
ひざ関節
リボーンクリニック 大阪院のひざ関節
膝の痛み 股関節が原因?見逃しがちな関係と意外な理由

膝の痛み 股関節が原因?見逃しがちな関係と意外な理由
膝が痛むと「膝そのものに問題がある」と考えがちですが、実は“股関節”が関係していることも珍しくありません。
膝と股関節は、体を支え動かすうえで密接に連動している関節です。股関節が硬くなったり、歪んだりすると、その代償として膝に過剰な負担がかかり、痛みが生じるケースがあります。特に、整形外科で膝を治療しても改善しない方は、「股関節の状態」が見落とされている可能性もあります。
本記事では、膝の痛みと股関節の関係性、原因の仕組み、改善策までをわかりやすく解説します。
膝の痛みに悩む方こそ、股関節からの視点を持って読み進めてみてください。
- この記事で分かること
- ・膝の痛みの原因が股関節にある場合があること
- ・股関節と膝関節が機能的に連動していること
- ・股関節の硬さや歪みが膝に負担をかける仕組み
- ・股関節を整えることで膝の痛みが改善する可能性
- ・再生医療を含めた治療の選択肢があること
膝の痛み 股関節の関係とは?
「膝が痛いのに、原因は股関節だった」というケースは意外と多くあります。
膝と股関節は体の中で物理的にも機能的にもつながっており、片方の不調がもう一方に影響を及ぼすのです。
膝関節と股関節は、いずれも下半身の荷重を支える「荷重関節」です。歩く、立つ、座るといった動作では、必ず両方が協調して働いています。そのため、股関節の動きが悪くなると膝がその代わりに頑張ろうとし、負担が集中してしまいます。
具体例を挙げると、股関節が硬くなって可動域が狭まった状態では、立ち上がる動作の際に膝が深く曲がりすぎたり、歩行時に膝がひねられたりして、関節内の組織に無理なストレスがかかります。結果として炎症や痛みが生じてしまうのです。
このような関係性を理解しておくと、膝の治療だけでなく、股関節の状態を同時にチェックすることの大切さがわかります。
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膝の痛みは股関節が原因のこともある
一見、膝にだけ痛みを感じている場合でも、実は股関節が原因となっているケースがあります。
これは、股関節と膝関節が連動して働いているためです。股関節の動きが悪くなると、膝にその負担がかかってしまい、結果として痛みが膝に出てくるのです。
例えば、股関節の可動域が狭まると、歩くときにスムーズに脚を前に出せなくなります。そのぶん膝を大きく使ってカバーしようとするため、関節に無理な力がかかり痛みが発生しやすくなります。
また、股関節の筋肉が弱ってくると、骨盤の安定性が失われ、膝への負荷が偏ってしまうこともあります。これが継続すると、膝の軟骨や靱帯にストレスがかかり、炎症や損傷を引き起こす可能性があります。
股関節に違和感がある人が膝の痛みを訴えるのは、決して珍しいことではありません。逆に、膝ばかり治療してもなかなか改善しない場合は、股関節の評価をしてみると新たな手がかりが得られることがあります。
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股関節と膝関節の連動性と構造的な理由
股関節と膝関節は、構造的にも機能的にも密接な関係を持っています。どちらも下肢の主要な関節であり、日常動作や運動の際に連動して動いています。
股関節は「可動性」に優れた関節で、大きな動きを担っています。一方で、膝関節は本来「安定性」を重視した構造になっています。この2つの役割の違いが、連動性における重要なポイントです。
つまり、股関節の動きが制限されると、本来は安定して動くはずの膝が代償的に過剰に動いてしまい、痛みや損傷につながるのです。これを「ジョイント・バイ・ジョイント理論」と呼び、スポーツ医学やリハビリの分野で注目されています。
さらに、股関節に変形や拘縮が起きると骨盤が傾き、脚の長さに左右差が生まれます。こうなると、膝関節に余計な負担がかかり、特に片側だけに症状が出ることも多く見られます。
このように、下肢の動作は単体の関節で完結せず、複数の関節が連携することで成り立っています。そのバランスが崩れることで、膝に痛みが出るということです。
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股関節の歪みが膝の痛みに与える影響
股関節の歪みは、膝に対してさまざまな悪影響を及ぼします。
まず、骨盤の前傾や後傾といった歪みが生じると、股関節の位置が変わります。これによって体のバランスが崩れ、膝関節に通常とは異なる方向からの力が加わることになります。
例えば、骨盤が後傾していると、太ももの前側(大腿四頭筋)に緊張が生まれ、膝蓋骨に引っ張る力がかかります。その結果、膝のお皿周辺に痛みが出やすくなります。
また、股関節の歪みが片側だけにあると、脚の長さに差が生じ、歩くたびに膝の関節に左右非対称のストレスが加わります。これが積み重なることで、膝の関節軟骨が偏って摩耗し、変形や炎症を引き起こすのです。
股関節の歪みは、立ち姿勢や座り方、歩行動作のクセからくることが多いため、自覚しにくいのが特徴です。そのため、膝に違和感がある場合には、同時に股関節や骨盤のバランスを確認することが望まれます。
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ジョイント・バイ・ジョイントアプローチから見る膝痛の仕組み
膝の痛みを本質的に理解するには、全身の関節の役割を俯瞰して見ることが大切です。
その手がかりとなるのが「ジョイント・バイ・ジョイントアプローチ」という考え方です。
この理論では、身体の関節は「動きやすさ(可動性)」を求められる関節と、「安定性(固定性)」を求められる関節が交互に存在していると定義されています。
具体的には、股関節は「動くべき関節」、膝関節は「安定すべき関節」とされています。ところが、股関節の可動域が狭まると、本来安定しているべき膝がその動きを代償して過剰に動いてしまい、痛みの原因となるのです。
たとえば、歩行時に股関節がスムーズに動かないと、膝が代わりにねじれる動きをするようになり、膝の軟骨や靭帯に負担がかかります。その状態が続けば、半月板損傷や炎症が起きやすくなるのです。
膝の痛みの改善を目指すなら、膝そのものだけでなく「股関節の動きやすさ」にも目を向けることが鍵となります。
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膝の痛み 股関節由来の改善策
膝に痛みがあると、つい膝ばかりをケアしがちですが、股関節に原因がある場合はアプローチを変える必要があります。
つまり、膝の痛みを根本から改善するためには「股関節に対するアプローチ」が欠かせません。
その理由は、股関節が動きづらくなることで、膝に余計な動作や負担が集中してしまうからです。
これは日常生活の中でも起こることで、たとえば椅子から立ち上がる動作の際に、股関節の動きが悪ければ膝が深く曲がり、過剰な負担が生じます。
改善のためには、まず股関節の柔軟性と筋力を高めることが重要です。軽いストレッチや、股関節周囲の筋肉を鍛えるエクササイズが効果的です。また、骨盤の傾きや脚長差があれば、それらの調整も必要になる場合があります。
無理な運動はかえって痛みを悪化させることがあるため、リハビリや整形外科、理学療法士の指導のもとで取り組むのが安心です。
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股関節の柔軟性を高めるストレッチ法
膝の痛みが長引いている方は、股関節の柔軟性に着目してみましょう。
柔らかい股関節は、膝の動きをサポートし、衝撃をうまく分散する助けになります。
股関節が硬いと、体を動かすたびに膝へ過度なストレスがかかります。これは特に階段の上り下りや、長時間の立位で顕著になります。したがって、股関節をやわらかく保つことで、膝への負担を減らすことが可能になります。
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これらは無理なく、呼吸を止めずにゆっくり行うことが大切です。毎日継続することで、徐々に可動域が広がり、歩行や立ち上がりが楽になります。
注意点として、痛みが強いときはストレッチを中止し、医療機関の診察を受けましょう。
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筋力低下による膝痛を予防する運動
年齢とともに膝の痛みを感じやすくなる原因のひとつに、「筋力の低下」があります。
特に太ももやお尻の筋肉が衰えると、膝関節にかかる負担が増え、痛みが出やすくなってしまいます。
膝は体重を支える大切な関節ですが、まわりの筋肉がその役割をうまくサポートしてくれないと、すべての負荷を膝関節が受け止めることになります。すると軟骨のすり減りや炎症が起きやすくなるのです。
予防策として有効なのが、膝周囲の筋肉、特に大腿四頭筋・ハムストリングス・中臀筋などを強化する運動です。無理なく始められるものをいくつかご紹介します。
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いずれも週3~4回を目安に、痛みの出ない範囲で行いましょう。続けることで膝の安定感が増し、歩行や階段の昇降が楽になります。
注意点として、痛みや腫れがあるときには無理せず中止し、医師に相談してください。
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姿勢の悪化が膝に及ぼす負担とは
姿勢が悪くなることで、実は膝にまで大きな負担がかかっていることをご存知でしょうか。
猫背や骨盤の歪みは、下半身のバランスを崩し、膝関節に余計なストレスを与える原因になります。
本来、立ったり歩いたりするとき、股関節・膝・足首は一直線に近い状態を保ち、バランスよく体重を支えています。しかし、猫背になると骨盤が後ろに倒れ、膝が必要以上に曲がった状態になりやすくなります。この姿勢が続くと、膝関節が常に負担を受けた状態になり、痛みの原因となるのです。
さらに、片脚に体重をかける立ち方や、足を組む座り方も膝に悪影響を及ぼします。左右のバランスが崩れ、片方の膝だけに負荷が集中してしまうからです。
普段から正しい姿勢を意識することは、膝を守るためにも非常に有効です。立っているときは「耳・肩・腰・くるぶし」が一直線になるように意識し、座るときも背もたれに頼らず、骨盤を立てて座るようにしましょう。
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股関節の変形性疾患と膝の関係
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで痛みや動きの制限を引き起こす病気です。
しかし、その影響は股関節だけにとどまらず、膝関節にまで波及することがあります。
これは、股関節に異常があることで、骨盤の傾きや脚長差(左右の足の長さの違い)が生じ、膝の並びが乱れてしまうからです。歩行時の荷重バランスが崩れ、膝関節に不自然な力がかかると、内側・外側どちらかに負担が偏り、痛みや変形が進行していきます。
また、股関節が拘縮して動かしづらくなると、立ち座りや歩行時に膝を過度に使わざるを得なくなり、それが膝の組織への慢性的な負担につながることもあります。
放置しておくと、変形性股関節症に続いて変形性膝関節症を発症することもあり、QOL(生活の質)が大きく低下してしまいます。
そのため、股関節疾患の診断を受けた方は、膝にも症状が出ていないかを同時に確認することが推奨されます。
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整形外科での診断と再生医療の選択肢
膝や股関節に痛みを感じたら、まず整形外科での正確な診断を受けることが基本です。
自己判断では見つけられない異常が、画像検査などで明らかになることも多くあります。
診察では、問診と触診に加えて、レントゲンやMRIを使って関節や軟骨の状態を詳しく確認します。必要に応じて、脚長差や骨盤の角度など、体全体のバランスも評価されます。
診断結果によって、治療法が決まります。保存療法(運動・装具・薬物)で改善が見込める場合もあれば、進行度が高い場合は手術の検討も必要になります。
一方で、近年注目されているのが再生医療という新しい選択肢です。
再生医療では、患者自身の幹細胞や血液成分を利用して、軟骨の修復や炎症の抑制を目指します。これは、関節のダメージを根本から回復させる可能性があり、手術を回避したい方や早期回復を望む方にとって魅力的な選択肢となりつつあります。
ただし、自由診療であるため費用負担は大きく、クリニックによって技術や実績にも差があるため、信頼できる施設選びが重要です。
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膝の痛み 股関節が原因?見逃しがちな関係と意外な理由
膝の痛みを感じると、多くの人は膝だけに注目しがちですが、股関節の動きや歪みが原因となっていることもあります。股関節と膝関節は密接に連動しており、片方の機能低下がもう一方に負担をかける構造になっています。特に、股関節の可動域の低下や筋力の衰え、骨盤の傾きなどがあると、膝に余計な力がかかり、痛みや炎症の原因になることがあります。
股関節の柔軟性を高めるストレッチや筋力トレーニング、姿勢の見直しなどを通じて、膝への負担を軽減することが可能です。また、膝の痛みが長引いている場合は、整形外科での診断や再生医療といった治療の選択肢も視野に入れることが大切です。
膝の痛みを根本から改善するためには、「膝だけを見る」のではなく、股関節との関係にも注目する視点が重要になります。今の症状に向き合いながら、身体全体のバランスを整えていきましょう。
監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪院
|Q&A 膝の痛み 股関節 ―Q1. 膝が痛いのに股関節が原因って本当にあるの?A1.はい、実際に膝ではなく股関節の可動域制限や歪みが原因となって膝に痛みが出るケースは多くあります。関節は連動して働いており、一方の不調が他方に影響します。 Q2. 股関節のどんな異常が膝に影響しますか?A. 股関節の硬さ、筋力低下、骨盤の傾き、変形性股関節症などが膝関節の配列や動きに影響し、痛みの原因になります。 Q3. どんなストレッチが効果的ですか?A.仰向けで膝を胸に近づけるストレッチ、寝たまま脚を左右に倒す外旋ストレッチ、あぐら姿勢の内転筋ストレッチなどが股関節の柔軟性を高めるのに有効です。 Q4. 運動で膝の痛みは悪化しないですか?A.無理な運動は逆効果ですが、適度な筋トレやストレッチはむしろ予防になります。痛みがあるときは医師や理学療法士に相談の上で行いましょう。 Q5. 整形外科ではどんな診察を受けられますか?A.問診・触診に加えてレントゲンやMRIなどの画像検査が行われ、膝だけでなく股関節や骨盤の状態も総合的に評価されます。 Q6. 再生医療ってどんな治療ですか?A.自分の幹細胞や血液成分を利用して、関節の修復や炎症を抑える治療法です。手術を避けたい方にとって、有力な選択肢となることがあります。 Q7. 股関節のゆがみは自分でわかりますか?A.立ち姿勢や歩き方のクセから自覚できることもありますが、多くは自覚が難しく、専門家の評価を受けることで初めてわかることが多いです。 |