
膝関節
リボーンクリニック 大阪院の膝関節
膝を曲げると痛い?その背景に隠れた病気とは
膝を曲げると痛い?その背景に隠れた病気とは
「しゃがむと膝が痛い」「正座がつらい」「階段の上り下りが億劫になってきた」──
そんな悩みを抱えていませんか? 膝を曲げたときに痛みを感じる症状には、思いのほかさまざまな原因が潜んでいます。
この記事では、「膝を曲げると痛い」という症状に悩む方に向けて、その背景にある代表的な疾患や身体的特徴、さらに自宅でできる対処法から、整形外科を受診すべきタイミングまで、わかりやすく解説します。
痛みを我慢しているうちに悪化してしまうケースも少なくありません。今の違和感が何を意味しているのか、一緒に確かめてみましょう。

膝の曲げ伸ばしの痛みなど、違和感にご注意
膝を曲げると痛んだり、違和感がある場合は医療機関へ
膝を曲げると痛みが走るとき、多くの方が「何か重大な病気では…」と不安を感じるのではないでしょうか。結論からお伝えすると、膝の痛みの背景にはいくつかの代表的な疾患や身体的要因が潜んでいます。
なぜ膝を曲げると痛むのか。その主な理由は、関節や筋肉、靭帯、軟骨などの組織に炎症や損傷があるためです。膝は人体の中でも複雑な構造を持ち、常に体重を支える負担の大きい部位。だからこそ、ちょっとした使い過ぎや加齢変化でもトラブルが起きやすいのです。
例えば、ランニングや階段の昇り降りを繰り返すことで腱や靭帯に炎症が生じる「鵞足炎(がそくえん)」や、加齢で軟骨がすり減ってしまう「変形性膝関節症」などは、非常に多くの方が悩む膝の病気の一つです。
膝の痛みは我慢するべきではありません。まずは「なぜ起きているのか?」を知り、整形外科など、医療機関に相談することが適切な対処の第一歩となります。
膝の痛み曲げると痛いときに疑うべき病気とは
膝を曲げたときに痛みを感じる場合、どのような病気の可能性があるのでしょうか? 結論としては、以下のような疾患が代表的となります。
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これらはすべて「膝関節の構造のどこに異常があるか」によって症状や治療が異なります。例えば、膝の内側が痛むなら鵞足炎や変形性膝関節症、曲げ伸ばし時に引っかかり感があるなら半月板損傷やタナ障害が疑われます。
このように、痛みの出る場所・タイミング・伴う症状をしっかり観察することで、ある程度、原因疾患を絞り込むことができます。
膝の痛み|鵞足炎とは
鵞足炎とは、膝の内側下方にある3本の腱が集まる「鵞足(がそく)」という部位に炎症が起こる病気です。
原因としては、膝の曲げ伸ばしによって腱と骨が擦れたり、同じ動作の繰り返しによるオーバーユースが挙げられます。とくにランナーやスポーツをしている方に多く見られます。
具体的な症状は、膝の内側を押すと痛い、階段を下りるときに痛む、膝を曲げると違和感がある…など。場合によっては、腫れや熱感を伴うこともあります。
治療はまず安静とアイシングが基本です。ストレッチや薬物療法を併用しながら、無理のない範囲で運動を控えることが大切です。再発を防ぐには、筋肉の柔軟性を保つこともポイントです。
膝の痛み|変形性膝関節症
変形性膝関節症は、中高年の方に非常に多く見られる疾患です。特に50代以降の女性に多く、膝の軟骨がすり減ることで痛みや変形が進行していきます。
痛みは、立ち上がるとき、歩き出し、階段の昇り降りなど「動き始め」に出るのが特徴です。進行すると、膝が腫れたり、可動域が制限されて正座ができなくなることもあります。
この疾患は完治が難しいものの、早期に運動療法やヒアルロン酸注射などの保存的治療を行うことで進行を遅らせることが可能です。逆に放置すると関節の変形が進み、手術が必要になる場合もあります。
放置すると進行します。少しでも膝に違和感があれば、早めに受診することで将来の負担を軽減するカギとなります。
膝の痛み|半月板損傷の特徴
半月板は、膝関節の衝撃を吸収するクッションのような組織です。この半月板が損傷すると、膝の曲げ伸ばしにひっかかり感が出たり、水がたまったりするようになります。
特に多いのは、スポーツや転倒などによる外傷性の損傷ですが、加齢によってももろくなり、ちょっとした動作で傷つくこともあります。
具体的な症状は、膝の裏側の痛み、膝がロックされるような感じ、歩きづらさなど。治療は保存療法から始まり、重度の場合は関節鏡による手術が選択されることもあります。
気になる痛みや違和感が続く場合は、早めに画像診断を受けることをおすすめします。放置で治ることはありません。進行するため、違和感があれば、早めに受診しましょう。
膝の痛み|音が鳴るタナ障害
膝を曲げたときに「パキッ」や「コリッ」と音が鳴る場合、タナ障害の可能性があります。これは膝関節の滑膜(かつまく)ヒダが肥厚し、骨に擦れることで炎症を起こす病気です。
とくにスポーツや膝の酷使が原因となることが多く、若い方にも見られる疾患です。
症状は、膝の内側に引っかかり感がある、音が鳴る、膝の屈伸で痛みが出るなど。放置すると炎症が慢性化し、痛みが強くなることもあります。
治療は安静とストレッチ、必要に応じて理学療法が基本です。改善が見られない場合は、関節鏡による手術も視野に入れます。
膝の痛み|疲労骨折の可能性
鵞足炎と間違えられやすい疲労骨折。これはスポーツなどで小さな負担が繰り返し膝にかかることで、骨に細かいヒビが入る状態です。
特に長距離ランナーや激しい部活をしている若年層に多く、運動中のみ痛みを感じるケースが典型的です。
症状は、膝の内側や外側の局所的な痛み、腫れ、動作時の違和感などです。安静にしていると痛みが治まるため、発見が遅れやすい点には注意が必要です。
骨折が進行すると完全な骨折に至ることもあるため、早期の診断と治療が不可欠です。
膝を曲げると痛みがでる人に多い身体的な特徴
実は膝の痛みは、病気だけでなく身体的な特徴が原因になることもあります。代表的なのが「O脚」、「筋力不足」、「筋肉の硬さ・柔軟性」です。
O脚の方は膝の内側に過度な負担がかかりやすく、特定の部位に痛みが集中します。また、膝を支える太ももの筋肉(大腿四頭筋やハムストリング)が弱いと、関節への衝撃を直接受けてしまいます。
筋肉が硬くなると、腱にかかるテンションも増加し、炎症の原因になりやすいです。こうした特徴は、日頃の生活習慣や姿勢のクセによっても生まれます。
自分の身体のバランスを知ることは、膝の痛みを予防する上で大切な第一歩です。
膝が痛いときのストレッチと対処法
膝が曲げにくい、痛みがあるときには、適切なストレッチやセルフケアが症状の軽減に役立ちます。
まずは太もも前面の大腿四頭筋、裏側のハムストリングス、そして鵞足筋(縫工筋・半腱様筋・薄筋)をやさしく伸ばすことが基本です。入浴後や就寝前にストレッチを取り入れると、血流が良くなり回復を促進します。
一方で、急性の痛みがある場合は無理に動かすと悪化する可能性もあります。そのような場合は、まずは冷やす、湿布を貼る、サポーターで固定するなどの応急処置が有効です。
膝への負担を減らしながら、少しずつ可動域を回復させることを心がけましょう。
膝の痛み曲げると痛いときに整形外科へ行く目安
「まだ我慢できるから…」と放置してしまいがちな膝の痛みですが、受診が遅れると治療が長引くこともあるので注意が必要です。
以下のような場合は整形外科を受診しましょう
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クリニックでは、X線やMRIなどを使って詳細な診断が可能です。原因を特定することで、適切な治療につなげることができます。何よりも早期発見・早期治療が、膝の健康を守る最大のカギになります。
まとめ・膝の痛みは放置せず、早めのケアを
膝を曲げると痛い!その症状の裏には、鵞足炎や変形性膝関節症、半月板損傷など、さまざまな疾患が隠れている可能性があります。また、O脚や筋力低下といった身体的な特徴が影響しているケースも珍しくありません。
重要なのは、「いつものことだから」「すぐに治るだろうと放置しないことが大切です。早めに原因を見極め、正しいケアを行えば、症状の進行を防ぎ、生活の質を守ることができます。
自宅でのストレッチや対処法も有効ですが、痛みが続く場合や、腫れ・熱感・動作の制限が見られるときは、迷わず整形外科を受診しましょう。
小さな違和感のうちに対処することが、将来の大きな安心につながります。
膝の痛みと上手に向き合い、健やかな毎日を取り戻しましょう。
監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪院
Q&A |膝を曲げると痛い?その背景に隠れた病気について
Q1. 膝を曲げると痛いのは、年齢のせいですか?A. 年齢も要因の一つですが、それだけが原因とは限りません。若い方でもスポーツや日常動作による負担の蓄積で、鵞足炎や半月板損傷などを起こすことがあります。年齢に関わらず、症状が続く場合は専門的な診断が必要です。膝の違和感は早めに整形外科を受診しましょう。 Q2. 鵞足炎と変形性膝関節症の違いは何ですか?A. 鵞足炎は膝の内側下方の腱に炎症が起きる病気で、スポーツなどの使いすぎが原因です。対して変形性膝関節症は、関節の軟骨がすり減ることで慢性的な炎症や変形が起きる加齢性の疾患です。発症メカニズムや治療方針も異なります。膝の違和感は早めに整形外科を受診しましょう。 Q3. 自分で判断する方法はありますか?A. 痛みの場所や症状の出方をチェックすることで、ある程度の予測は可能です。例えば、膝の内側が痛くて押すと響くなら鵞足炎の可能性があり、動き出しで痛む場合は変形性膝関節症の可能性があります。ただし、自己判断には限界があるため、正確な診断は整形外科を受診され、画像検査による医師の診断が必要です。 Q4. ストレッチはどれくらい続けると効果がありますか?A. 1回20〜40秒を目安に、1日2〜3セットを継続するのがおすすめです。筋肉の柔軟性は1日で改善するものではなく、数週間〜数ヶ月かけて変化していくものです。継続が最も大切なポイントになります。無理に回数や強度を増やすのではなく、軽めでも毎日継続できるよう工夫しましょう Q5. どんな症状が出たら整形外科を受診すべきか?A. 以下のような症状があれば、早めに受診しましょう。 |