
膝関節
リボーンクリニック 大阪院の膝関節
膝の痛み|水が溜まる原因とその対処法を徹底解説
膝の痛み|水が溜まる原因とその対処法
「病院で“水が溜まってますね”」と言われたけど、水抜きって本当に必要なの?
そんな不安や疑問を感じて、「膝の痛み 水抜き」と検索されたのではないでしょうか。
膝に水が溜まるのは、関節内の滑膜が炎症を起こし、関節液が過剰に分泌されてしまうことが原因です。この状態は、「水が溜まっているから痛い」のではなく、炎症が痛みを引き起こしていることがほとんど。
そして、「水抜き(関節穿刺)」は症状を一時的に和らげるための対処法であって、根本的な治療ではありません。
この記事では、
- ・膝に水が溜まる原因と仕組み
- ・水を抜くべき状態の見極め方
- ・初期症状のセルフチェック法
- ・水抜きのリスクと再発防止の考え方
など、今まさに「膝の痛みと水抜きについて悩んでいる」方のために、医療現場でも語られる正しい知識をわかりやすく解説していきます。
「水を抜くのはクセになる?」「自然治癒は可能?」そんな素朴な疑問にも丁寧に答えますので、ぜひ最後までお読みください。
膝に水が溜まる原因と仕組み
膝に水が溜まる現象は、医学的な面から言い換えると「関節液が過剰分泌している」状態です。正常な関節液なら、膝の滑らかな動きを支えたり、軟骨に栄養を届けたりする大切な存在です。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れると、関節内に関節液が異常に増えてしまうことが起こります。これが「膝の水」の正体です。
主に、膝関節の周囲を覆う滑膜という膜に炎症が起こること、関節液の生成が活発になり、吸収が追いつかなくなります。この状態が「水が溜まった」と感じられる正体です。溜まった水は関節内の圧力を高め、膝の腫れや痛みを引き起こしてしまいます。
滑膜の炎症を引き起こす代表的な原因には、以下のような疾患があります。
原因となる疾患 | 病態の特徴 |
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変形性膝関節症 | 軟骨がすり減り、関節内で摩擦が起きて炎症が発生 |
半月板損傷 | 急な動作や外傷により関節内に異物が出現 |
関節リウマチ・痛風 | 免疫異常や結晶の沈着で関節内が炎症を起こす |
こうした状態では、関節液の粘度や色も変わってきます。黄色く粘りのある液体が濃くなる、血液が混じる、白濁するなどで、おおよその病態を予測することも可能です。
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膝の痛む原因は、水を抜いても残る
膝に水が溜まると痛みが出ることがありますが、その痛みの原因は単純に「水の存在」だけではありません。痛みを引き起こしているのは、実は膝関節内で起きている「炎症」が主な原因です。
膝に痛みを感じて医療機関を受診すると、「水が溜まっていますね。抜きましょう」と医師に言われることがあります。ここで「水を抜くと痛みが和らぐのか?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。水を抜くと痛みが軽減することがありますが、基本的に痛みが完全になくなるわけではありません。
膝に溜まった水(関節液)は、炎症の副産物とも言える存在です。関節の中が炎症を起こすことで滑膜という膜が刺激され、関節液が過剰に分泌されてしまいます。この液体がたまることで、関節内の圧力が高まり、腫れや重だるさ、突っ張ったような違和感が生じるのです。
そして、膝の水を抜く処置をすると、圧力が軽減され、重だるさや腫れによる痛みがやわらぐ場合があります。ただし、これはあくまでも対症療法。水が溜まる「根本の原因」である炎症が解決されなければ、痛みは無くならず、また水が溜まる可能性は十分にあります。
一時的に痛みを抑えるために水を抜く処置は有効ですが、繰り返すようであれば、根本の疾患に目を向けた治療が欠かせません。
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膝に水が溜まる症状チェック
初期段階で膝に水が溜まっているかどうかを見極めることは、治療のタイミングを逃さないためにとても大切です。
最初にあらわれるサインとして、「膝が腫れてきた」「なんとなく重い」「膝の曲げ伸ばしがしにくい」などの違和感や軽度の運動制限が挙げられます。これらは、関節内に関節液が過剰に溜まりはじめた兆候である可能性があります。
特に座っている時に膝が突っ張る感じや、正座や階段の昇降時に膝がスムーズに動かないと感じたら要注意です。見た目に腫れがなくても、水が少しずつ溜まりはじめている場合もあるため、早めにチェックすることがポイントになります。
簡単なセルフチェック法もあります。床に座って膝を伸ばし、両手で膝のお皿(膝蓋骨)を上下から押してみてください。お皿がふわふわと浮いているような感覚があれば、水が溜まっている可能性があります。
初期症状を見逃さず、早期の対処を心がけることで、膝の状態を悪化させずに済むケースも多くあります。
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水を抜いたほうが良い膝の状態とは?
膝に水が溜まっていても、必ずしもすぐに抜く必要があるとは限りません。ただし、以下のような症状が現れている場合は、水を抜くことで症状の改善が期待できます。
例えば、膝が腫れて熱を帯びていたり、膝を曲げ伸ばしする際に強い張りや重苦しさがあるようなときです。こういった状態では関節内の圧が高まっており、関節液が周囲の組織を圧迫している可能性があります。
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一方で、穿刺(注射針で水を抜く処置)にはリスクもあります。細菌感染や内出血など、処置の手技によって起こる合併症は少なくありません。特に頻回に水を抜いている場合は、炎症が長引いているサインととらえるべきです。
また、繰り返しになりますが「水を抜くこと自体がクセになる」のではなく、「炎症が治まっていないこと」が再発の原因です。水を抜くかどうかの判断は、症状の強さと原因疾患に応じて慎重に行うべきでしょう。
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膝の水抜くと「クセになる」のか?
「水を抜くとクセになるのでは?」という疑問は、多くの方が一度は思ってしまう不安です。しかし、医学的には“水抜きがクセになる”ということはありません。
膝に水が再び溜まるのは、抜いたからではなく、膝関節内の炎症が継続しているからです。水が溜まる仕組みは、関節内部の滑膜という膜が炎症によって刺激を受け、関節液を過剰に分泌することに起因しています。したがって、この炎症を改善しない限り、何度水を抜いても再び溜まることになります。
よくある誤解として、「水を抜くと逆に炎症が悪化するのでは?」と心配される方もいますが、水抜きによって関節内圧を下げることは、むしろ痛みや腫れの軽減につながります。また、関節液を分析することで、炎症の原因(変形性膝関節症、リウマチ、感染など)を見極めるヒントにもなります。
もちろん、処置の回数が極端に多かったり、無理なタイミングでの水抜きは感染リスクも伴うため、医師の指示のもとで行うことが前提です。
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水抜き後の痛みが取れない理由
水を抜いたにもかかわらず痛みが残る…。そんな時は、関節内で何らかの炎症や損傷が依然として続いている可能性があります。
膝の水抜きは、あくまで症状の一時的な緩和を目的とした処置です。たしかに腫れや関節内の圧力は下がりますが、関節液を多く生み出している「炎症そのもの」を取り除くわけではありません。
また、もう一つの考えられる原因が「感染」や「出血」です。通常、水を抜いた後は刺した箇所に軽い痛みが数時間残ることがありますが、それが1日以上続いたり、膝が熱を持って赤く腫れてくるようなら、感染症を疑うべきです。特に糖尿病など免疫力の低下がある人は注意が必要です。
さらには、膝そのものに構造的な損傷があれば、痛みは続く場合があります。たとえば、半月板の裂けや軟骨の大きな欠損などです。このようなケースでは、MRIなどで詳細に検査し、根本的な治療を検討する必要があります。
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膝の水抜きで感染や合併症のリスクは?
膝に水が溜まり、水抜き(関節穿刺)を行うときに気になるのが「感染のリスク」です。結論から言えば、水抜きによる感染や合併症はごく稀ですが、ゼロではありません。
この処置は注射針を関節内に刺して関節液を吸引するため、外部の細菌が皮膚から侵入してしまうと、関節が感染してしまう恐れがあります。これを化膿性関節炎と呼び、悪化すると入院や手術が必要になるケースもあるため、注意が必要です。
主なリスクと対策は以下の通りです。
リスク・合併症 | 内容 | 予防・対策 |
---|---|---|
感染(化膿性関節炎) | 細菌が関節に入り腫れや発熱、痛みが悪化する | 消毒・清潔操作・術後の経過観察 |
出血・血腫 | 穿刺時に血管を損傷することで出血 | 圧迫止血・内服薬との確認 |
関節液の漏出 | 穿刺後に液体が皮下へ漏れて腫れや内出血を起こすことがある | 安静・絆創膏などの処置 |
ただし、感染が起こる確率は非常に低く、適切な衛生管理下で行えば問題はありません。とはいえ、水を抜いた後に腫れがひどくなる・膝が熱をもつ・強い痛みが続くなどの異常が見られた場合は、すぐに医療機関を再受診してください。
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膝に水が溜まった時の自然治癒は可能か?
「しばらく放っておけば水も引くのでは?」と考える方は少なくありません。ですが、膝に水が溜まっている状態が自然に治ることは非常にまれです。
そもそも水が溜まるというのは、滑膜が炎症を起こし、関節液を異常に分泌している状態を指します。この炎症が持続している限り、関節液は作られ続けてしまいます。たとえ一時的に痛みが和らいだとしても、根本の炎症が治らなければまた水は溜まり、症状が再発するのです。
一方で、軽微なケガや一過性の負荷によるもので、炎症が自然に収まれば水が引くケースもごくわずかには存在します。ただし、症状が1週間以上続く、または悪化しているようであれば、自然治癒に期待せず、医療機関を受診すべきです。
悪化させてしまうと、関節の変形や日常生活への影響も大きくなります。適切な治療を受けることが、早期回復と再発予防への近道です。
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まとめ・膝の水抜きは「対処」であって「解決」ではない
膝に水が溜まっている状態は、多くの場合、関節内で炎症が起きているサインです。
そして、水抜きはその場の痛みや腫れをやわらげる「一時的な処置」に過ぎず、根本的な治療にはなりません。
特に注意したいポイントは以下の通りです:
- ・膝に水が溜まるのは、滑膜の炎症による関節液の過剰分泌
- ・水を抜くと症状が軽くなることもあるが、炎症が残れば再発する
- ・水抜きにはごくまれに感染などのリスクもある
- ・自然治癒はごく一部の例を除き、あまり期待できない
- ・根本の原因(変形性膝関節症、半月板損傷、関節リウマチなど)に向き合うことが大切
膝の痛みや腫れに気づいたら、まずは自己判断せずに整形外科などの専門医を受診し、原因を特定することが最初の一歩です。
繰り返し膝に水が溜まってつらい思いをしないためにも、目先の処置だけで終わらせず、「なぜ水が溜まったのか?」に向き合うことが再発防止への近道です。
監修:医療法人香華会 リボーンクリニック大阪院
🔁「膝の水を抜いたあと、どうすれば再発を防げるのか?」
|膝の水抜き後の再発予防について
|膝の痛み・水抜きに関するQ&A
Q1. 膝に水が溜まると、なぜ痛くなるのですか?A. Q2. 水を抜けば痛みは治りますか?A. Q3. 水抜きはクセになりますか?A. Q4. 自然に治ることはありますか?A. Q5. 水抜きのリスクはありますか?A.ごくまれに感染(化膿性関節炎)や出血、関節液の漏出などの合併症が起こる可能性があります。ただし、適切な衛生管理と医師の判断のもとで行えば、リスクは最小限に抑えられます。 Q6. 初期症状はどんなものがありますか?A. Q7. どんなときに水を抜いたほうがいいですか?A. |