
変形性膝関節症
リボーンクリニック 大阪院の変形性膝関節症
変形性膝関節症の治療法のすべて|保存療法から手術・再生医療まで
変形性膝関節症の治療法のすべて
不安な膝の痛みに関する深いお悩み、または変形性膝関節症の治療法について
多くの方が「治療というと・・・手術になるのでは?」という漠然とした不安を抱えておられるようです。しかし、実際にはご自身で取り組むことができる運動療法から、薬や注射による保存療法、そして近年注目される再生医療まで、あなたの症状やライフスタイルに合わせた選択肢が存在します。
ただ手術にはならなくても変形性膝関節症は進行する病気です。放置は絶対に避けてください。早ければ早いほど治療に余裕が生まれます。この記事では、変形性膝関節症の治療に関するあらゆる情報を網羅し、一歩ずつ丁寧に解説します。
それぞれの治し方のメリット・デメリットを正しく理解し、あなたにとって最善の道筋を見つけるための「完全ガイド」です。まずは、全ての治療の基本となる「保存療法」から、順を追って一緒に見ていきましょう。
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この記事で分かること
- ☑ 運動や薬など、手術以外の「保存療法」の全体像
- ☑ ヒアルロン酸注射の効果と限界、手術を考えるべきタイミング
- ☑ 骨切り術や人工関節など、主な手術方法ごとのメリット・デメリット
- ☑ 手術を回避する選択肢としての「再生医療」の可能性
- ☑ 年齢や症状、希望に合わせた自分に合う治療法の選び方
変形性膝関節症の治療|まず知りたい保存療法の全て
変形性膝関節症と診断された、あるいはその可能性を指摘され、「これからどんな治療が始まるのだろう?」と、様々な情報を探されていることと思います。
変形性膝関節症の治療は、進行度や症状にもよりますが、まずは手術以外の方法から始めるのが世界的な基本です。これを「保存療法」と呼びます。
これは、メスを使わずに、運動や薬、日常生活の工夫などを通じてつらい痛みを和らげ、病気の進行を緩やかにすることを目指す、治療で最も大切になる土台です。
この章では、治療の柱となる運動療法や薬物療法、そしてあなたの生活を助ける様々なサポートについて、一つひとつ詳しく解説していきます。
そもそも変形性膝関節症とは?原因と症状
「最近、膝が痛む…」 「どうも違和感がある…」もし、あなたがそう感じているなら、それは変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)のサインかもしれません。
変形性膝関節症とは、膝関節の中でクッションの役割を果たしている「関節の軟骨」が、年齢とともに少しずつすり減っていくことで、骨の変形や痛みを引き起こす病気です。国内の潜在的な患者数は約3,000万人とも言われ、決して特別な病気ではありません。
原因は一つではありませんが、主に加齢が関係する一次性のものと、過去のケガや病気が原因となる二次性のものに分けられます。
一次性の主な原因 | |
加齢、肥満、性別(女性に多い) | 過去の骨折や靭帯損傷、半月板損傷 |
O脚、遺伝、生活習慣 | 関節リウマチなどの病気 |
では、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。
変形性膝関節症はゆっくりと進行するため、症状も段階的に変化していきます。
ステージ | 主な症状の目安 |
初期 | 立ち上がりや歩き始めなど「動き始め」に痛む、膝がこわばる |
進行期 | 正座や階段の上り下りがつらくなる、膝が腫れて水がたまる |
末期 | じっとしていても痛む(安静時痛)、O脚変形が目立ち歩行が困難になる |
このような症状に心当たりはありませんか? 「歳のせい…」「すぐ治る…」と放置してしまうと、進行性の病気であるため、症状は悪化してしまう可能性があります。
あなたの膝の状態を正しく知り、早い段階から対策を始めることが、この先の生活の質を保つ上でとても大切になります。
- POINT
- ●変形性膝関節症は膝のクッションである軟骨がすり減る病気
- ●主な原因は加齢だが、肥満や過去のケガ、性別なども関係する
- ●症状は「動き始めの痛み」から始まり、放置すると徐々に進行する
治療の基本となる運動療法と自宅でできるトレーニング
変形性膝関節症の治療において、最も基本となり、そしてご自身の力で取り組めるのが「運動療法」です。
薬や注射は痛みを和らげる対症療法ですが、運動療法は膝を支える力を根本から強くする大切なアプローチです。痛いからと動かないでいると、膝周りの筋力がどんどん落ちてしまいます。すると、関節が不安定になり、さらに軟骨への負担が増して痛みが強くなる…という悪循環に陥ってしまうのです。
この悪循環を断ち切る鍵は、膝を支える「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」、つまり太ももの前の筋肉を鍛えることにあります。この筋肉が天然のサポーターのように膝をがっちりと固定し、安定させてくれるのです。
とはいえ、痛みがある時に無理な運動や間違ったトレーニングをするのは禁物です。ここでは、膝に負担をかけずに、ご自宅で安全に行える効果的なトレーニングを2つご紹介します。
① 椅子でできる!太ももトレーニング
② タオルを使って!膝の曲げ伸ばしトレーニング
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大切なのは、痛みを感じない範囲で、毎日少しずつでも続けることです。この地道な努力が、あなたの膝の未来を守る力になります。
- POINT
- ●変形性膝関節症の治療は、まず運動療法から始めるのが基本
- ●太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで膝が安定し、負担が減る
- ●痛みを感じない範囲で、毎日継続することが大切
薬物療法の種類とメリット・デメリット
運動療法で膝を支える力をつけながら、今あるつらい痛みをコントロールするために行われるのが「薬物療法」です。
大切なのは、薬物療法は変形性膝関節症そのものを治す根本治療ではない、ということです。あくまで炎症を抑えて痛みを抑え、あなたが少しでも普通の日常生活を送り、運動療法をスムーズに進めるためのサポート役と捉えるのが良いでしょう。
症状の強さやあなたの体の状態に合わせて、主に次のような薬が使われます。
薬の種類 | 具体例 | メリット | デメリット・注意点 |
外用薬 | 湿布、塗り薬 | 手軽に使え、副作用が少ない | 効果は比較的マイルド |
内服薬 | 非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs) | 痛みに素早く効く | 長期使用は胃腸障害などの副作用に注意が必要 |
座薬 | 消炎鎮痛剤の座薬 | 胃腸が弱い方でも使え、即効性が期待できる | 挿入時に違和感や抵抗を感じる |
内服薬は痛みを抑える効果が高いのですが、長期間飲み続けると胃腸などに負担をかける可能性があります。そのため、痛みが強い時期に短期間使用し、症状が落ち着いてきたら副作用の少ない外用薬に切り替えるのが一般的です。
どの薬を使うにしても、自己判断で量を調整したり、中断したりするのは禁物です。必ず医師の指示に従い、正しく使用することが、安全で効果的な治療への第一歩となります。
- POINT
- ●薬物療法は、痛みをコントロールし運動療法を助けるためのもの
- ●外用薬・内服薬・座薬があり、症状の強さで使い分ける
- ●内服薬の長期使用は副作用のリスクがあるため医師との相談が不可欠
ヒアルロン酸注射の効果と限界について
変形性膝関節症の治療と聞いて、膝への注射をイメージされる方も多いかもしれません。その代表的なものが、「ヒアルロン酸注射」です。
もともと私たちの膝関節の中は、「関節液」という液体で満たされています。この関節液の主成分であるヒアルロン酸は、関節の動きを滑らかにする潤滑油であり、衝撃を和らげるクッションの役割も果たしています。
しかし、変形性膝関節症になると、このヒアルロン酸が減少し、質も低下してしまいます。そこで、ヒアルロン酸を関節に直接注射して補充することで、以下のような効果が期待できます。
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一般的には、注射を続けることで、痛みの改善効果が期待できます。
ただ、この治療法には限界もあります。ヒアルロン酸注射は、あくまで症状を緩和するためのもので、すり減った軟骨を元に戻す治療ではありません。そのため、病気が進行して軟骨のすり減りがひどくなった末期の状態では、注射をしても十分な効果が得られにくくなることがあります。
- POINT
- ●ヒアルロン酸は関節の潤滑油とクッションの役割を果たす成分
- ●注射で補充することで、関節の動きを滑らかにし痛みを和らげる
- ●軟骨を再生させる治療ではなく、進行した膝には効果が限定的になることがある
膝への負担を減らす装具療法・物理療法
運動や薬と並行して、あなたの膝を物理的にサポートし、負担を軽減する治療法も有効です。ここでは「装具療法」と「物理療法」をご紹介します。
装具療法 これは、サポーターや杖などの道具を使って、膝の安定性を高め、痛みを和らげる方法です。
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物理療法 これは、熱や電気、超音波といった物理的なエネルギーを利用して、痛みの緩和を目指す治療です。
患部を温める温熱療法や、微弱な電気を流す電気刺激療法などがあり、主に関節周りの血行を改善し、筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。運動療法と組み合わせることで、より効果的に膝の機能を改善できる場合があります。
これらの治療法は、いわば名脇役のような存在です。主役である運動療法をしっかりと支え、あなたの治療をより効果的に進める手助けをしてくれます。
- POINT
- ●装具療法はサポーターやインソール、杖で膝を物理的にサポートする治療
- ●物理療法は熱や電気で血行を改善し、痛みを和らげる
- ●運動療法など他の治療法と組み合わせることで効果が高まる
膝の治療の次の選択肢|手術療法と再生医療
運動や薬、リハビリといった保存療法を一生懸命続けても、どうしても膝の痛みが改善せず、日常生活に支障が出てきてしまう…。
ここからは、痛みの原因により直接的にアプローチする、力強い次の選択肢である手術療法と、近年注目を集める再生医療について、一つひとつ詳しく解説していきます。あなたの膝の未来を切り拓くための大切な情報です。
手術療法が検討されるタイミングとは
運動や薬などの保存療法を続けても、つらい痛みが改善せず、日常生活に大きな支障が出てきた…。そのような場合に、次の選択肢として検討されるのが「手術療法」です。
手術と聞くと、少し怖いイメージがあるかもしれません。しかし、これは保存療法が効かなかった場合の「最終手段」というだけではなく、痛みの根本原因に直接アプローチし、生活の質を劇的に改善させるための積極的な治療法です。
では、具体的にどのようなタイミングで手術が提案されるのでしょうか。一般的には、検査結果とご自身の症状の両面から、総合的に判断されます。
判断の目安 | 具体的な状況 |
症状の目安 | ・安静にしていても、夜寝ていても痛む<br>・歩行が困難で、買い物や外出ができない<br>・保存療法を半年以上続けても効果がない |
検査上の目安 | ・レントゲンで重症度がグレードⅢ(進行期)以上に進行している<br>・O脚などの変形が著しい |
大切なのは、レントゲンのグレードだけで決まるわけではない、という点です。たとえグレードが高くても、痛みが少なく元気に生活されている方もいらっしゃいます。最終的には、あなたが「この痛みから解放されて、もっと快適な生活を送りたい」と強く願うかどうかが、手術に踏み切る大きな決め手となります。
- POINT
- ●手術は保存療法で痛みが改善しない場合の積極的な治療選択肢
- ●痛みが強く日常生活に大きな支障が出ていることが主な判断基準
- ●レントゲンの進行度に加え、ご自身の生活の質や意思が大切
低侵襲な関節鏡視下手術とその特徴
変形性膝関節症の手術の中で、最も体への負担が少なく、回復が早いのが「関節鏡視下手術(かんせつきょうしか しゅじゅつ)」です。
この手術の最大の特徴は、膝を大きく切開するのではなく、1cmにも満たない小さな穴を数カ所開け、そこから「関節鏡」と呼ばれる高性能カメラと専用の細い手術器具を挿入して行う点にあります。
医師は関節の内部をモニターで鮮明に見ながら、炎症を引き起こしている滑膜(かつまく)の増殖部分を切除したり、痛みの原因となっている軟骨のささくれや、損傷した半月板のかけらを取り除いたりします。いわば、関節の中をきれいにお掃除するような手術です。
- |メリット
- 傷が非常に小さく、体への負担(侵襲)が少ない
- 入院期間が数日〜1週間程度と短い
- 手術の翌日から歩行訓練を開始できるなど、社会復帰が早い
- |デメリット・注意点
- この手術は、O脚などの骨の変形自体を治すものではありません。そのため、あくまで痛みを一時的に和らげることが目的であり、効果が長続きしない可能性があります。
- 主に、変形が軽度〜中程度で、半月板損傷などが痛みの主原因となっている場合に良い適応となります。
- POINT
- ●関節鏡視下手術はカメラを使って行う、体への負担が少ない手術
- ●関節内を掃除するように、痛みの原因となる組織を取り除く
- ●関節の変形を治せる手術ではないため、主に初期〜中期の患者様が対象
自分の関節を温存する高位脛骨骨切り術
「手術は必要かもしれない。でも、自分の関節は残したいし、将来またスポーツを楽しみたい…」
もし、あなたが比較的お若い40〜60代で、今後もアクティブな生活を望むのであれば、「高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)」が有力な選択肢となります。
この手術の目的は、変形性膝関節症で多く見られるO脚を矯正し、体重のかかり方を正常に近づけることです。すねの骨(脛骨)の一部を切り、角度を調整して金属プレートで固定することで、これまで負担が集中していた膝の内側から、傷の少ない外側へと体重が乗るようにします。
いわば、車のタイヤの片減りを直すために、足回りのアライメント(骨の配列)を調整するような手術です。
- |メリット
- 最大のメリットは、ご自身の関節が温存される点です。そのため、術後の回復が進めば、登山やマラソン、テニスといったスポーツへの復帰も可能になります。
- |デメリット・注意点
- 骨が癒合するまでに時間がかかるため、人工関節の手術に比べてリハビリ期間が長くなる傾向があります。また、約1年後に骨を固定していたプレートを抜くための再手術が必要です。
- 外側の軟骨が残っている必要がある。関節軟骨が擦り減りすぎている場合は、効果を期待できないことがります。
この手術は、ご自身の関節機能を最大限に活かすことを目的とした、治療法として望ましのですが、手術の可否については、専門医によって患者様の膝の状態を診察した上で判断されることになります。
- POINT
- ●自分の関節を残したままO脚を矯正する手術
- ●比較的若く、活動性の高い方が良い適応
- ●術後のスポーツ復帰が可能だが、リハビリ期間は長め
痛みの根本改善を目指す人工膝関節置換術
変形が末期まで進行し、じっとしていても痛む、強い痛みで歩くこともままならない…。 痛みで眠れない…そんな重度の変形性膝関節症に対して効果的な治療法が「人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)」という手術になります。
この手術は、痛みの原因となっているすり減った軟骨と傷んだ骨の表面を薄く削り取り、金属やセラミック、特殊なポリエチレンなどでできた人工の関節(インプラント)に置き換えるものです。
歯の治療で、虫歯を削って被せ物(インプラント)をするのをイメージすると分かりやすいかもしれません。痛みの原因そのものを物理的に取り除くため、長年悩まされてきた痛みの劇的な改善が期待できます。
手術には、関節全体を交換する「全置換術(TKA)」と、傷んだ部分だけを交換する「単顆置換術(UKA)」があります。
- |メリット
- 痛みが大幅に改善され、普通に歩けるようになります。O脚などの変形もきれいに矯正され、日常生活の質が大きく向上します。
- |デメリット・注意点
- 人工関節は、人工物であるため、15〜年程といった耐用年数があり、将来的に入れ替えの再手術が必要になる可能性があります。また、正座のような深い膝の曲げ伸ばしや、激しいスポーツは基本的にできなくなります。
- POINT
- ●傷んだ関節を人工の関節に入れ替える手術
- ●末期の重度な膝関節症が対象で、痛みの改善効果が非常に高い
- ●正座や激しいスポーツは不可、耐用年数がある点に注意が必要
手術は避けたい方へ、再生医療という選択肢
「保存療法では痛みが治まらない。でも、メスを入れる大きな手術はどうしても避けたい…」「切らずに治せないか…」
そうお考えの方へ、近年注目されているのが「再生医療」という新しい選択肢をご紹介します。 この治療法は、手術のように組織を取り除くのではなく、あなた自身の血液や細胞が持つ「治ろうとする力」を活用する方法です。
膝関節に注射することで、関節の中で起きている炎症を鎮め、痛みを和らげ、傷ついた組織の修復を促す効果が期待できます。主な治療法として、以下の2つがあります。
- PRP(多血小板血漿)療法
- ご自身の血液を採血し、その中に含まれる血小板という組織の修復を促す成分を濃縮して、膝に注射します。
- 培養幹細胞治療
- ご自身の脂肪から、様々な細胞に変化する能力を持つ幹細胞を少量採取し、培養して増やしてから膝に注射します。より強力な抗炎症作用などが期待されます。
これらの治療は、入院も不要で、ご自身の体由来の成分を使うため体への負担が非常に少ないのが最大の特徴です。
変形性膝関節症の進行を遅らせ、痛みをコントロールすることで、大掛かりな手術を先延ばしにしたり、避けたりできる可能性を秘めています。ご高齢の方や、様々な理由で手術に踏み切れない方にとって、希望となる新しい治療の選択肢です。
当院は、再生医療専門のクリニックです。ご不明点はお気軽にお問合せください。
- POINT
- ●自身の血液や細胞の「治る力」を活用する新しい治療法
- ●注射だけで済み、入院不要で体への負担が少ない
- ●手術を避けたい方や、先延ばしにしたい方のための選択肢
- ●他の治療法が対処療法なのに比較して、原因の根本に対する治療が行える
自分に合った治療法を選ぶために大切なこと
ここまで、変形性膝関節症に対する様々な治療法を簡単にご紹介してまいりました。 運動療法から手術、そして再生医療まで、多くの選択肢があることをお分かりいただけたかと思います。
ここで最も大切なのは、「あなたご自身に合った治療法」を、専門医と相談しながら見つけることです。誰にとっても完璧な、唯一絶対の治療法というものは存在しません。
なぜなら、最適な治療法は、膝の進行度(ステージ)だけでなく、あなたの年齢、日々の活動量(お仕事や趣味)、そして「この先の人生を、どのように過ごしたいか」という価値観によって大きく変わってくるからです。
治療法 | 主な対象者 | メリット | デメリット・注意点 |
保存療法 | 全ての患者様 | 体への負担が少ない、自分で取り組める | 根本治療ではなく、進行すると効果が限定的 |
骨切り術 | 比較的若く活動的な方 | 自分の関節を温存、スポーツ復帰も可能 | 回復・リハビリに時間がかかる、再手術が必要 |
人工関節 | 重度の方、ご高齢の方 | 痛みが劇的に改善、日常生活が楽になる | 運動制限があり、耐用年数がある |
再生医療 | 手術を避けたい方 | 体への負担が少ない、入院不要 | 効果に個人差があある、自由診療 |
例えば、同じ進行度の方でも、 「まだ仕事やスポーツを続けたい」と願う50代の方であれば、リハビリは大変でも高位脛骨骨切り術が最良の選択かもしれません。
一方で、「とにかく今のつらい痛みから解放され、穏やかに旅行や散歩を楽しみたい」と願う70代の方であれば、人工膝関節置換術が最も満足度の高い結果をもたらす可能性があります。
そして、「手術は怖いけれど、ヒアルロン酸注射も効かなくなってきた」「手術は避けたい」という方には、再生医療が新しい希望の光となるでしょう。
あなたにとって最高の治療法を見つけるための第一歩は、ご自身の希望を正直に医師に伝えること、そして、そのためにもMRIなどによる正確な診断で、現在の膝の状態をきちんと把握することです。
恐れずに、あなたの想いをぜひ私たち専門医に聞かせてください。そこから、あなただけの治療計画が始まります。ただし、再生医療は、厚生労働省への届出や、経験と実績が必要になるため、専門のクリニック以外では受けることができません。。
興味がある場合は、実績が豊富な当院までお問い合わせください。丁寧にお答えいたします。
- POINT
- ●最適な治療法は、年齢や活動量、人生の目標によって一人ひとり違う
- ●それぞれの治療法のメリット・デメリットを正しく理解することが大切
- ●自分の希望を医師に伝え、相談しながら一緒に治療方針を決めていく
- ●MRIなどによる正確な診断で現状を把握することが第一歩
- ●再生医療は、専門院以外では受けられないため、治療先の選択がキーポイント
まとめ・あなたに合った治療法を見つけ、再び自分らしい毎日へ
今回は、変形性膝関節症の治療法について、その全体像を解説しました。
全ての治療の基本となる運動療法をはじめとした保存療法から、高位脛骨骨切り術や人工膝関節置換術といった手術、そして近年注目される再生医療まで、実に多くの選択肢があることをご理解いただけたかと思います。
最も大切なのは、「膝が痛いから」と一つの方法に固執したり、諦めたりするのではなく、あなたの年齢や活動量、そして「これからどう生きたいか」という希望に合わせて、最適な治療法は変わるということです。
この記事が、あなたの治療法探しの旅の、信頼できる地図となれば幸いです。 しかし、一番の近道は、道案内人である専門医に相談することです。あなたの膝の痛みには、必ず適切な治療法があります。ぜひ早期に相談し、自分らしい一歩を踏み出すための計画を一緒に立てていきましょう。
監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪
- 変形性膝関節症の参考記事
- ・変形性膝関節症のステージ分類(KL分類)と症状・治療法を全解説
- ・変形性膝関節症 一次性 二次性の違いと原因症状、改善への道
- ・変形性膝関節症 禁忌とは?避けるべき姿勢と動作を徹底解説
- ・変形性膝関節症 どんな人に多い?発症の特徴と原因を知る
- ・変形性膝関節症を自力で治す方法|無理せず続ける生活術
- ・変形性膝関節症の人工関節手術で後悔しないために知っておきたいこと
|変形性膝関節症の治療法に関するQ&A
Q1. 治療法がたくさんあって迷います。まず何から始めれば良いですか?A1. どのような症状や進行度であっても、まず取り組むべきは「運動療法」を中心とした保存療法です。膝周りの筋力を鍛え、膝への負担を減らすことが全ての治療の基本となります。それと同時に、専門医による正確な診断を受け、ご自身の膝の状態を正しく把握することが治療の第一歩です。 Q2. 運動療法やヒアルロン酸注射は、どのくらい続ければ効果が分かりますか?A2. 効果の現れ方には個人差がありますが、一般的に3ヶ月〜半年ほど保存療法を継続しても、痛みが改善せず日常生活に支障が出る場合は、次の治療法を検討する一つの目安となります。効果がないと感じる場合は、自己判断でやめずに主治医に相談し、治療方針を見直しましょう。 Q3. まだ仕事やスポーツを続けたいのですが、手術は人工関節しかないのでしょうか?A3. いいえ、そんなことはありません。比較的お若く、活動性の高い方には、ご自身の関節を温存したままO脚などを矯正する「高位脛骨骨切り術」という選択肢があります。この手術は、人工関節とは異なり、術後の運動制限がほとんどなく、スポーツへの復帰も目指せます。適応(可能性)は整形外科の専門医にご相談ください。 Q4. 再生医療に興味がありますが、費用はどのくらいかかりますか?保険は適用されますか?A4. 再生医療(PRP療法や幹細胞治療)は、現在のところ公的医療保険が適用されない自由診療となります。そのため、費用は全額自己負担となり、治療内容によっても異なりますが、比較的高額になることが一般的です。具体的な費用については、治療内容と合わせて医療機関に直接お問い合わせされることをお勧めします。 Q5. どの病院・医師に相談すれば良いか分かりません。選び方のポイントはありますか?A5. まずは膝関節を専門とする整形外科の医師に相談することをお勧めします。
※ご注意/再生医療は、通常の整形外科では受けることができません。再生医療に関する法律に従い厚生労働省に届け出を終えていて経験、実績が豊富である再生医療専門のクリニックをご選択ください。 信頼できるパートナーとして、一緒に治療に取り組める専門クリニックを見つけることが大切です。 |
リボーンクリニックは、再生医療専門のクリニックです。
国が定めた「再生医療等安全性確保法」のもと、特定認定再生医療等委員会の厳格な審査を経て、厚生労働大臣へ届出を終えた、ご信頼いただける安心の「再生医療専門の医療機関」です。膝の治療にあたりましては、法令を遵守し、院長の青木医師をはじめとした経験豊富な医師が患者さまのお悩みに親身に寄り添い、最新鋭の設備と熟練のスタッフといった最高の環境でサポートいたします。 まずはお気軽に無料相談をご利用ください(無理に治療をお勧めすることは一切ございません)。 |