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野球肩の原因・症状・治し方は?痛みの種類と効果的な予防法を解説

もう痛みに悩まない!野球肩の原因を知り再発を防ぐガイド

「全力でボールを投げたいのに、肩が痛くて思い切り腕が振れない」「この痛み、いつになれば治るのだろう……」

そんな不安を抱えながら、日々グラウンドに立っている方は少なくありません。 野球肩は、投手だけでなく、送球を繰り返す野手や、テニス・バレーボールなどのオーバーヘッドスポーツを楽しむ人にとって、非常に身近で深刻な問題です。 「少し休めば治るだろう」と軽く考えてしまいがちですが、実はその痛みの裏には、筋肉の炎症や軟骨の損傷など、放置すると将来に影響を及ぼすサインが隠されていることもあります。

しかし、安心してください。 野球肩は、正しい知識を持って「原因」を特定し、自分の体の状態に合った「リハビリ」や「コンディショニング」を行うことで、十分に克服できる障害です。 むしろ、この痛みと向き合う期間は、自分の投球フォームを見直し、怪我をする前よりも高いパフォーマンスを手に入れるための絶好のチャンスでもあります。

この記事では、野球肩の代表的な症状である「インピンジメント症候群」や成長期の「リトルリーグショルダー」の正体から、自宅でできる「肩甲骨ストレッチ」、そして再発を防ぐための「投球制限」の考え方まで、網羅的に詳しく解説していきます。

なぜ肩が痛むのか、どうすれば痛みのない全力投球を取り戻せるのか。 その答えを、これから一緒に見つけていきましょう。

この記事で分かること

  • ☑ 野球肩の代表的な疾患と痛みの根本的なメカニズム
  • ☑ 病院で行われる正確な診断方法と画像検査の役割
  • ☑ 早期復帰を支える具体的なリハビリと効果的な予防策
  • ☑ 再発を防ぐための年代別投球制限とセルフケアの重要性

 

野球肩

 

野球肩とは?主な原因と症状のチェック

「野球肩」は、ボールを投げる動作によって肩関節周辺に生じる痛みや不調の違和感の総称でなので、実は「野球肩」という病気はありません。肩は複雑な構造になっていて、肩を動かす筋肉(腱板)や関節内の軟骨(関節唇)、あるいは骨の成長線など、損傷する部位が多岐にわたります。

その意味では、野球肩とはいいますが、これは野球の投手だけに起こる症状ではなく、テニスのサーブやバレーボールのアタッカーなど、腕を頭より高く振り上げる「オーバーヘッドスポーツ」全般で同じような症状が見られます。

実際、痛みを抱えながらプレーを続ける選手は少なくありませんが、放置すると将来的な可動域制限につながるリスクがあるため注意が必要です。

このように、野球肩という言葉は広義の「投球(可動域)障害」を指しており、まずは自分の肩で何が起きているのかを把握することが回復への近道になります。 痛みの程度にかかわらず、投球フォームの乱れや全身の柔軟性不足が背景に隠れているケースが多いのが実情です。

POINT -

  • ● 野球肩は投球動作によって肩関節の組織が損傷するスポーツ障害の総称
  • ● 投手だけでなくテニスやバレーボールなど腕を振る競技で広く見られる
  • ● 主な要因は使い過ぎ(オーバーユース)と不適切な投球フォームの継続

 

野球肩の定義と発症のメカニズム

野球肩が発症するメカニズムとしては、投球という全身運動のエネルギーが、未熟(成長期)または、疲弊した肩関節に過剰に集中してしまうことが根本的な要因です。

投球動作は、下半身で生んだパワーを体幹を通じて指先へと伝えますが、どこか一箇所でも動きが滞ると、肩のインナーマッスルや関節包が、その負担を無理に補おうとします。 そこで、投球動作の各フェーズにおいて、肩にどのような負荷がかかっているのかを表にまとめました。

投球フェーズ 主な動きと肩への影響 起こりやすいトラブル
コッキング期 腕を後ろへ大きくしならせる 肩の前面が引き伸ばされ、筋肉が骨に挟まれる
加速期 最大限しなった腕を前方に振り出す 強い回転力が加わり、腱板や関節唇にストレスがかかる
リリース・減速期 ボールを離し、振り抜く腕を急停止させる 腕が抜けないように肩後方の筋肉が強く引っ張られる

(出典:研究論文「投球中の後期コッキング期と肩屈曲動作の
肩甲胸郭関節運動の関連
」)

つまり、無理のないフォームが大切で、肩の動きなど、特定の瞬間だけでなく、一連の動作の繰り返しによって「微細な損傷」が積み重なることで発症します。

たとえば筋力があっても、関節の遊び(柔軟性)が失われていると、骨同士が衝突する「インピンジメント」という現象が起きやすくなります。 このような力学的なストレスが限界を超えたとき、炎症や組織の断裂といった具体的な症状として現れるということです。

POINT -

  • ● 投球動作のフェーズごとに肩へかかる捻じれや牽引のストレスが異なる
  • ● 筋力だけでなく肩甲骨や股関節といった全身の柔軟性不足が発症に関与

 

投球時に注意すべき野球肩の症状

注意すべき症状としては、単なる痛みだけではなく、投球する際のパフォーマンスに微妙な変化として現れることがあります。 たとえば「全力で投げられないわけではないけれど、なんとなく肩が重い」と感じたことはありませんか?

また、初期段階では投球を開始した直後に痛みはするものの、体が温まると痛みが消えてしまうケースがあります。そのため、一時的なものと自今判断し、受診が遅れがちになるのです。

一方で症状が進行すると、日常生活で着替えをする際や、寝返りを打つだけでも激痛が走ることがあったりします。

具体的には、以下のようなサインに注意を払ってください。

  • 投球後の肩の熱感や、翌朝まで続くズキズキとした痛み
  • ボールを離す瞬間に肩が抜けるような、力が入りにくい感覚
  • 以前よりも腕が上がりにくくなった、または後ろに回しにくくなった
  • 球速が明らかに落ち、コントロールが定まらなくなった

これらは、肩の内部にある関節唇や腱板が悲鳴を上げている証拠かもしれません。 もし、特定の角度で「カクッ」という引っかかりを感じる場合は、軟骨の損傷が疑われるため早急な対応が大切です。

自分の感覚を過信せず、体の異変を早期に察知することが、大好きな競技を長く続けるための秘訣と言えます。

POINT -

  • ● 初期は「違和感」や「重だるさ」として現れることが多いため見逃しに注意
  • ● 投球中だけでなく練習後や日常生活での痛みがある場合は専門医を受診すべき
  • ● パフォーマンスの低下(球速低下や制球難)は肩の不調を知らせる大切なサイン

 

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群は、肩を上げた際に骨と骨の間で組織が「衝突」し、炎症を引き起こす病態です。 この名前にある「インピンジメント」とは「衝突」を意味しており、投球動作で腕を高く上げたとき、上腕骨の先端が肩甲骨の一部(肩峰)にぶつかることで発生します。

多くの場合は、その間に位置する腱板や滑液包というクッション組織が挟み込まれて、繰り返しの刺激によって慢性的な痛みへと変わっていきます。

例えば、腕を横から上に上げていく過程で、70度から120度の特定の角度で「引っかかり」や「痛み」を感じるというのが特徴的なサインです。

実際、この症状を抱える選手は、投げ始めは痛むものの、体が温まってくると一時的に痛みが引くことが多いため、無理をして練習を続けてしまう傾向にあります。

しかし、放置すれば挟み込まれた腱板が徐々にすり減り、最終的に断裂に至るリスクも否定できません。 これを防ぐには、単に休むだけでなく、肩甲骨がスムーズに動くように周囲の筋肉を整えることが欠かせません。

いわば、肩関節の通り道を広げてあげるためのコンディショニングが、回復への重要な鍵を握っています。

 

POINT -

  • ● インピンジメント症候群は骨同士の衝突により腱板や滑液包が炎症を起こす
  • ● 特定の角度(70〜120度)で痛みや引っかかりを感じるのが代表的な特徴

 

リトルリーグショルダー

リトルリーグショルダーは、成長期の子ども特有の疾患であり、正式には「上腕骨近位骨端線離開」と呼ばれます。 大人と異なり、子どもの骨の端には「骨端線」という骨が伸びるための軟らかい軟骨部分が存在しますが、ここは非常にデリケートで負荷に弱いのが特徴です。

投球時に加わる強力な捻じれのストレスがこの軟骨部分に集中することで、まるで木がしなるように骨端線が広がったり、傷ついたりしてしまいます。 主な対象は小学校高学年から中学生の投手であり、投球時や投球後に肩の外側に鋭い痛みを感じるケースがほとんどです。

(出典:公益社団法人 日本整形外科学会「上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)」

もしこのサインを見逃して投げ続けてしまうと、骨の成長に悪影響を及ぼし、将来的に腕の長さに左右差が出るといった深刻な後遺症を招く恐れがあります。

そのため、成長期のアスリートにとって「肩の痛み」は、体からの非常に重大な警告であると認識しなければなりません。 幸いなことに、早期に発見して適切な期間の投球制限(ノースロー)を行えば、軟骨は再生し、元通りのプレーに復帰することが可能です。

周囲の大人は、本人の「投げたい」という気持ちを尊重しつつも、将来を守るために勇気を持って休ませる判断が求められます。

POINT -

  • ● リトルリーグショルダーは成長期の子ども特有の軟骨(骨端線)の損傷
  • ● 成長期の肩の痛みを放置すると将来の成長障害や後遺症につながるリスクがある

 

腱板損傷と関節唇損傷

腱板損傷と関節唇損傷は、肩の深部にある関節組織がダメージを受ける、より重度となる障害です。 これらは、肩関節を安定させる「インナーマッスル」と、関節の受け皿を深くする「パッキン」のような役割を果たしており、どちらが欠けても肩の機能は著しく低下します。

投球というのは、肩にとって非常に過酷な動作であり、それが繰り返されると、これらの組織には常に摩擦や牽引力が加わっていることになります。

そして、限界を超えると部分的な断裂や剥離が起こってしまうのです。 ここで、それぞれの損傷の違いを理解しやすくするために、特徴を表にまとめました。

損傷部位 役割 典型的な症状
腱板(けんばん) 4つの筋肉が肩を支え、動かす 腕を上げ下げする時の痛み、夜間痛
関節唇(かんせつしん) 関節の受け皿を安定させる軟骨 引っかかり感、カクッという異音

このように、腱板を痛めると肩に力が入りにくくなり、関節唇(特に上方のSLAP損傷)を痛めると、ボールをリリースする瞬間に激痛が走るようになります。

私たちが注意すべき点は、これらが一度完全に断裂してしまうと、自然治癒が難しく、将来的に手術を検討せざるを得ない場合があることです。

ただの筋肉痛だと自己判断せず、痛みが長引く際や脱力感を伴う際は、整形外科にて診察を受け、MRIなどの精密検査を通じて内部の状態を正確に把握することが大切でしょう。

早期の段階でリハビリテーションを開始し、肩の安定性を取り戻すことが、手術を回避し競技生活を全うするために最善策となります。

POINT -

  • ● 腱板は肩を支える筋肉の腱であり、損傷すると腕の上げ下げや夜間に痛みが出る
  • ● 関節唇は関節の安定を保つ軟骨で、損傷するとクリック音や脱力感が生じやすい
  • ● どちらの損傷も初期の適切な安静と専門的なリハビリテーションが回復の鍵
  • ● 痛みや違和感が続く場合はMRIなどの画像検査で組織の状態を確認すべき

 

野球肩の診断と必要な画像検査

野球肩の治療において、最も大切なことは「どの組織が、どの程度損傷しているか」を正確に特定することです。 なぜなら、野球肩は複数の疾患の総称であり、インピンジメント症候群か腱板損傷かによって、リハビリのアプローチが全く異なるためです。

そこで、病院で行われる具体的な診断プロセスについて説明します。一般的には、まず問診や触診を通じて「投球動作のどのフェーズで痛むか」を確認する徒手検査が行われます。

このとき、医師は肩の可動域や筋力の左右差を細かくチェックし、痛みの原因部位に目星をつけます。しかし、肩の内部は非常に複雑な構造をしているため、外からの診察だけでは不十分な場合が少なくありません。

そこで、以下のような画像検査を組み合わせて、客観的な証拠を得ることが重要視されます。

検査の種類 主な目的と特徴
レントゲン検査 骨の異常や変形、成長期の子どもの骨端線(成長線)の状態を確認する
MRI検査 腱板や関節唇などの軟部組織の損傷、炎症の広がりを詳細に映し出す
超音波(エコー)検査 リアルタイムで筋肉や腱の動きを観察でき、動的な診断に適している

このように、多角的な視点から検査を行うことで、見落としのない的確な診断が可能となります。  自己判断で「ただの疲れだろう」と放置することは避けましょう。

痛みや、違和感を感じたなら医療機関で専門医による画像検査を受けることが、早期復帰への最短ルートとであることを覚えてください。

POINT -

  • ● 正確な診断には問診だけでなくレントゲン・MRI・エコーなどの画像検査が不可欠
  • ● 損傷部位を特定することでインピンジメントや腱板損傷など各病態に合わせた治療が可能

 

野球肩の治し方と再発を防ぐ予防法

野球肩を根本から治すためには、目先の痛みを取るだけでなく、痛みを引き起こした「原因」そのものを解消しなければ意味がありません。

なぜなら、たとえ一時的に炎症が収まっても、肩に負担をかける体の使い方が変わらなければ、再び同じ部位を痛めてしまうからです。

具体的な方法としては、物理療法で炎症を抑えつつ、並行してフォームの修正や全身のコンディショニングを行うことをお勧めします。

また、再発を防ぐための予防策としては、肩甲骨の可動域を広げることや、股関節の柔軟性を高めることが非常に有効です。これらは、医師の助言や理学療法士、スポーツ専門のトレーナーを頼りましょう。

投球は全身運動であるため、下半身の硬さを肩が補おうとすることで、過剰なストレスが生まれるためです。 ここで、治療から予防へとつなげるためのステップを整理しておきましょう。

  • 急性期: アイシングや消炎鎮痛剤を用い、まずは患部の炎症を沈静化させる
  • 回復期: インナーマッスルの強化や、肩甲骨周りのストレッチを開始する
  • 復帰期: 全身の連動性を意識した投球フォームの修正を行い、段階的に投球を再開する

このように、痛みが引いた後のケアが、選手生命を維持するために大切なことになります。

日頃から自分の体のバランスをチェックし、違和感があればすぐに練習量を調節する勇気を持つことが、長期的なパフォーマンス維持に直結します。

POINT -

  • ● 野球肩の治療は痛みの緩和だけでなく、発症の原因となった動作の改善までを含む
  • ● 再発予防には肩甲骨の可動域向上や股関節の柔軟性といった全身の調整が大切

 

野球肩の治療と安静の重要性

野球肩の治療において、最も基本的でありながら守るのが難しいのが「安静(ノースロー)」の期間を設けることです。

その理由は、損傷した腱板や軟骨組織が修復されるためには、物理的な刺激を一定期間遮断する必要があるためです。 もしかしたら、「痛みを我慢して投げればそのうち治る」と考えているかもしれませんが、それは逆に組織の変性を招き、慢性化させる恐れがあります。

この際に理解しておきたいのは、安静とは「全く体を動かさないこと」ではないという点です。 ボールを投げる動作は休止しますが、その間に肩以外の部位、例えば体幹や下半身を鍛える「積極的安静(アクティブレスト)」を取り入れることが重要となります。

こうすれば、競技復帰した際に以前よりもスムーズな体の使い方ができるようになり、結果として肩への負担を軽減できます。

ただし、リトルリーグショルダーのような骨端線の損傷がある場合、自己判断での練習再開は絶対に避けなければなりません。 骨の成長に関わる重要な時期に無理をさせると、将来にわたる機能障害を残す危険性があるからです。

医師から提示された安静期間は、単なる休みではなく「次のステップへ進むための準備期間」と捉え、焦らず着実に治療を進めることが大切です。

POINT -

  • ● 安静(投球中止)は組織修復に不可欠なプロセスであり、無理な継続は慢性化を招く
  • ● 「積極的安静」として投球以外の体幹トレーニングなどを取り入れるのが効果的
  • ● 成長期の子どもの場合は骨の成長を守るために厳格な投球制限が必要になる場合がある
  • ● 痛みが引いた=完治ではないことを理解し、段階的な復帰プログラムを遵守すべき

 

野球肩のリハビリテーション

野球肩のリハビリテーションは、単に痛みを抑えるだけでなく、再発しない体作りを目指す包括的なプログラムです。

肩の痛みは結果に過ぎず、その根本的な原因は股関節の硬さや体幹の不安定さといった全身の機能不全にあることが多いからです。

実際、プロ野球選手の多くも、肩のケア以上に下半身や胸郭(胸周り)の柔軟性を高めるトレーニングに時間を割いています。

そこで、以下に一般的なリハビリのステップをを整理しました。

リハビリの領域 具体的な内容 期待される効果
可動域の改善 肩甲骨、胸郭、股関節のストレッチ 投球動作のしなりを生み、肩の負担を分散させる
安定性の向上 インナーマッスルの強化(チューブトレーニングなど) 上腕骨が関節の受け皿からずれるのを防ぐ
連動性の強化 体幹トレーニング、シャドーピッチング 下半身のパワーを効率よく腕に伝える

このように、リハビリは「硬いところをほぐし、弱いところを鍛える」という地道な作業の積み重ねです。 ただし、痛みが強い時期に無理な負荷をかけると、かえって炎症を悪化させる恐れがあります。

そのため、理学療法士やスポーツトレーナーなどの指導のもと、現在の回復段階(フェーズ)に合わせた適切なメニューを選択することが大切です。

言ってしまえば、リハビリ期間は自分の体と向き合い、正しいフォームを手に入れるための「進化の期間」と言えるでしょう。

POINT -

  • ● 野球肩のリハビリは肩周辺だけでなく股関節や体幹を含む全身の調整が不可欠
  • ● インナーマッスルを鍛えることで肩関節の安定性を高め、骨の衝突を防ぐ
  • ● リハビリは「可動域改善」「安定性向上」「連動性強化」の3ステップで進める

 

専門的な手術が検討されるケース

多くの野球肩は保存療法(リハビリや安静)で改善しますが、組織の損傷が深刻な場合には手術が検討されます。 それは、関節唇(かんせつしん)が大きく剥離したり、腱板が完全に断裂したりすると、自然治癒による修復が期待できないためです。

例えば、半年以上のリハビリを継続しても投球時の激痛が改善せず、競技復帰が困難な場合には、医師から手術の提案を受けることがあります。

一方で、手術にはメリットだけでなくデメリットも存在することを理解しておかなければなりません。 現代では「関節鏡」を用いた体への負担が少ない術式が主流ですが、術後には数ヶ月に及ぶ徹底したリハビリ期間が必要となります。

もし術後のケアを怠れば、可動域が元に戻らず、以前のようなパフォーマンスを発揮できなくなるリスクもあるのです。

これを踏まえ、特に成長期の選手や趣味でスポーツを楽しむ方の場合は、慎重な判断が求められます。 逆に言えば、トップレベルでの競技継続を強く希望するアスリートにとっては、根本的な構造を修復する手術が、再び全力投球するための唯一の手段となる場合もあります。

いずれにしても、複数の専門医の意見を聞く「セカンドオピニオン」を活用し、自身のキャリアプランに最適な選択をすることが大切です。

POINT -

  • ● 保存療法で効果が見られない重度の組織損傷には関節鏡手術が検討される
  • ● 手術後は長期的なリハビリが必要であり、医師との綿密な計画が復帰の鍵となる
  • ● 予防の基本は「投球制限」であり、年代別の推奨球数を遵守することが大切
  • ● 成長期の過度な投球は将来的な機能障害を招くリスクがあるため特に注意が必要
  • ● 指導者や保護者は選手の違和感を早期に察知し、休ませる勇気を持つべき

 

野球肩の予防法と投球制限

野球肩を未然に防ぐために最も効果的な方法は、適切な「投球制限」を設けて肩を過度な疲労から守ることです。

どれだけ優れたフォームであっても、限界を超えた投球数は組織の微細な損傷を招き、やがて大きな故障へと繋がります。 特に骨が成長段階にある小・中学生にとって、使い過ぎ(オーバーユース)は選手生命を左右する致命的なリスクになりかねません。

実際、日本スポーツ成形外科学会などの関連団体からは、年代別に推奨される投球数がガイドラインとして示されています。 (出典:日本アスレチックトレーニング学会「青少年の野球障害に対する提言」)

例えば、小学生であれば「戦力投球数:1日50球以内、週200球以内」「練習日数と時間:週3日以内、1日2時間を超えない)」といった具体的な数値を目安に、指導者や保護者が管理することが推奨されています。

こうして数字で制限をかけることに加え、日々のセルフケアも欠かせません。 具体的には、以下のような習慣を身につけましょう。

  • ・練習前後の入念なウォーミングアップとクールダウン
  • ・投球後のアイシング(炎症が疑われる場合)
  • ・毎日、肩の高さや柔軟性に左右差がないか鏡でチェックする

もしかしたら、「もっと投げたい」という意欲が勝ることもあるかもしれません。 しかし、将来も長く野球を楽しむためには、無理な投球を避け、疲労を翌日に持ち越さないコンディショニングこそが、最強の守備と言えるのです。

POINT -

  • ● 肩甲骨の柔軟性は投球動作の負担を分散させるための極めて大切な要素
  • ● 猫背や巻き肩は肩甲骨の動きを妨げ、野球肩のリスクを増大させる

 

肩甲骨周りをほぐすストレッチ

野球肩の予防と改善において、肩甲骨の柔軟性を引き出すことは極めて大切です。 本来は、腕を振る動作の土台となる肩甲骨がスムーズに動くことで、肩関節への過剰な負担を分散させる仕組みになっています。

しかし、デスクワークやスマートフォンの長時間利用などで猫背が続くと、肩甲骨が外側に広がったまま固まり、投球時に「しなり」が作れなくなってしまいます。 そこで、日常的に取り入れたいのが、肩甲骨の可動域を広げるストレッチです。

例えば、以下のようなメニューを練習前後やお風呂上がりに行うのが効果的です。

ストレッチ名 方法の概要 期待できる効果
肩甲骨はがし回し 両手を肩に置き、肘で大きな円を描くようにゆっくり回す 肩甲骨周囲の筋肉をほぐし、可動域を広げる
キャット&カウ 四つん這いで背中を丸めたり反らしたりする 胸郭(胸周り)の柔軟性を高め、連動性を生む
クロスボディストレッチ 片方の腕を胸の前で横に伸ばし、反対の手で抱え込む 肩の後面を伸ばし、投球後の張りを緩和する

もし、ストレッチ中に鋭い痛みを感じる場合は、無理に動かさず中止してください。

このように、土台である肩甲骨周りを丁寧にメンテナンスすることで、結果として肩そのものの寿命を延ばすことにつながります。 毎日の積み重ねが、しなやかで力強い投球フォームを作るための第一歩と言えるでしょう。

POINT -

  • ● 肩甲骨回しや胸郭のストレッチを習慣化し、動的な可動域を確保すべき
  • ● ストレッチ中に鋭い痛みがある場合は炎症の恐れがあるため無理は禁物

 

肩関節を安定させるトレーニング

肩甲骨をほぐした後は、肩関節を正しい位置で支えるためのインナーマッスル(腱板)を鍛えることが欠かせません。

野球肩の多くは、アウターマッスル(大きな筋肉)の力にインナーマッスルの安定性が追いつかず、関節内で「ブレ」が生じることで発症します。 このとき、重いダンベルでガンガン鍛えるのではなく、低負荷でじっくりと筋肉に刺激を入れるトレーニングが推奨されます。

いわゆる「チューブトレーニング」は、野球選手のコンディショニングにおいて最もポピュラーな手法の一つです。

ここでは、自宅でも手軽に取り組める基本的なトレーニングをご紹介します。

  • 1. インターナルローテーション: 脇を締め、肘を90度に曲げた状態で、チューブを体の内側へ引っ張る
  • 2. エクスターナルローテーション: 同じ姿勢から、今度はチューブを体の外側へゆっくりと広げる
  • 3. ゼロポジション維持: 腕を斜め上に掲げた位置で、数秒間ピタッと止める感覚を養う

これらの運動を行う際は、決して「反動」を使わないことが大切です。

ゆっくりとした動作で、肩の深層にある筋肉が使われていることを意識しながら行いましょう。 一方で、トレーニング中に痛みが増す場合は、炎症が治まっていない可能性があるため、まずは安静を優先すべきです。

地味な練習に思えるかもしれませんが、この土台作りこそが、怪我に強い「本物の肩」を作るための近道となります。

POINT -

● 肩関節の安定には深層のインナーマッスル(腱板)の強化が不可欠
● 重い負荷よりもチューブなどを用いた低負荷・高回数の運動が効果的
● トレーニング時は反動を使わず、正しいフォームでターゲットの筋肉を意識する
● 地道なコンディショニングが怪我の再発を防ぎ、高いパフォーマンスを維持する根拠となる

 

まとめ・大好きな野球を諦めない!野球肩の原因を知り再発を防ぐ

「野球肩」は、単なる肩の痛みではなく、体全体から発せられている重要なサインです。
これまで解説してきた通り、インピンジメント症候群やリトルリーグショルダーといった疾患の背景には、過度な投球数(オーバーユース)だけでなく、肩甲骨や股関節の柔軟性不足といった全身のバランスの乱れが隠れています。

まずは専門医による正確な診断を受け、現在の自分の状態を正しく把握することが、復帰への最短ルートとなります。

焦る気持ちがあるかもしれませんが、安静期間やリハビリテーションは、決して「足踏み」ではありません。正しいストレッチやインナーマッスルのトレーニングを通じて、怪我をしにくい、よりしなやかな投球フォームを手に入れるための貴重な「準備期間」です。

大好きな野球を全力で、そして長く楽しみ続けるために。 痛みという体からの警告を無視せず、適切なケアと予防策を取り入れて、自信を持ってマウンドへ戻れる日を目指していきましょう。

 

監修:医療法人香華会 リボーンクリニック大阪院

 

野球肩に関するよくある質問(Q&A)

Q:痛みがあるときは、完全に練習を休まなければなりませんか?

A:基本的には「痛みが出る動作」は控えるべきですが、全身を休める必要はありません。肩に負担をかけない範囲での下半身強化や体幹トレーニング、股関節のストレッチなどは積極的に行いましょう。これを「積極的安静(アクティブレスト)」と呼び、復帰後のパフォーマンス向上に繋がります。ただし、投球再開の時期については、自己判断せず医師の指示に従ってください。

Q:成長期の子どもの肩の痛み、病院へ行く目安はありますか?

A:投球時や投球後に痛みがある場合は、一度専門医を受診することをお勧めします。特に「リトルリーグショルダー」のような骨端線の損傷は、初期段階では見た目に変化がありません。放置すると将来の成長に影響するリスクがあるため、「たかが肩の痛み」と軽視せず、画像検査で状態を確認することが大切です。

Q:接骨院や整骨院でのマッサージだけで治りますか?

A:マッサージで一時的に筋肉がほぐれ、痛みが緩和することはあります。しかし、野球肩の根本的な原因が「関節唇の損傷」や「腱板の断裂」などの構造的な問題である場合、マッサージだけでは完治しません。まずは整形外科でMRI等の精密検査を受け、内部の状態を正確に把握した上で、適切なリハビリテーションと併用するのが理想的です。

Q:インナーマッスルのトレーニングは毎日行っても大丈夫ですか?

A:低負荷で行うチューブトレーニングなどは、基本的には毎日継続しても問題ありません。インナーマッスルは疲れやすく、かつ意識しにくい筋肉であるため、正しいフォームでコツコツと継続することが安定性の向上に寄与します。ただし、トレーニングそのものに強い痛みを感じる場合は、炎症が起きている可能性があるため直ちに中止してください。

 
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