変形性股関節症

リボーンクリニック 大阪院の変形性股関節症

変形性股関節症 やってはいけないこと一覧と正しい対処法/保存版

この記事の内容
  1. 変形性股関節症 やってはいけないこと/今すぐ見直すべき生活動作
  2. 変形性股関節症 やってはいけないこととは?悪化要因
  3. 股関節の仕組みと変形性股関節症の原因
  4. 変形性股関節症 悪化要因となる生活習慣(肥満・喫煙)
  5. まとめ・変形性股関節症 やってはいけないこと一覧と正しい対処
  6. よくある質問(Q&A)|変形性股関節症 やってはいけないこと

変形性股関節症 やってはいけないこと/今すぐ見直すべき生活動作

歩くときや立ち上がるとき、足の付け根に「ズキッ」とした痛みを感じると、不安になります。もしかしたら、その違和感、変形性股関節症のサインかもしれません。

変形性股関節症は、正しい知識を持つかどうかで、その後の生活の質が大きく変わる疾患です。多くの方が「痛くなってから気づく」「知らずに悪化させてしまう」傾向がありますが、生活の中に潜む“やってはいけないこと”を避けるだけで、痛みの軽減や進行抑制は十分に期待できます。

実は、日常生活のちょっとした動作や習慣が、知らないうちに股関節に負担をかけ、症状を悪化させる原因になっていることがあります。
深いしゃがみ込み、重い荷物を持つ、長時間の立ち仕事、足を組む姿勢などは、その代表例です。

日常生活でやってはいけないことを知り、負担を減らす生活習慣や正しい歩き方・寝方を身につけるだけでも、痛みの軽減や進行抑制につながります。

さらに本記事では、保存療法や運動リハビリだけでなく、「手術しないで改善を目指す再生医療」という新しい選択肢にも触れています。

この記事で分かること

  • ☑ 変形性股関節症で避けるべき動作・姿勢とその理由
  • ☑ 痛みを悪化させる生活習慣や日常動作の特徴
  • ☑ 症状悪化を防ぐ歩き方・運動・セルフケア方法
  • ☑ 手術以外の治療選択肢としての再生医療の可能性

 

変形性股関節症 やってはいけないこと

 

変形性股関節症 やってはいけないこととは?悪化要因

変形性股関節症は、 症状を進行させる行動(避けるべき動き)や、やめたい習慣 が存在します。これらを知り、避けるだけでも痛みの軽減や進行スピードの抑制が期待できます。

特に注意したいのは、次の3つの要素です。

悪化要因カテゴリ 具体例 何が問題になるのか
動作・姿勢 足を組む、深いしゃがみ込み、急なひねり動作 関節軟骨へ過剰な負荷、炎症の繰り返し
生活習慣 肥満、喫煙、運動不足 血流障害・関節摩耗・筋力低下
運動・活動量 高衝撃スポーツ、重労働、長時間の立ち姿勢 股関節に荷重と衝撃が蓄積

中でも、知らないうちにやってしまうこと、「癖」 が最も厄介です。
例えば足を組む、いずれか片足に体重をかけて立つ、床から立ち上がる際に深く曲げるなど、日常の小さな動きが痛みの引き金になりかねません。さらに、以下のような特徴がある方は症状が進行しやすい傾向があるので注意が必要です。

  • ・股関節の可動域が狭い
  • ・歩幅が極端に小さい
  • ・姿勢が前かがみまたは猫背
  • ・体幹やお尻の筋肉(特に中殿筋)が弱い

これらの条件が重なるほど、股関節に負担が集中し、軟骨が摩耗しやすいことになります。では、なぜ悪い動作が続くと股関節症が進むのでしょうか?理由はシンプルで、「負荷のかかり方が偏るから」です。

股関節は本来、骨・筋肉・靭帯がバランスよく働くことで負担を分散しています。しかし、誤った動作を続けると、そのバランスが崩れ、一部の組織に負荷が集中してしまいます。その結果、以下の症状が起きやすくなります。

  • ・動くたびに痛みが出る
  • ・こわばりや引っかかり感が強くなる
  • ・そうなると歩き方が変わり、さらに悪循環へ

前述のような「悪化要因」を避けるだけでも、痛みが和らぐことがあります。つまり、治療以前に“生活の「クセ」を見直すことが、改善の出発点になるといえるのです。

POINT -

  • ● 悪化要因は「動きのクセ」「生活習慣」「活動量」に現れる
  • ● 間違った姿勢や負荷が軟骨摩耗と痛みを加速させる
  • ● まず避けるべき行動を知ることが進行予防の第一歩

 

股関節の仕組みと変形性股関節症の原因

まず理解いただきたいポイントは、股関節が「体重を支える重要な関節であり、かつ自由度の高い関節」ということです。股関節は、大腿骨の丸い骨(大腿骨頭)と骨盤側にあるくぼみ(臼蓋:きゅうがい)で構成されています。この構造により、足を前後・左右・回旋と多方向に動かすことができます。

しかし、自由度が高いということは、それだけ負担も蓄積しやすい仕組みでもあるとも言えるのです。股関節の表面には軟骨があり、骨同士がこすれないようクッションの役割を果たしています。この軟骨がすり減ると、炎症や痛みを引き起こし、徐々に関節が変形していきます。これが 変形性股関節症 です。

とくに日本では「臼蓋形成不全(股関節の受け皿が浅い状態)」が原因となるケースが多いと言われています。そのため、若い頃から痛みがなくても、構造上負担が溜まりやすい方は一定数存在します。

以下は原因として多い代表例です

原因 内容
臼蓋形成不全 先天的に股関節の受け皿が浅い
加齢 軟骨の摩耗・筋力低下
運動や重労働 長期間の負荷
体重増加 関節にかかる力が増える
過去の外傷 骨折・脱臼経験

厚生労働省の報告でも、加齢と関節疾患の関連性は高いとされており、中高年層に多くみられる傾向があります。いずれにしても、原因が複合することで軟骨のすり減りは進行しやすくなります。早い段階で気付き、負荷を減らす工夫が必要です。

POINT -

  • ● 股関節は体重を支える重要な関節
  • ● 軟骨が摩耗すると痛みと変形が進む
  • ● 日本では臼蓋形成不全が原因の多くを占める

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|深いしゃがみ込み

しゃがみ込む動作は、変形性股関節症の方の股関節にとっては大きな負荷となります。とくに膝を深く曲げる姿勢は、股関節の可動域を最大限使うため、軟骨や関節唇の一部に圧力が集中します。

例えば、以下の動作は注意が必要です。

避けたい動作 理由
和式トイレの利用 股関節を深く曲げ続ける
床作業・片付け 長時間しゃがむ姿勢が続く
深いスクワットなどの筋トレ 強い負荷+繰り返し刺激

急激なしゃがみ込みはもちろん、短時間でも繰り返すことで痛みや炎症が悪化します。では、どうすればよいのでしょうか。代替手段としては日常的に「そのような動作をしないで済む」ような改善策を推奨しています。

  • ・洋式トイレへの変更
  • ・座面の高い椅子を使う
  • ・掃除や庭仕事は道具や補助具で高さ調整
  • ・無理な筋トレより水中運動やエアロバイクへ置き換え

深いしゃがみ込みは股関節の負担が大きく、症状の進行につながる可能性があります。少しの工夫で生活負荷を減らせますので、できる範囲から環境を整えてみてください。

POINT -

  • ● 深いしゃがみ込みは軟骨に圧が集中する
  • ● 和式トイレ・スクワット・床作業は注意
  • ● 生活を椅子・補助具中心に変えると負担が軽くなる

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|正座・あぐら

正座やあぐらは、日本人に馴染みのある姿勢ですが、変形性股関節症の方に、おすすめできません。この姿勢では股関節が深く曲がり、内側へねじれる負荷(内旋)が加わるため、関節内部の圧力が高まります。

さらに、その姿勢を長時間続けると筋肉や靭帯が硬くなり、可動域が狭くなる原因にもなります。

姿勢 股関節への影響
正座 深い屈曲+圧迫
あぐら 内旋負荷+股関節が開く影響
床座り全般 立ち上がり時の負荷が大きい

だし、全く座れないことがストレスになる場合もあります。どうしてもの場合は、以下の方法で負担を軽減できます。

  • ・座布団やクッションで高さを調整
  • ・片側に重心を寄せない
  • ・長時間継続せず一定時間で姿勢を変える
  • ・正座補助椅子を使用する
  • ・また、立ち上がる際はサポートできる壁や手すりを利用すると安心です。

正座やあぐらは文化的にも慣れた座り方ですが、変形性股関節症では負担が大きく悪化を招く姿勢です。椅子生活へ切り替えることが、将来の関節状態を守る選択につながります。できれば避けいただけきたいと思います。

POINT -

  • ● 正座・あぐらは股関節屈曲+ねじれが起こり負担が増える
  • ● 長時間続けるほど可動域低下や炎症につながる
  • ● 椅子生活へ切り替えると関節への負荷が減る(和式から洋式への生活環境の変更)

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|重い荷物の持ち運び

重い荷物を持つ動作は、変形性股関節症の症状を悪化させる代表的な行動となります。理由は、荷物の重さがそのまま股関節への負荷となり、軟骨や関節唇に圧力をかけてしまうためです。特に大きく重たい物を片手で持つ場合、左右のバランスが崩れ、負担が偏ることも炎症や痛みの一因になります。

例えば、旅行のスーツケース、買い物袋、仕事道具(工具やPCバッグ)、段ボールなどの荷物などが当てはまります。これらを無意識に持ち運んでしまうと、荷重が増え、股関節の摩耗や負担はさらに大きくなります。

以下の表は、荷物の持ち方と股関節負担の違いをまとめたものです。

行動 股関節への負担度 問題点 改善策
片手で重い荷物を持つ 高い 片側に負担が集中 両手で均等に持つ
大きな荷物を抱える 非常に高い 持ち上げ時の負荷が増加 台車・キャリーを使用
少量ずつ分けて運ぶ 低い 手間が増える 方法としては推奨

改善策としては、「荷物は分散させて持つ」「台車やキャリーカートを使う」「必要なら家族や周囲に頼む」など、負担を軽減する習慣づくりが大切です。

もし仕事や生活で重い荷物の運搬が避けられない場合は、補助具の使用や姿勢改善が負担軽減につながります。少しの工夫で症状の悪化を防げる可能性があるので工夫してみてください。

POINT -

  • ● 重い荷物は股関節の圧迫負担を増やす
  • ● 片手持ちは左右の負担バランスを崩す
  • ● 台車・分散・補助などで対応できる

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|長時間の立ち仕事

長時間同じ姿勢で立ち続けることも、変形性股関節症の悪化を招きやすい行動となります。長時間の立位は、股関節に体重負荷が直接かかり、筋疲労・炎症・可動域低下が起こりやすくなります。

とくに、職業的なもの、たとえば美容師、看護師、調理職、販売職など、日常的に立ち仕事を行う職種の方は、痛みや負担が蓄積されやすい傾向があります。

以下の点に心当たりがある場合は注意が必要です。

  • ・立っていると足の付け根が重だるい
  • ・夕方になると痛みが強くなる
  • ・片足に体重をかける癖がある
  • これらを放置すると、股関節だけでなく腰痛や歩行障害に繋がることがあります。

改善方法、できる工夫としては次のような方法があります

対策 効果
こまめに休む(1時間ごとに座る) 負荷分散
クッション性のある靴底に変更 衝撃吸収
足を交互に動かす・体重を揺らす 固定負荷を防止
インソール・補助具の使用 体重の分散

立ち続けること自体が悪いのではなく、「長時間、休みなく姿勢を固定して立つこと」が負担になります。立ち仕事の方は習慣を少し変えることで痛みを和らげられます。また、可能なら勤務先や同僚の理解協力を得て上記のような負担軽減、こまめな休息などができれば良いですね。

まずはできること、靴や中敷きなどを工夫してみてください。

POINT -

  • ● 立ちっぱなしは股関節への負担を蓄積させる
  • ● 靴・休憩・体重移動などの工夫が効果的
  • ● 特に立ち仕事の方は対策が必要

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|急なひねり動作

急に体をひねる動作は、変形性股関節症にとって最も避けたい動きのひとつです。理由は、股関節は回旋運動に弱く、ひねりが加わることで軟骨や関節唇へ局所的な負荷が集中するためです。

具体的には、以下のような動作が該当します。

  • ・ゴルフのスイング(スポーツ全般注意)
  • ・卓球やテニスの方向転換( 〃 )
  • ・立った姿勢で急に方向を変える
  • ・椅子に座ったまま体だけをひねる

これらの動作では「ひねり+荷重」が同時にかかることが多く、炎症や痛みの増える要因になります。特にスポーツは全般的に注意が必要です。
改善方法としては、方向転換をするときに足ごと動かす・無理に身体だけをひねらないなど、「動作を分解して行う」ことが効果的です。

たとえば

動作 悪い例 良い例
方向転換 その場で体だけひねる 足から動かし全体で向きを変える
物を取る 座ったまま体をひねる 立ち上がって正面から取る

急なひねり動作は、痛みが出てから意識されるケースが多いため、日常の癖として先に修正しておくことが大切です。

POINT -

  • ● 急なひねり動作は関節唇に負荷が集中
  • ● スポーツ・方向転換・座位姿勢に注意
  • ● 体をひねるのではなく「体ごと向ける」動作へ変更

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|足を組む・片足重心

足を組む姿勢や片足に体重をかける立ち方は、一見すると楽に感じることがあります。しかし、変形性股関節症の方にとって、この習慣は痛みを増やし、関節の変形を進行させる原因になります。問題は、意識することなく癖になっている場合です。気が付いたら治すよう意識づけしましょう。

良くない理由としては、足を組むことで骨盤が傾き、股関節にねじれのストレスが加わることです。片足重心も同様で、片側の股関節に継続的な体重負荷が偏り、炎症や軟骨摩耗を引き起こしやすくなります。

特に以下の動作が習慣化している場合は注意が必要です。

行動例 股関節への影響
椅子に座る際に足を組む 関節の内旋負荷・姿勢の偏り
立つときに片足へ重心を傾ける 片側の摩耗・痛みの増悪
カバンを片側のみで持つ 股関節だけでなく骨盤にも歪み

改善のポイントは、「左右バランスを整えること」です。

  • ・椅子に座るときは両足を床に揃えて置く
  • ・立つときは左右均等に体重をかける
  • ・カバンはリュックや軽いショルダーに変更

足を組む癖は、無意識に出るケースが多いため、初めは意識して修正しましょう。姿勢を整えることを意識すれば股関節への負担を軽減できます。

POINT -

  • ● 足を組む・片足重心は股関節の負担バランスを崩す
  • ● クセとして習慣化している場合が多い
  • ● 姿勢と荷物の持ち方を整えることで改善につながる

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|股関節に負担の大きい運動

前述した、「急なひねり動作を避ける」でも記しましたが、変形性股関節症では、負担の大きい運動や強くひねる・衝撃が加わる運動は、炎症や痛みを引き起こしやすく、避けた方が良いのですが、それ以外の軽い運動なら、筋力の維持向上、安定性の確保ができるため、避ける必要はありません。

以下が注意したい運動例です。スポーツ全般、無理のない範囲でお取組みください。ただし、股関節に違和感を感じたら休憩や、取りやめるなどの決め事を作りましょう。

運動種別 負担理由
ランニング・ジャンプ系 着地の衝撃が直接関節に伝わる
激しいストレッチ 可動域を超える伸展で関節組織を痛める
サッカー・テニス 方向転換・急停止・ひねりが多い
エアロビクス・踏み台昇降 高負荷の繰り返し刺激

その一方で、以下の運動は比較的安全で推奨されることがあります。

推奨されやすい運動 特徴
水中歩行 体重負担を軽減しながら運動できる
自転車・エアロバイク 衝撃が少なく筋力アップに有効
ストレッチ(軽め) 姿勢調整・拘縮予防
ピラティス・ヨガ(負荷調整付き) 体幹と可動域の安定性を高める

運動で、大切なのは、「痛みが出る前にやめる」「無理な動作を避ける」「継続できる安全な運動を習慣にすること」です。運動は正しい種類と量を選べば、症状の進行を遅らせる効果を期待することもできます。

POINT -

  • ● 衝撃・ひねり・無理な可動域運動は避けたい
  • ● 運動は悪化要因にも改善手段にもなり得る
  • ● 続けられる低負荷運動に置き換えることが重要

 

変形性股関節症 やってはいけないこと|寝方・禁忌姿勢

睡眠時の姿勢は、痛みのある人ほど敏感に影響が出ます。寝ている間、姿勢によっては体重が関節にかかることがあり、そんな姿勢は痛みを引き起こしやすく、翌朝のこわばりや可動域制限につながります。

避けたい寝姿勢は以下です。

姿勢 注意点
横向きで痛い側を下にする 体重負荷が股関節に集中
うつ伏せ寝 外旋姿勢が続き関節がねじれる
足を交差したまま寝る 無意識に骨盤が歪む

では、どのような寝方が理想でしょうか。おすすめできる寝方は以下のようなものです。

  • ・仰向けで両足をまっすぐ揃える
  • ・横向きの場合は「痛くない側」を下にする
  • ・膝の間にクッションや抱き枕を入れて股関節を安定させる
  • ・抱き枕や膝クッションを利用すると、骨盤を安定させ、負担を軽減できます。

痛みが強い場合は、寝返りを減らすサポートアイテム(低反発マットレス・体位保持クッションなど)も有効です。寝姿勢の調整で日中の痛みが軽くなるケースもあるので色々試されてはいかがでしょうか。また医師や理学療法士に「寝姿勢」について具体的なアドバイスを求められるのも良いでしょう。

POINT -

  • ● 寝姿勢は翌朝の痛みや可動域に影響する
  • ● うつ伏せや足を交差した姿勢は避ける
  • ● クッションを使うと骨盤が安定し痛み軽減につながる
  • ● 医師や理学療法士などにアドバイスを求める

 

変形性股関節症 悪化要因となる生活習慣(肥満・喫煙)

変形性股関節症の進行は、生活習慣も深く関係します。特に「肥満」と「喫煙」は、変形性股関節症の症状を悪化させる代表的な要因として知られています。心当たりがある方は、まずこれらの生活習慣を整えることが改善の近道になる場合があります。

- まず肥満についてです。

体重が増えるほど、股関節にかかる負荷も「比例して大きく」なります。例えば、体重が1kg増えるだけで、歩くたびに股関節には約3~4倍の負荷がかかることをご存知でしょうか。つまり、体重5kg増加すると、日常動作だけで股関節への負担は15~20kgも増える計算になります。

これでは軟骨の摩耗を早め、痛みを引き起こす大きな要因になってしまします。

- 次に喫煙です。

喫煙は血流を悪くし、軟骨や周囲の組織への栄養の供給を阻害します。そうなると血液が担っていた修復力が落ち、炎症が起こりやすくなるほか、骨密度低下のリスクも高まることになります。これは関節疾患の悪化と密接に関係するため、変形性股関節症においては、できるかぎり禁煙が望ましいとされています。

生活習慣 股関節への影響 改善策
肥満 体重増加により負荷が増し痛み・変形を促進 食事改善・無理のない運動
喫煙 血流悪化で軟骨修復能力低下・炎症リスク増加 禁煙外来・段階的減煙

一気に生活を変える必要はありません。無理をすると、継続できなくなるため、できる範囲から改善する意識を持ち、諦めず継続して続けることが大切です。

POINT -

● 体重は股関節負荷に直結する
● 喫煙は回復力を低下させる
● まずできる改善から生活習慣を整えることが大切

 

やってはいけないことを続けるリスクと進行スピード

変形性股関節症は、放置して自然に元の状態に戻ることが難しい疾患です。そのため、これまで記したような、やってはいけない生活動作を続ければ、進行スピードが加速する可能性があることをご理解ください。

とくに、以下の行動が習慣化、あるいは積み重なると進行が早まります。

  • ・深い曲げ伸ばし(正座・あぐら・しゃがみ込み)
  • ・重い荷物運搬
  • ・長時間の立ち姿勢・歩きすぎ
  • ・身体をひねる動作
  • ・姿勢の偏り(足組み・片足荷重)

もちろん進行には「個人差」がありますが、生活習慣の改善と負担の調整に取り組んだ場合と、意識しなかった場合を比較すると、症状悪化の速度に差が出るケースが多いと言われています。

進行スピードの違いを以下に示します。

生活習慣の管理 進行速度 痛み 将来のリスク
対策(意識)している場合 遅い コントロールしやすい 手術回避の可能性
対策(意識)をしていない場合 早い 日常生活動作で増悪 歩行困難・手術が必要になる例も

つまり、現在「痛くないから大丈夫」と放置することは長期的に見てデメリットが大きいといえるのです。

少しの意識改善で未来の負担を大きく減らすことができます。股関節に違和感を感じたら整形外科にて診断を受け、変形性股関節症なら、この記事に記したような生活習慣の改善を意識して取り入れていただくことをお勧めします。

POINT -

  • ● 放置するほど変形と痛みが進行しやすい
  • ● 小さな習慣が将来の歩行能力を左右する
  • ● 今できる対策が長期的な予防につながる

 

変形性股関節症 歩き方の注意点と推奨運動

日常生活で普通に行っている歩行。実のところ歩き方は、股関節にかかる負担を調整するうえで非常に重要な要素になります。歩く姿勢が悪いだけで、関節の摩耗が進みやすくなり、痛みが増すケースがあります。逆に、適切な歩き方を習得すれば、運動効果を保ちながら痛みの軽減や進行抑制に役立つのです。

注意してほしい歩き方

NG歩行例 問題点
体が左右に揺れる歩き方 支持脚側への負担集中
猫背・視線が下向き 重心が前に偏り股関節負荷が増加
小股・すり足 関節にねじれ負担が加わる

それでは、どんな歩き方が良いのでしょうか。

  • 良い歩き方

  • ・背筋を伸ばす
  • ・歩幅を広げすぎず自然に
  • ・かかと → つま先の順に体重をのせる
  • ・痛みがある場合は、杖やウォーキングポールを活用

痛みなどで歩行が困難な場合でも、以下のような運動は有効です。

種類 特徴
水中歩行 体重負荷を大幅に減らしながら筋肉を使える
エアロバイク 股関節への衝撃が少なく継続しやすい
股関節周囲筋トレ 支持力向上で歩行が安定

ただし、こうした運動は、自己流ではなく、医師や理学療法士の指導で行えば安心で、安全性も高まります。

POINT -

  • ● 歩き方で股関節への負担は変わる
  • ● 正しい姿勢と歩行リズムを意識することが大切
  • ● 水中歩行やバイク運動は安全で継続しやすい

 

股関節に優しい生活の工夫とセルフケア方法

変形性股関節症と付き合ううえで大切なのは、「股関節への負担を減らしながら、必要な動きを保つこと」です。実際、生活習慣を少し調整するだけでも、痛みの軽減や症状の進行抑制にもつながります。かといって特別な器具が必要というなわけではなく、まずは日常の動作を見直すことが第一歩になります。

まず、生活の中で意識したいポイントを整理します。

分野 工夫例 効果
座り方 椅子生活を基本に、足を組まない 骨盤の傾き・体重偏りを防ぐ
動作 立ち上がり時は手すりや太ももを支える 負荷を分散
家具選び 低い椅子や柔らかいソファを避ける 深い屈曲姿勢を防止
クッション性があり安定したものを選ぶ 歩行衝撃の軽減

痛みがある場合は「安静にする」だけではなく、「適度に動かすこと」も必要です。可動域を維持し、股関節周りの筋力低下を防ぐことが将来の歩行能力につながります。安静にしすぎて歩行できなくなるのを防ぎたいものです。

  • セルフケアとして取り入れたいこと

  • ・温めて血流を促す(入浴・ホットパック)
  • ・痛みが強い場合は冷却して炎症を抑える
  • ・無理のない範囲で股関節周囲のストレッチ
  • ・太もも・お尻の筋肉を軽めに鍛える運動

特に中殿筋(お尻の横の筋肉)は股関節の安定性に深く関わり、鍛えることで「歩行と姿勢」が改善します。
前述したセルフケアを継続できれば、負担を減らしつつ、生活の質を維持しやすくなります。ただし、痛みがある日は無理をせず、少しずつ習慣化することがポイントです。

POINT -

  • ● 椅子生活・姿勢改善・適度な運動が基本
  • ● 温冷療法やセルフストレッチは痛み調整に役立つ
  • ● 筋力と柔軟性のバランスが生活動作を支える

 

手術しないで改善を目指せる「再生医療」という選択肢

変形性股関節症では、生活改善やリハビリが効果を示さない場合、人工関節手術が多くの場合の選択肢として挙がります。ただ、すべての方がすぐに人工関節置換術を必要とするわけではありません。症状の進行に合わせて、手術以外の治療選択肢を検討することも可能です。

その一つに、「幹細胞治療」やPRP(多血小板血漿)などの「再生医療」があります。再生医療は、体が本来持つ修復機能を活かし、炎症の抑制や軟骨の修復・再生を期待する治療法です。痛みの緩和や歩行の改善を目的とし、投薬や注射よりも長期的な変化を狙う方に検討されています。

再生医療は、変形性股関節症の新たな選択肢として近年、注目を浴びていますが、自由診療であること、再生医療に限ったことではありませんが100%の効果を期待するものではありません。ご自身に合う合わないなどは、一度専門院にお問合せされることをお勧めします。

当院は厚生労働省へ届出した再生医療専門クリニックですので、ご興味がある方はお気軽にお問合せください

手術とそれ以外の治療法を整理しました。

選択肢 目的 メリット 課題
保存療法(生活改善・薬) 痛みの調整 体への負担が少ない 改善効果に限界
人工関節手術 機能回復 効果が大きい 術後リスク・回復期間
再生医療 軟骨機能の維持・改善 体への侵襲が少ない・手術回避の可能性 医療機関により質と実績に差がある

※治療選択は医師の診断やMRI等での画像評価が必要です。それぞれの治療効果が期待できるかどうかは、進行度や体の状態によって異なります。

再生医療は万能ではありませんが、「手術を避けたい、したくない」「手術以外の選択肢を知りたい」「手術できない」「入院できない」という方にとって、有効なアプローチといえます。

POINT -

  • ● 手術以外にも治療選択肢が存在する
  • ● 再生医療は体への負担が少なく、機能維持を目的とした治療
  • ● 症状や進行度に応じた治療選択が大切
  • ●再生医療は、手術を避けて入院することなく日帰りで治療が可能

 

まとめ・変形性股関節症 やってはいけないこと一覧と正しい対処

変形性股関節症は、進行とともに痛みや可動域の制限が強くなり、歩行や日常動作が負担に感じやすくなる病気です。しかし、必要以上に過敏になることなく、まずは、やってはいけないことを知り、適切な行動や動きに置き換えてみてください。

深いしゃがみ込み、正座・あぐら、重い荷物の持ち運び、長時間の立ち仕事、急なひねり動作、足を組む姿勢などは、股関節に繰り返し負担をかけ、症状の悪化につながる可能性があります。反対に、洋式生活への変更、適切な寝方、無理のないウォーキング、水中運動やストレッチなどは、痛みをコントロールしながら動ける体づくりに役立ちます。

また、肥満や喫煙などの生活習慣は、炎症や軟骨への負荷を増やす要因となるため、意識的に改善していきましょう。

そして、保存療法だけで改善が見られない場合でも、すぐに手術しか選択肢がないわけではありません。近年では再生医療のように、手術を避けながら改善を目指す治療法も生まれています。

変形性股関節症は、「知識」と「正しい選択」で向き合える病気です。痛みと不安を抱え込まず、ご自身の生活に合った対策や治療法を見つけてください。必要な場合は医師に相談しながら、無理なく続けられるケアを積み重ねていきましょう。

股関節を守りながら暮らせる未来は、行動で変えることができます。

 

監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪院

 

股関節 痛み

 

よくある質問(Q&A)|変形性股関節症 やってはいけないこと

Q1. 変形性股関節症で本当にやってはいけないことは何ですか?

A. 深いしゃがみ込み、正座・あぐら、足を組む姿勢、重い荷物の持ち運び、長時間の立ち仕事、急なひねり動作、ジャンプやランニングなどの高負荷運動は避ける方が安心です。これらの動作は股関節に強い圧力やねじれを生じ、軟骨摩耗や痛みを悪化させる可能性があります。

Q2. 動かさない方が良いですか?安静がベストですか?

A. 完全に動かさないことはおすすめできません。関節が固まり、筋力低下や歩行障害につながる可能性があります。痛みが強くない範囲で、水中ウォーキングや軽いストレッチなど負担の少ない運動を続ける方が改善しやすいです。

Q3. 歩くのは良くないですか?

A. 適度なウォーキングはむしろ推奨されます。痛みが強まるほど歩くのは良くありませんが、1日20〜30分程度、無理のない歩幅で歩くと血流改善や筋力維持に役立ちます。痛みが出た場合は中止して休憩してください。

Q4. 寝るときの姿勢で気をつけることはありますか?

A. うつ伏せ寝、足を交差した状態、痛む側を下にして寝ることは避けましょう。脚の間にクッションを挟む横向き姿勢や、膝下にクッションを置いた仰向け姿勢が股関節への負担を軽減します。

Q5. ダイエットは必要ですか?体重を気にした方が良いですか?

A. 体重管理はとても大切です。体重1kg増えると、歩行時には股関節に約3kg以上の負荷がかかると言われています。無理な減量ではなく、適正体重に近づける意識で進めましょう。

Q6. 煙草を吸いますが禁煙は関係ありますか?

A. はい。喫煙は血流を低下させ、軟骨や骨への栄養供給を妨げる要因となります。痛みの改善や治療効果を考えても禁煙が推奨されます。

Q7. 手術はしたくない!手術以外で治せる方法はありますか?

A. 保存療法(運動療法・投薬・生活指導)に加え、近年では再生医療(PRP療法・幹細胞治療)が選択肢として広がっています。症状や病期により適応が異なるため、専門医の診断が基準となります。当院の「変形性膝関節症の再生医療」解説ページ

Q8. 変形性股関節症は治りますか?

A. 完全に元の状態に戻すことは難しい場合がありますが、適切な運動、生活改善、治療選択により痛みの軽減や進行抑制は可能です。適切な知識を持って対策を続けることで、日常生活の質向上が期待できます。

 

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  • 阪急「中津駅」徒歩5分

  • 大阪メトロ御堂筋線「中津駅」徒歩5分

  • 大阪メトロ御堂筋線「梅田駅」徒歩10分

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  • 飛行機:「伊丹空港」タクシー18分

医療法人香華会
リボーンクリニック大阪院

〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町2番2号
PRIME GATE UMEDA 6F 大阪国際再生医療センター内

  • 完全予約制
  • 診療時間:9:00~19:00
  • 電話番号:0120-006-284(無料相談・ご来院予約)
  • 休診日:不定休
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