めします。

POINT -

  • ●股関節痛は病気や損傷が関係している可能性がある
  • ●症状だけでは原因が特定できない
  • ●長引く痛みは画像検査で確認することが有効

 

股関節 左だけ(右だけ)痛いとき、内臓に関する痛みの可能性

意外かもしれませんが、股関節の痛みが必ずしも関節由来とは限らないことがあります。ときどき内臓や神経の異常が原因となり、股関節まわりに「関連痛」が現れることがあります。つまり、痛みの場所と原因の場所が一致していないケースです。

内臓関係の痛みについて、関連する代表的な例はこちらです。

内臓または神経 痛みの特徴
尿路結石 側腹部〜鼠径部へ鋭い痛み
婦人科疾患(子宮筋腫など) 鈍い痛み・周期性の変化
腸の炎症 腹痛と股関節周囲の鈍痛
腰椎疾患(椎間板ヘルニア) 痺れ・放散痛・姿勢で変化

特に女性の場合、婦人科系の症状が関係して股関節周囲に痛みが出ることが知られています。また、坐骨神経や腰椎由来の痛みが「股関節が痛い」と感じられることも少なくありません。

このように、痛みの原因が関節外にあるときは、いくら股関節をケアしても改善しない場合があります。痛みが腹部や腰にも広がる、排尿に違和感がある、周期的に痛みが変わる場合は、整形外科以外の診療科の受診も視野に入れてください。

不明な場合は、まずは整形外科で関節の状態を調べて、以後の対応を相談してみてください。

POINT -

  • ●股関節の痛みが必ずしも関節由来とは限らない
  • ●内臓や神経トラブルが関連痛として現れることがある
  • ●症状の場所やタイミングを観察することが判断材料になる

 

股関節 左だけ/右だけ、痛くなった場合の受診目安

股関節の痛みを改善するうえで、「様子見の段階」と「医療機関へ相談すべき段階」を分けて判断することもできます。原因に合わない、医療機関に相談すべき段階で、様子見を続けると、症状が重症化し、長引くことがあるので注意が必要です。

以下に自宅で様子を見ても良いケースと、受診が必要な目安を整理しておきます。

状況 様子見 すぐに医療機関へ相談
痛みの強さ 軽度・動かすと少し痛い 歩行に無理感、困難・夜間痛・激しい痛み
期間 1〜7日程度 1週間をすぎて、2週間以上続く
症状の特徴 ストレッチで改善傾向 腫れ・熱・痺れ・進行する痛み
生活への影響 日常動作が可能 階段・立ち座り・移動が困難

この比較を参考に「様子を見る状況か」「悪化傾向にあるか」が判断の目安にはなります。まずは経過観察できますが反対に、症状が増悪している場合は、原因を確認するため医療機関への受診が望ましいとご判断ください。

ただし、様子見の状況であっても、不安や心配、違和感がぬぐえない、気になるなどの場合は、この表に関わらず、早めに診察を受けることをお勧めいたします。表はあくまでも一つの目安とお考え下さい。尚、変形性股関節症の場合、進行性であるため、早期の治療が大切であることを覚えておいてください。

特に中高年代の女性では、変形性股関節症の初期段階で痛みが出ることがあり、そのまま長期間放置すると関節のダメージが進むことがあるため、表によらず、痛みや違和感が繰り返す場合は、様子見することなく、早めに検査をお受けいただくことが大切です。

POINT -

  • ● 様子見で改善傾向か悪化傾向かを基準に判断する
  • ● 2週間以上痛みが続く場合は早期に医療相談が必要
  • ● 女性の場合は、様子見せず、早期に医療機関を受診する
  • ● 変形性股関節症は進行性であることを知って「大丈夫だろう」と油断しないこと

 

自宅でできる股関節 左だけ(右だけ)痛い場合のストレッチ

自宅でできるストレッチは、痛みが落ち着き始めたタイミングから取り入れると効果的です。ストレッチの目的は、関節周囲の緊張をゆるめ、左右差を整え、動きの滑らかさを取り戻すことにあります。

ここでは代表的なストレッチ例を紹介します。尚、痛みが強い場合・鋭い痛みが走る場合は無理に続けず中止してください。また、整形外科を受診後、リハビリで理学療法士などの指導を受けられることをお勧めします。

  • 🦵 中殿筋ストレッチ

  • 1. 椅子に座り、痛い方の足首を反対の太ももに乗せる
  • 2. 背筋を伸ばし、身体を前に少し倒す
  • 3. お尻の外側が伸びる感覚があればOK
  • ▶目安:20〜30秒 × 2回
  • 🦵 腸腰筋ストレッチ

  • 1. 片膝立ちの姿勢を取る
  • 2. 後ろ脚の付け根が伸びていることを感じる
  • 3. 背中を丸めずキープ
  • ▶目安:20秒 × 各脚2回
  • 🦵 内転筋ストレッチ(股関節可動域改善)

  • 1. 足を肩幅より広めに開く
  • 2. 痛みのない範囲で体重移動
  • 3. 太ももの内側が心地よく伸びる程度で止める
  • ▶目安:左右20秒ずつ

呼吸を止めず、伸ばす位置を調整しながら行うことがポイントです。強さより継続が成果につながります。

POINT -

  • ● 痛みの強さにより負荷を調整する
  • ● 心地よく伸びる範囲で止めることが大切
  • ● 1日短時間でも継続することで改善に向かう

股関節 片方だけ(右が)痛い場合、ストレッチの注意点

股関節の左右差がある状態でストレッチを行うときは、いくつかの注意点があります。間違った方法で続けると、筋肉バランスがさらに崩れ、痛みを助長する危険があります。

次の注意点を確認しながら行ってください。

注意点 理由
痛みが鋭いときに行わない 損傷や炎症が悪化する可能性がある
伸ばし過ぎは逆効果 筋肉防御反応が起き硬さが増すため
反対側だけ強く伸ばさない 左右差を広げてしまう可能性
呼吸を止めない 筋緊張が高まりリリース効果が低下

また、片側だけ痛い場合でも「痛い側のみストレッチする」のは適切な方法とは言えません。

多くのケースでは、身体バランスが崩れ、痛みのある側が負担を代償している状態です。そのため、全身の使い方や姿勢を整える意識が必要になります。さらに、ストレッチ後に痛みが悪化する場合は、その方法が合っていない、もしくはストレッチすべきタイミングではない可能性があります。

そんな場合も整形外科等でご相談ください。

POINT -

  • ● 痛みが強い場合はストレッチを控える
  • ● 左右どちらか一方のみのケアは非推奨
  • ● 伸ばし過ぎず呼吸を意識しながら行うことが鍵

 

股関節の痛み/冷やす?温める?痛みの状態別セルフケア

股関節の痛みがあるとき、「冷やしたほうが良いのか、温めたほうが良いのか分からない」とのご質問は多くあります。実際、この判断は痛みの原因や時期によって異なります。状態を見極めてケアを選ぶことで、回復スピードを大きく変えることができます。

次の表は、状態別の判断目安です。

状態 冷やす(アイシング) 温める(ホットパックなど)
痛みが出始めた直後 ◎ 推奨 × 避ける
ズキッと刺す痛み・腫れ・熱感がある ◎ 有効 × 悪化する可能性
慢性痛・重だるさ・こわばり △ 状況により ◎ 筋肉の緩みに最適
運動習慣があり疲労感を伴う △ 使い分け ◎ 血流改善に有効

冷却が向いているのは炎症期です。ケガをしたあとや、急に強く痛くなった時期は、冷やすことで炎症の広がりを防ぎ、痛みを落ち着かせる効果があります。一方、温めるのが適しているのは慢性期や疲労によるこわばりがある段階です。

筋肉が硬くなっていると関節への負担が増えるため、温めて血流を改善させるアプローチが合っています。ここで大切なのは、「迷ったらまず冷やす」という考え方です。炎症がある状態で温めてしまうと、逆に痛みが強くなる場合があるため注意が必要です。

POINT -

  • ● 急な痛み・腫れ・熱感がある時期は冷やす
  • ● 慢性化した痛みや筋肉の張りには温める
  • ● 判断に迷う場合は冷却が安全

 

股関節 左だけ(右だけ)痛い場合の座り方・立ち方について改善ポイント

痛みが片側だけに出る場合、生活動作のクセが強く影響しています。とくに座り方や立ち方が片側に偏ると、股関節に不均等な負荷がかかり、痛みが繰り返し起こる原因になります。日常動作を少し変えるだけで、負担は大きく改善します。

まず、座り方の改善ポイントです。

良い座り方 良くない座り方
両足を床につける 脚を組む・片側に寄せる
骨盤を立てる 背中が丸まり骨盤が後傾
左右均等に体重を乗せる 片側だけ体重を乗せる

つぎに、立ち方や歩行開始時のポイントです。

意識すべきこと 理由
片側に体重を乗せて立たない 股関節まわりの筋バランスが崩れる
骨盤を左右に傾けない 歩行時に負荷が集中する
つま先と膝の向きを揃える 角度差があると関節内部で摩耗が起きやすい

さらに、日常生活では次の動作に注意すると効果的です。

  • – 立ち上がるときは手で支えながらゆっくり行う
  • – 長時間同じ姿勢を続けない
  • – 靴の減り方が極端に偏っている場合は履き替える

このように、「使い方」を変えることで痛みが改善するケースは数多くあります。ぜひ一度、できるところから取組んでみてはいかがでしょうか。

POINT -

  • ● 姿勢や動き方のクセで片側への負担が増える
  • ● 座り方・立ち方を整えるだけで改善することがある
  • ● 脚を組む・片側荷重の習慣(クセ)を意識して避けることが重要

 

変形性股関節症・股関節唇損傷が疑われる症状

股関節の左側(右側)だけ痛みが続く場合、単なる疲労や筋肉痛ではなく、関節内部のトラブルが背景にある可能性があります。特に「変形性股関節症」や「股関節唇損傷」は、初期段階で見逃されやすく、進行性であることから、症状が進んでから気づくケースが少なくありません。

次の症状があてはまる場合、股関節の疾患が関係している可能性があります。

症状例 疑われる疾患
歩き始めに股関節が痛む 変形性股関節症の初期サイン
椅子から立ち上がる時に痛む 関節の摩擦・軟骨変性
股関節が引っかかる感じ・音が鳴る 股関節唇損傷の可能性
脚を開く・ひねる動作で鋭い痛み 股関節唇・関節内損傷
左右で可動域が明確に違う 関節形状の変化または炎症
夜間痛があり寝返りで痛む 進行性の関節疾患の可能性

このような症状が出ている場合、「時間が経てば治る」ものではないことが多く、適切な判断と治療が必要です。理由として、変形性股関節症や股関節唇損傷は、放置すると関節内部の摩耗が進み、強い痛み・動作制限・歩行障害につながる可能性があるためです。

特に女性の場合、「寛骨臼形成不全(受け皿が浅い骨形態)」を背景に発症することが多いため、股関節に違和感がある場合、まずは検査でご自身の状態を把握しておくことが今後の生活や治療の選択を考える上で役立ちます。

POINT -

  • ● 引っかかり感・鋭い痛み・夜間痛は疾患の可能性
  • ● 放置すると進行し、生活に支障が出ることがある
  • ● 症状の特徴で原因の目星がつくケースがある

 

再生医療や保存療法など治療の選択肢

治療方法は症状や進行度によって変わります。すべての人に同じ治療が必要というわけではなく、段階ごとに選択肢が分かれます。「今どの段階にあるか」を把握することが、最適な治療方針を決めるポイントです。

まず、一般的な治療選択肢と特徴を整理します。

治療区分 内容 適している状態
保存療法 薬、リハビリ、生活動作改善、装具 初期・軽度症状
注射治療 ヒアルロン酸、PRP等、ステロイド 痛みが周期的に出る場合や炎症期
再生医療(幹細胞治療) 関節軟骨・組織修復を促すアプローチ 保存療法で改善しない・手術を回避したいケース
手術療法 人工関節置換術、鏡視下手術など 変形性股関節症等、進行性疾患で生活障害が強い場合

保存療法は、痛みを和らげ、進行を遅らせる目的で選択されます。運動療法や生活習慣の調整で改善する場合も多くあります。一方で、再生医療は関節の修復を目指す治療選択肢のひとつとして注目されています。

  • 再生医療は以下のような想いへの選択肢として注目されています
  • – 手術を避けたい
  • – 保存療法だけでは改善が乏しい
  • – 将来的な進行をできるだけ遅らせたい
  • – 人工関節などの手術を避けられる可能性

ただし、どの治療が最適かは症状・年齢・進行度・生活環境によって異なります。医療機関では、画像評価と症状の経過を踏まえ、段階的に治療プランを選ぶことが一般的です。尚、再生医療は厚生労働省に提供計画を受理された病院やクリニックでなくては受けることができません。

当院は、再生医療等委員会で厳正な審査を経て、厚生労働省に提供計画を受理された再生医療専門クリニックです。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問合せください

POINT -

  • ● 治療は段階ごとに選択肢が変わる
  • ● 近年、保存療法 → 「再生医療」 → 手術(避けられる可能性)の順で検討されることがある
  • ● 目的は「痛みを和らげながら生活レベルを守ること」
  • ● 再生医療は、再生医療等委員会の審査と、厚労省への届出が必要(一般的な整形外科では不可)

 

まとめ・股関節が左(右)だけ痛い場合の治し方|原因・症状別セルフケアと治療法

股関節が左だけ痛い場合、その原因はひとつではありません。筋肉の緊張や生活動作のクセによる負担から、変形性股関節症や股関節唇損傷など関節内部の問題、さらに内臓や神経の関連痛まで、幅広い可能性があります。だからこそ、痛みの状態を見極めながら、冷やすタイミングや温めるタイミング、自宅でできるストレッチ、座り方・立ち方の改善など「今できる対処」を整理することが大切です。

一方で、痛みが2週間以上続く、歩けないほど強い痛みがある、夜間痛が出てきた、動かすたびに引っかかる感覚がある場合は、自己判断で様子を見るより、早めに医療機関で原因を確認することが安心につながります。治療方法は保存療法から再生医療、必要に応じて手術まで選択肢があり、進行度に合わせた対応が可能です。

股関節の左だけ痛い場合の治し方について、この記事にたどり着かれたということは、ご自身の身体と向き合い始めた証拠です。焦らず、今できることから少しずつ取り入れてください。適切な知識と判断があれば、痛みを減らし、これまで通りの日常動作や歩行を目指すことは十分可能です。
今後のケアや治療の選択に、この記事が役立てば幸いです。

 

監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪

 

股関節 痛み

 

よくある質問Q&A|股関節が左だけ痛い場合の治療法について

Q1:股関節が左だけ痛いのはなぜですか?

片側だけ痛む理由は、姿勢のクセや筋肉のバランスの崩れ、骨盤のゆがみが原因になっていることがあります。ただし、変形性股関節症や股関節唇損傷など関節内部の疾患が関係している場合もあるため、痛みが続く場合は検査がおすすめです。

Q2:痛みが出たとき、最初にやるべき対処は何ですか?

急に痛みが強くなった、腫れや熱感がある場合は冷やすほうが適しています。慢性的な痛みや重だるさがある場合は温めると筋肉が緩みやすくなります。判断に迷う場合は、まず炎症を悪化させないために冷却が安全です。

Q3:自宅ストレッチだけで治りますか?

ストレッチで改善するケースはありますが、痛みの原因によって効果が変わります。特に、引っかかる感覚や鋭い痛みがある場合は、無理なストレッチで悪化することがあるため注意が必要です。症状が軽減しない場合は医療機関で原因を確認した方が確実です。

Q4:どれくらい痛みが続いたら病院に行くべきですか?

目安として、2週間以上続く痛み、夜間痛、歩行困難、動作で悪化する痛みがある場合は受診を検討してください。進行性の疾患が隠れている可能性があるため、早めに原因を知ることが再発予防につながります。

Q5:手術以外に治す方法はありますか?

保存療法(薬・リハビリ・動作改善)や再生医療など、手術以外の選択肢も存在します。症状の段階や生活環境によって最適な治療は変わるため、「現状に合った治療を選ぶこと」が大切です。

Q6:歩くと痛いのですが、運動は続けてもいいですか?

強い痛みがある状態で無理に歩き続けると、痛みが悪化することがあります。痛みが落ち着くまでは負担を減らし、必要に応じて杖や手すりなどで体重を分散させると安心です。痛みが安定してきたら、負荷の軽い運動から再開します。

Q7:放置するとどうなりますか?

原因が筋疲労の場合は改善することもありますが、疾患が関係している場合は悪化し、可動域制限や歩行障害につながる可能性があります。特に「引っかかり感」や「夜間痛」がある場合は早めの相談が安心です。

 

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