変形性股関節症

リボーンクリニック 大阪院の変形性股関節症

変形性股関節症の再生医療|選び方と治療方法

この記事の内容
  1. 変形性股関節症、再生医療の選び方
  2. まとめ・諦める前に知っておきたい変形性股関節症 再生医療でできること
  3. よくある質問 Q&A |変形性股関節症 再生医療の選び方

変形性股関節症、再生医療の選び方

変形性股関節症は、年齢とともに軟骨がすり減り関節が傷むことで進行する疾患です。初期は違和感や軽い痛みですが、進行すると歩行制限が生じ、日常生活へ影響が広がることがあります。

従来は、痛み止め・リハビリ・体重管理などの保存治療、または人工股関節手術が中心でした。
しかし今、変形性股関節症に再生医療という治療方法が手術以外の新たな選択肢として注目浴びています。

再生医療は、これまで「元には戻らない」とされていた変形性股関節症に対して、ご自身の細胞の力(治癒力)を利用して軟骨の修復や炎症の抑制をめざす新しい治療法です。いわば症状の原因に対して根本的なアプローチを行う方法です。

そこで、この記事では再生医療の種類・特徴・リスク・費用・適応条件まで、専門的な情報をわかりやすく整理してみました。

「手術しかないのか・・・?」そんなふうに悩まれている方にとって、判断材料となれば幸いです。
必要な部分から読み進めてください。

この記事で分かること

  • ☑ 変形性股関節症における再生医療の仕組みと治療選択肢
  • ☑ PRP療法と幹細胞治療の違い、効果、向いているケース
  • ☑ 費用・治療期間・リスク・人工股関節手術との比較ポイント
  • ☑ 医療機関選びの基準と治療前に確認すべき重要項目

 

変形性股関節症の再生医療

 

変形性股関節症 再生医療とは?最新治療をわかりやすく解説

変形性股関節症と再生医療の関係は、手術しか選択肢がなかった時代から大きく変わりつつあります。

再生医療は「ご自分の幹細胞が持つ力を活かして、失われた機能を補う治療」です。特に幹細胞治療は軟骨を修復できる可能性を持ち、PRP療法は、関節の炎症や痛みの改善が期待できます。人工股関節手術を回避したい方にとって注目していただきたい治療法です。

股関節は体重を支える非常に大きな関節で、軟骨のすり減りが進むと歩行・階段の上り下り・睡眠時にも影響が出る疾患です。現時点では、再生医療は自由診療とはなりますが従来の治療ではできなかった領域にアプローチできる点が大きな魅力です。

ただし、万能な治療ではなく、症状の進行度や体質によって適応が分かれるため、医師の診断が欠かせません。ここでは、再生医療の可能性と注意点をわかりやすく整理します。当院は再生医療の専門クリニックであり、ここで紹介する基準をすべて満たしています。

ご不明点やご相談は無料ですので、お気軽にお問合せください

POINT -

  • ●再生医療は自分の細胞を利用した治療法
  • ●痛みや軟骨の損傷にアプローチできる可能性がある
  • ●人工関節手術の回避を希望する人に選ばれやすい
  • ●自由診療であり費用・適応・効果には個人差がある

 

変形性股関節症とは?症状と進行の特徴

変形性股関節症は、股関節の軟骨が徐々にすり減り、関節が変形していく疾患です。初期には「脚の付け根の違和感」や「動き始めの痛み」として気づくことがあります。しかし、進行すると痛みをはじめ、動作の制限が増え、生活習慣の質(QOL)が変わりかねません。

円形性股関節症は、進行段階に応じて症状が変化します。以下は一般的な進行イメージです。

進行段階 主な症状 日常生活への影響
初期 立ち上がり・歩き始めの痛み 運動時に足の付け根に違和感や痛みを感じる
中期 可動域の低下、階段昇降の痛み 靴下を履く・しゃがむ動作が難しくなる
末期 夜間痛、歩行困難 外出制限、杖・介助が必要になるケースも

変形性股関節症は気づかないうちに進行する性質を持っているため、早期診断と治療の選択が重要です。できる限り、違和感を感じた初期の段階で整形外科を受診したいものです。

POINT -

  • ●初期症状は軽くても進行型疾患(違和感を感じたら初期の段階で整形外科へ)
  • ●軟骨は自然再生しないため早期介入が重要
  • ●変形性股関節症は進行性の疾患で、大きく「初期・中期・末期」と分けられる
  • ●進行状況によって治療方針が変わる

 

従来治療(保存療法・手術)の限界と課題

従来の治療は、大きく保存療法と手術療法に分かれます。

治療種別 内容 メリット デメリット
保存療法 痛み止め・運動療法・装具 身体負担が少ない 根本治療にならない
注射治療 ブロック注射・ヒアルロン酸 痛み軽減目的 股関節では効果が薄いことがある
人工関節手術 関節を人工物に置換 重症例に有効 入院・合併症リスク・術後制限

特にヒアルロン酸注射は膝ではよく用いられていますが、股関節は構造的に狭く注射が難しいため、十分な治療効果が望めないケースもあります。

人工関節置換術は有効な選択肢ですが、感染症や脱臼などのリスク、入院期間、リハビリ負担、人工関節の寿命による再手術の可能性など、身体的・心理的なハードルが大きいと感じる方も少なくありません。そのような方にとって以下の再生医療は新たな選択肢になりえる治療方法です。

POINT -

  • ●保存療法は対症療法で根本解決にはならない
  • ●股関節では注射治療が難しい場合がある
  • ●人工関節は有効だがリスクや身体的・精神的な負担が伴う

 

なぜ今「再生医療」が注目されているのか

再生医療が注目されている理由は、患者さまの細胞を利用することで軟骨など損傷組織の修復を促す治療が可能になってきたためです。特に変形性股関節症では、軟骨の摩耗が問題となるため、再生医療は「根本改善に近いアプローチ」として期待されているのです。

現在活用されている再生医療には、主に以下のタイプがあります。

再生医療の種類 特徴 期待できる役割
PRP療法 成長因子を投与し炎症を抑える 痛みと炎症の抑制
幹細胞治療 投与した細胞が軟骨を修復再生する 軟骨再生・痛み改善

人工関節置換術という大きな手術や長期の入院を行うことなく、日帰りで治療できることは、多くの方が関心を持つ大きな理由になります。従来の治療と異なり、自己修復力を利用するため身体的な負担が少ないことがが大きな特徴と言えます。

POINT -

  • ● 再生医療は自分の細胞を利用する治療
  • ● 軟骨の再生や痛みの根本改善に期待がある
  • ● 日帰り治療で負担が少ない場合もある
  • ● 手術と保存療法の間を補う新しい治療選択肢

 

変形性股関節症 再生医療の種類と比較ポイント

変形性股関節症に対する再生医療は大きく分けて「PRP療法」と「幹細胞治療」があり、それぞれ目的や作用が異なります。どちらが優れているというより、「症状の進行度」「治療目的」「期待する改善レベル」によって適した治療が変わります。

どちらが適しているかは、お問合せや、ご来院の上カウンセリングなどをご利用ください。

まず整理のため、比較表をご覧ください。

比較軸 PRP療法 幹細胞治療
治療目的 炎症を抑え痛みを軽減 軟骨再生・炎症改善・機能回復
細胞の再生能力 なし(幹細胞不含) あり(軟骨・組織修復に関与)
効果が期待できる症状 初期〜中期の炎症・疼痛 進行例や再発痛・軟骨損傷
治療回数 1回〜数回必要 通常1回(投与量により調整)
費用 比較的低い 自由診療のため高額になる傾向
身体への負担 注射のみ・日帰り 同じく低負担・日帰り可能

このように特徴が異なるため、医師の診断で治療適応が決まります。

POINT -

  • ●再生医療は一つではなく目的に応じて選択する
  • ●炎症等の痛みの改善を優先したい場合はPRP療法
  • ●軟骨再生や根本改善を希望する場合は幹細胞治療
  • ●症状によっては両方を行うことも有効

 

幹細胞治療とは?軟骨再生が期待される理由

幹細胞治療は、自分の脂肪から採取した幹細胞を培養し、股関節内に投与する治療です。この幹細胞には、次のような性質があります。

  • ✔ 幹細胞が注目される理由

  • ・必要に応じて軟骨細胞に分化できる
  • ・炎症を抑える働きがある
  • ・組織修復を促す成分(サイトカイン・成長因子)を放出する

特に変形性股関節症では、軟骨のすり減りが根本原因であり、従来の保存療法では軟骨を再生できませんでした。しかし、幹細胞治療は損傷した軟骨細胞の修復と再生をサポートできる可能性があります。

さらに、治療は日帰りで身体的負担が少なく、入院や大きな手術が不要である点も選ばれている理由です。

POINT -

●幹細胞治療は軟骨再生を目指す治療
●炎症を抑えながら関節機能改善を期待できる
●日帰り施術可能で身体負担が低い
 

PRP療法との違い|再生能力・作用・治療目的の比較

PRP療法(Platelet-Rich Plasma)とは、自分の血液を濃縮し、成長因子が豊富に含まれる血漿を患部へ注射する治療です。PRPは「修復を助ける成分の補給」のイメージが近く、身体本来の治る力を引き出す目的で利用されます。

ただし、PRPには幹細胞が含まれていないため、軟骨そのものを再生する働きはありません。痛みや炎症が中心で、軟骨損傷が軽度〜中等度の方に向いています。

比較の視点で整理すると次のようになります。

ポイント PRP療法 幹細胞治療
炎症改善
軟骨再生 ×
治療目的 痛み軽減・炎症改善 軟骨損傷修復・機能改善
適応症例 軽度〜中等度 中度〜進行例

つまり、「痛みの改善が目的」ならPRP、「軟骨再生まで希望する」なら幹細胞治療が適しています。

POINT -

  • ●PRPは痛みを抑える治療、幹細胞は再生を目指す治療
  • ●どちらが良いかではなく目的と症状によって選ぶ
  • ●治療時期が早いほど将来の悪化予防につながりやすい

 

幹細胞の質と量が治療成績に影響する理由7

幹細胞治療の効果は、「投与量」「投与回数」で大きく変わります。特に股関節は身体の中で最大の関節であるため、必要な細胞数が膝などの治療より多くなる傾向があります。また、何よりも大切なのは「投与する幹細胞の質」にあります。培養に対するこだわりで同じ幹細胞治療でも大きく効果が変わりかねません。

幹細胞治療が左右される要素は次の通りです。

要素 内容
幹細胞の量 細胞数が多いほど再生反応が促進されやすい
投与回数 症状によって判断、回数が多いほど効果の期待が高い
幹細胞の質 生存率・活動率が高い細胞ほど治療反応が期待できる
加工方法 冷凍細胞より生細胞(フレッシュ)の方が活性が高い
投与技術 正確な股関節内注入が必要

特に幹細胞の「生存率と活動率(幹細胞の品質)」は治療効果に大きく直結します。多くの細胞が生きていても、細胞が弱っていれば定着力が低く、再生力を十分に発揮できません。新鮮でより良い幹細胞の投与が可能なクリニックを選びましょう。

  • 再生医療選びチェックリスト(重要)

  • □ どんな培養方法なのか
  • □ 冷凍、解凍などが行われていないか
  • □ 幹細胞数はどれくらいなのか
  • □ 培養数が多くても健康的に増やす技術があるのか
  • □ 培養時に抗生剤や色素、酵素など化学薬品を使うのか
  • □ 投与技術・実績は豊富なのか
  • □ 培養に動物の代替血清を使っていないか
  • □ 新鮮で活動率・定着率が高い幹細胞で治療できるクリニックがベスト

POINT -

  • ●幹細胞治療の効果は量・質・培養方法で変わる
  • ●生存率と活動率が高い幹細胞ほど定着しやすい
  • ●医療機関選びは治療結果を左右する重要な要素

 

投与方法と治療期間|効果はいつから現れるのか

再生医療は治療内容によって投与方法が異なりますが、治療は注射による低侵襲(身体の負担が少ない)な治療です。特に股関節への投与では、エコーやX線透視装置を用いて、幹細胞やPRPを正確に関節内の損傷部位へ導く技術が必要になります。

これは股関節が深部にあり、膝関節に比べて注入位置の特定が難しいためです。

治療の流れは次のようになります。

治療工程 内容 所要時間
①脂肪採取(幹細胞治療の場合) 腰や下腹部から少量採取 15〜30分
②細胞培養 幹細胞を数百万~数千万個に増殖 約4〜8週間
③投与(PRP・幹細胞) 関節内へ注射 10〜20分

効果を感じ始める時期には個人差がありますが、多くは3か月前後から改善を実感するケースが報告されています。軟骨再生は時間がかかるため、6か月~1年ほどかけてゆっくり現れる傾向です。

一方、PRP療法は炎症改善が先に起こるため、比較的早く痛みが軽くなる場合があります。ただし、改善幅は幹細胞治療の方が大きいとされています。

POINT -

  • ●治療は注射で行い入院不要
  • ●効果は数ヶ月かけて徐々に現れる
  • ●幹細胞治療は培養期間があるためスケジュール管理が必要

 

股関節で再生医療が難しいと言われてきた理由

股関節への再生医療は、膝関節と比較すると長い間「難しい治療」と考えられてきました。理由は複数あります。

課題 内容
構造的な難しさ 関節の位置が深く、注射で到達しづらい
必要細胞量が多い 股関節は大関節のため治療に必要な細胞数が多い
細胞品質の確保 大量かつ高い生存率の幹細胞が必要
治療技術者の少なさ 高い注入技術と経験が必要

特に「細胞の数」と「生存率」は治療成果に直結します。幹細胞が十分に生きていなければ、注入しても関節内で働くことができず、期待する効果が得られません。近年は、培養技術や医療機器の進歩により、この課題が克服されはじめています。そのため近年、股関節にも再生医療が広まりつつあります。

POINT -

  • ●投与技術・細胞数・品質確保が治療精度を左右する
  • ●医療技術と設備が整った施設でなければ治療効果が出にくい
  • ●技術進歩により治療選択肢が拡大している

 

変形性股関節症 再生医療は保険適用?自由診療との違い

現在、日本では多くの再生医療は保険適用外(自由診療)に分類されています。

理由は、治療の効果と長期データがまだ研究段階にあるためです。ただし一部の治療では例外があります。例えば、自家培養軟骨移植(ジャック)は条件付きで保険適用になっています。しかし、対象は膝の軟骨損傷に限定され、股関節には適応されていません。

分類すると次の通りです

治療法 保険適用状況
PRP療法・APS療法 自由診療
幹細胞治療(脂肪・骨髄) 自由診療
自家培養軟骨移植(ジャック) 一部疾患で保険適用(膝のみ)

この区分は厚生労働省の再生医療制度に基づいており、治療を提供する医療機関は届け出や管理体制が義務づけられています。
出典:厚生労働省 再生医療安全確保法

POINT -

  • ●現時点で股関節への再生医療は自由診療
  • ●法制度に基づき管理された医療機関のみ治療可能

 

費用の目安と治療回数|治療前に知るべきポイント

再生医療の費用は医療機関・細胞数・治療内容によって大きく異なります。一般的な価格帯は次の通りです。症状により変化しますので信頼のおけるクリニックなどでカウンセリングを受け、お見積りを明示してもらうようにしましょう。明示の無いクリニックは避けた方が無難です。

治療法 費用帯の目安 回数
PRP療法 15万円~程度 1〜数回
APS療法・高濃縮PRP 20〜40万円程度 1回
幹細胞治療(脂肪採取型) 〜200万円以上 症状による

再生医療は即効性ではなく「身体が治るきっかけを作る治療」です。そのため、治療後の3〜12か月の経過を踏まえながら効果を評価する点が従来治療と異なります。

また、再生医療には治療後のリハビリ・生活改善も効果を支える重要な要素です。

POINT -

  • ●治療費は内容によって大きく幅がある
  • ●再生医療は原則1回治療が中心
  • ●効果評価は数ヶ月単位で行う

 

副作用・リスク・注意点|安全性の根拠と確認すべき項目

再生医療は「体への負担が少ない」というイメージがありますが、まったくリスクがない治療ではありません。一般的な医療と同程度のリスクがあります。安全性に配慮しながら選択するためには、「どんな副作用があり得るのか」などのリスクを説明されるため、しっかり理解して治療しましょう。

主なリスク・副作用は次のように整理できます。

リスクの種類 想定される症状・事象
注射部位の反応 痛み・腫れ・熱感・内出血(一時的なことが多い)
感染症 注射や脂肪採取部位からの細菌感染
アレルギー反応 培養液・薬剤・局所麻酔への反応
血栓・塞栓など 極めて稀だが血栓形成などの可能性
期待した効果が得られない 痛みの改善が不十分・変化が乏しい

一方で、再生医療は多くの場合「自分の血液や細胞」を使うため、異物に対する拒否反応は少ないと考えられています。ただし、培養方法や使用する薬剤・添加物によって、安全性は変わります。

  • 治療前に確認しておきたいチェックリスト

  • □ 再生医療等安全性確保法に基づき届出済みか
  • □ 使用している培養施設・キットはどこか
  • □ 自家血清か、動物由来成分(ウシ血清など)か
  • □ 想定される副作用とその頻度の説明があるか
  • □ 万が一トラブルが起きた際の対応体制

こうした説明が丁寧に行われるクリニックほど、安全性を重視していると判断できます。

POINT -

  • ●再生医療にも痛み・腫れ・感染などのリスクはある
  • ●「自分の細胞だから絶対安全」とは言い切れない
  • ●法律に基づいた届出状況や培養方法の確認が欠かせない

 

どんな人が再生医療を選ぶべきなのか?適応・非適応の基準

再生医療は、すべての変形性股関節症の方に一律で適しているわけではありません。ここでは、一般的に「適応になりやすいケース」「慎重な判断が必要なケース」を整理します。

  • 再生医療を検討しやすい人

  • □ 初期〜中期の変形性股関節症と診断されている
  • □ 人工股関節手術を「できれば避けたい」と考えている
  • □ 痛み止めやリハビリだけでは生活に支障が出ている
  • □ 入院や長期リハビリに時間を割きにくい
  • □ 全身状態が比較的安定していて、局所麻酔の処置が可能
  • 慎重な判断・非適応になりやすい人

  • □ 関節の変形が末期で、ほとんど軟骨が残っていない
  • □ 強い拘縮(固まってほとんど動かない)がある
  • □ 重い心疾患・血液疾患・感染症などを抱えている
  • □ 抗凝固薬を多量に使用していて出血リスクが高い
  • □ 主治医から「人工関節以外の選択肢は難しい」と説明されている

再生医療は「残っている機能を活かしながら回復を促す治療」です。関節が完全に壊れてしまった段階では、人工関節手術の方が症状改善の可能性が高い場合もあります。ご相談ください。

POINT -

  • ●初期〜中期で「手術は避けたい」人が候補になりやすい
  • ●末期の重度変形では人工股関節の方が有利な場合もある
  • ●持病・全身状態によっては再生医療が難しいこともある

 

人工股関節手術と比較|メリット・デメリットまとめ

ここで、多くの方が迷う「再生医療にするか、人工股関節手術にするか」を俯瞰して整理してみましょう。どちらにも利点と注意点があり、「どちらが正解」というより、価値観と病状によって最適解が変わります。

項目 再生医療(幹細胞・PRPなど) 人工股関節置換術
目的 痛み軽減+軟骨・組織の修復促進 壊れた関節を人工物に置き換える
身体への侵襲 注射中心・小さな切開のみ 開放手術・骨切除を伴う
入院期間 多くは日帰りまたは短期 約1〜2週間が目安
回復期間 数日〜数週間で日常生活に復帰しやすい 歩行訓練〜社会復帰まで数ヶ月
効果の安定性 個人差が大きく、画像改善は経過観察が必要 痛み改善の確率は比較的高い
関節の寿命 自分の関節を温存できる 人工関節の摩耗により再手術の可能性
費用 自由診療で高額になりやすい 保険適用だが自己負担は発生
対象 初〜中期〜 進行期〜末期の重度変形例

再生医療は「自分の関節をできるだけ長く使い続けたい人」に向きやすく、人工股関節手術は「日常生活が成り立たないほどの重い痛みを確実に軽減したい人」に向きやすいと考えられます。

POINT -

  • ●再生医療は関節温存型、人工関節は置換型の治療
  • ●身体への負担は再生医療の方が小さいが、効果は個人差がある
  • ●末期変形では人工股関節の方が改善期待が高いケースも多い

 

変形性股関節症 再生医療の医療機関選びのチェック項目

最後に、実際にクリニックを選ぶ際に確認したいチェックポイントを整理します。ここをおさえておくと、「何となく雰囲気で選んでしまう」リスクを減らせます。

  • ① 法的な体制・届け出状況

  • □ 再生委医療等委員会で審査されているか
  • □ 再生医療等安全性確保法に基づく提供計画書を厚生労働省への届け出を行っているか
  • □ 提供計画に基づいた治療か(届出外の診療ではないか)
  • □ 治療区分(第2種・第3種など)に添った治療か
  • ② 培養・加工の体制

  • □ 提携している細胞加工施設(CPC)の名称と所在地
  • □ 冷凍細胞かフレッシュ細胞か
  • □ 自家血清を用いるか、動物由来成分を使っていないか
  • □ 細胞数・生存率・活動率などのデータを提示しているか
  • ③ 医師・スタッフの専門性

  • □ 再生医療を専門とする整形外科医・関節外科医が担当しているか
  • □ 再生医療の実施件数や経過のデータを明示しているか
  • □ 手術や保存療法を含め複数の選択肢を中立的に説明してくれるか
  • ④ 情報提供・カウンセリング

  • □ 効果だけでなく、限界・リスク・費用も具体的に話してくれるか
  • □ 他の治療法との比較を含め、自分に合うかどうか一緒に考えてくれるか
  • □ 無理な勧誘や即日の契約を迫らないか

このような点を一つずつ確認していくと、「安心して任せられるかどうか」の判断材料が増えていきます。

POINT -

  • ●法的な届け出・体制が整った医療機関を選ぶ
  • ●培養方法・細胞数・生存率などの情報開示があるか確認する
  • ●専門性と説明力の高い医師・スタッフかどうかを見極める

 

まとめ・諦める前に知っておきたい変形性股関節症 再生医療でできること

変形性股関節症は、放置すると進行しやすい疾患ですが、治療の選択肢は確実に広がっています。保存療法や人工股関節手術だけでなく、再生医療という新しい選択肢が加わったことで、「手術しかない」と言われた方でも、新たな可能性を検討できる時代になりました。

ただ単に「最新だから良い」という判断ではなく、PRP療法・幹細胞治療・人工股関節置換術など、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、自分に合う治療方針を選ぶことが大切です。とくに再生医療は、同じ「幹細胞治療」という名称でも治療方法や幹細胞の質、投与技術、医療機関の設備や体制によって結果が大きく異なるため、事前の情報収集と医師への相談が欠かせません。

一方で、重要なのは「今どうするか」です。

痛みを我慢し続けることは、関節の変形や筋力低下を進め、将来の治療難易度を高める可能性があります。治療をすぐに決めなくても、知識を持つことや早めに相談することは、将来の選択肢を減らさない大切な行動です。

変形性股関節症と向き合う過程で、不安や迷いがあるのは自然なことです。しかし、正しい情報を知り、自分の症状に合った治療法を選べば、生活の質を取り戻すことは十分に目指せます。

最後にお伝えしたいのは、治療は「誰かに決められるもの」ではなく、自分で選べるものだということです。そのためには、放置することなく、早めに医療機関でご相談されることが大切になります。

この記事が、そのための判断材料として役立つのであれば幸いです。

 

監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪

 

股関節 痛み

 

よくある質問 Q&A |変形性股関節症 再生医療の選び方

Q1:再生医療は変形性股関節症に本当に効果がありますか?

A:効果が期待できるケースがあります。特に、軟骨が残っている初期〜中期の段階では、PRP療法や幹細胞治療によって炎症が抑えられたり、軟骨修復に働きかけられる可能性があります。ただし、症状が末期で関節の変形が強い場合は、人工股関節手術の方が効果が安定することがあります。

Q2:再生医療と人工股関節手術のどちらを選べば良いですか?

A:目的によって異なります。再生医療は手術を避けたい方や、今ある関節をできるだけ温存したい方に向いています。一方、強い痛みが続き、関節がほとんど機能していない場合は、人工股関節手術の方が改善が見込まれるケースがあります。

Q3:治療効果はどれくらいで現れますか?

A:再生医療は即効性ではありません。多くの場合、3か月ほどから変化を感じ始め、6か月〜1年かけて改善していく傾向があります。PRP療法は比較的早めに痛みの軽減を感じる人もいますが、幹細胞治療の方が長期的な改善が期待されます。

Q4:副作用やリスクはありますか?

A:あります。注射部位の腫れや痛み、内出血、稀に感染症などが起きることがあります。再生医療は自分の細胞を使用するため拒絶反応のリスクは少ないとされますが、投与技術や培養環境によって安全性は変わるため、医療機関の選定が重要です。

Q5:公的保険は適用されますか?

A:現時点では、変形性股関節症に対するPRP療法や幹細胞治療は**保険適用外(自由診療)**です。費用は治療内容により幅がありますが、PRP療法は数万円〜、幹細胞治療は数十万〜数百万円程度が一般的です。

Q6:どんな人が再生医療に向いていますか?

A:手術を避けたい人、時間的・身体的負担を少なく治療したい人、歩行や生活に支障を感じ始めた初期〜中期の変形性股関節症の方が対象になりやすいです。症状が進行しきっている場合は適応を慎重に判断する必要があります。

 

リボーンクリニックは、再生医療専門のクリニックです。
国が定めた「再生医療等安全性確保法」のもと、特定認定再生医療等委員会の厳格な審査を経て、厚生労働大臣へ届出を終えた、ご信頼いただける安心の「再生医療専門の医療機関」です。

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