変形性股関節症
リボーンクリニック 大阪院の変形性股関節症
股関節の人工関節のすべて|手術前に知っておきたい全知識
股関節に人工関節を選ぶなら|後悔しないために今知っておくべきこと
歩くたびに感じる股関節の痛み。日常の動作がどうしようもなく、つらくなってくると、医師から「人工関節の手術」という選択肢を提示され、迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
股関節の人工関節について手術を受けるべきかどうか、術後の生活はどうなるのか、といった数々の疑問をお持ちのはずです。
この記事では、人工股関節置換術の基礎知識から、手術の判断基準、回復スケジュール、耐用年数、生活上の注意点まで、幅広く丁寧に解説します。
さらに、高額療養費制度の活用方法など、経済的な不安にも配慮した情報をまとめています。
不安を解消し、自分にとって最善の選択ができるように。
初めて手術を検討される方にも、わかりやすく読み進めていただける内容を心がけました。
どうぞ最後までご覧ください。
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この記事で分かること
- ☑ 股関節 人工関節の手術が必要となる症状と判断基準
- ☑ 手術の流れ・入院期間・リハビリの具体的なスケジュール
- ☑ 術後の生活で注意すべき動作や再手術のリスク
- ☑ 費用の目安と高額療養費制度などの経済的サポート方法
- ☑ 再生医療という、これまで無かった選択肢について

股関節 人工関節とは?手術が必要な人の特徴
股関節人工関節とは、変形や損傷により機能を失った股関節を、人工の関節に置き換える外科手術による治療法です。金属や高分子素材などで作られた人工関節を、骨の一部と置き換えることで、痛みを和らげたり、歩行能力を回復させたりします。
一般的にこの手術が検討されるのは、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症などで股関節の痛みが強く、日常生活に支障をきたしている場合です。年齢層としては60歳以上が多いものの、若年層でも症状が重ければ適応になることがあります。
人工関節置換術は、以下のような状況にある方にとって有効な選択肢です。
| 適応されやすい症状の例 | 状況 |
|---|---|
| 歩行時の激しい痛み | 杖を使っても歩行がつらい |
| 股関節の可動域が狭い | 足の爪切りや靴下を履けない |
| 関節の変形が進んでいる | レントゲンで骨が潰れている |
| 夜間の疼痛が続いている | 安静時にも痛みが強い |
手術の目的は、どうしようもない痛みで、生活の質が著しく低下していることに対して、手術で関節を人工的に入れ替え、「痛みの軽減」と「機能の回復」を行い再度、生活の質を取り戻すことです。
POINT -
- ●人工股関節は壊れた関節の代わりに入れる医療用パーツ
- ●対象は変形性股関節症などで生活に支障がある方
- ●目的は痛みの軽減と動きを改善し生活の質を取り戻すこと
どんな病気で人工関節が必要になる?
人工関節の手術は、主に股関節の構造が壊れてしまった場合に適応されます。とくに以下の3つの疾患が代表的です。
●変形性股関節症
関節の軟骨がすり減って骨同士がこすれ、強い痛みや変形が生じる病気です。加齢に伴って発症する「一次性」と、生まれつきの骨格異常(臼蓋形成不全など)に起因する「二次性」があります。
●大腿骨頭壊死症
大腿骨の付け根の骨(骨頭)が血流障害により壊死する病気です。ステロイド薬の副作用やアルコール多飲がリスク因子とされ、進行すると関節がつぶれて激しい痛みが生じます。
●関節リウマチ
全身性の自己免疫疾患で、股関節の滑膜が炎症を起こし、やがて軟骨や骨が破壊されていきます。薬物治療で抑えられない場合には、人工関節手術が選択肢となります。
こうした疾患により、歩行困難や日常動作の制限が強くなったとき、※QOLの大きな低下に対して、人工関節手術は有効な解決策となることがあります。
POINT -
- ●変形性股関節症は最も多い適応疾患
- ●大腿骨頭壊死症は進行で急速に悪化する
- ●関節リウマチも適応対象になることがある
| ※QOL(Quality of Life)とは:
「生活の質」や「人生の質」を意味し、心身の健康、社会・経済的環境などを含めた“生きる満足度”を示す概念です。医療や介護では、治療効果だけでなく生活の質を重視する際に用いられます。 |
保存療法では治らない場合の判断基準
手術以外の治療、いわゆる保存療法には、鎮痛薬、運動療法(リハビリ)、生活習慣の改善、装具の使用などが含まれます。こうした方法で症状の進行を抑えたり、痛みを和らげたりすることはできますが、根本的に壊れた関節そのものを修復できるわけではありません。
次のような状態になった場合、保存療法だけでは改善が難しく、手術が検討されることがあります。
| 手術を検討すべき兆候 | 説明 |
|---|---|
| 痛みが慢性的に続いている | 数週間〜数ヶ月、安静にしても改善しない |
| 夜間痛や安静時痛がある | 横になっていても痛みで目が覚める |
| 可動域が大きく制限されている | 足の爪が切れない、階段が登れないなど |
| 日常生活が困難になってきた | 家事や仕事に支障が出ている |
これらの判断は自己判断ではなく、レントゲンやMRIなどの画像診断に加えて、医師による評価が不可欠です。とくに、関節の隙間が完全に消失しているケースでは、関節が物理的に壊れかけている場合、残念ながら保存療法の効果はどうしても限定的にならざるを得ません。
日本整形外科学会の診療ガイドライン(出典:日本整形外科学会『変形性股関節症診療ガイドライン』)でも、保存療法が無効なケースでは手術が推奨されることが示されています。
POINT -
- ● 保存療法で数ヶ月以上改善がなければ手術検討
- ● 安静時や夜間の痛みも重要なサイン
- ● 画像診断と医師の診断で適応が決まる
手術を受けるべきタイミングとは
人工股関節の手術は、できるだけ避けたいと考える方も多くいらっしゃいます。しかし、症状が進行しきってからでは回復までの期間が長くなったり、合併症のリスクが高まったりすることがあります。
「もう手術しかないのでは?」と感じるサインはいくつかあります。たとえば、薬を飲んでも痛みが取れない、日常生活に明らかな支障が出ている、歩くときに足を引きずるなどの症状が強くなってきたときです。
特に以下のようなタイミングでは、整形外科専門医に相談することが推奨されます。
| 判断のポイント | 内容 |
|---|---|
| 痛みのために外出が億劫になった | 社会生活や趣味を制限している状態 |
| 夜中に痛みで起きるようになった | 安静時痛は進行のサイン |
| レントゲンで軟骨の消失が確認された | 関節の隙間がなくなっている |
| リハビリや薬でも効果がなくなってきた | 保存療法の限界に達している |
先延ばしにすることで、関節周囲の筋力が衰えてしまうこともあるため、手術のタイミングは慎重に見極める必要があります。手術が早すぎても問題ですが、遅れすぎると回復が困難になることもあります。
POINT -
- ●痛みで生活が制限されてきたときが判断の一つ
- ●画像診断で進行が確認された場合は要検討
- ●タイミングの見極めは医師との相談が重要
股関節への人工関節、手術と術後生活の実際
股関節への人工関節手術は、現在では非常に一般的な整形外科手術の一つとなっており、高齢の方でも安全に受けられる体制が整っています。とはいえ、術後には回復のための一定期間のリハビリと、生活上の注意が必要になります。
まず、入院期間はおおむね2週間前後で、術後は翌日からリハビリが始まります。杖を使っての歩行訓練から、徐々に筋力回復や可動域の改善を目指します。退院後も外来でのリハビリがしばらく続くことになります。
術後、日常生活の注意点がいくつかあります。たとえば、和式トイレの使用や正座、深くしゃがみ込む動作は避けなければなりません。これは脱臼や人工関節のズレを防ぐために必要だからです。
以下に、手術から回復までの一般的な流れを表にまとめました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 術前 | 各種検査・術前リハビリの説明 |
| 手術当日 | 全身麻酔・人工関節の設置 |
| 術後1~3日 | 痛みの管理・ベッド上でのリハビリ開始 |
| 術後4~7日 | 起立訓練・歩行器や杖を使った歩行練習 |
| 退院後(1~3ヶ月) | 自宅での生活動作リハビリ・再診 |
| 術後半年以降 | ほぼ通常の生活が可能に |
自動車の運転や軽目のスポーツは、医師が許可すれば可能になりますが、自己判断での再開は避けるべきです。
POINT -
- ●術後リハビリは手術翌日からスタート
- ●生活習慣の見直しと動作制限が重要
- ●退院後も定期的な診察とリハビリが必要
人工股関節置換術ってどんな手術?
人工股関節置換術(THA: Total Hip Arthroplasty)は、変形や損傷した股関節の骨を一部取り除き、人工の部品に置き換える手術です。使用される人工関節は、通常「金属(チタン合金やコバルトクロム)」「セラミック」「ポリエチレン」などの素材から成り、長期間にわたって使用できるよう設計されています。
手術は全身麻酔または下半身麻酔下で行われ、片側の股関節を対象とする場合がほとんどです。皮膚を10〜15cmほど切開し、関節の損傷部分を除去したのち、人工関節を骨に固定します。最近では最小侵襲手術(MIS)が普及しており、筋肉や腱へのダメージを最小に抑えることが可能になっています。
人工関節は以下のような構造で成り立っています。
| 部位 | 素材と機能 |
|---|---|
| カップ(骨盤側) | 金属またはセラミック製。骨盤に固定される |
| ライナー(内張り) | ポリエチレンやセラミック。摩耗を防ぐ |
| ボール(大腿骨頭) | セラミックや金属製。カップ内で滑らかに動く |
| ステム(大腿骨側) | 金属製で、大腿骨に挿入・固定される |
人工関節は関節の滑らかな動きを再現するように設計されており、術後の可動域の改善に大きく寄与します。
POINT -
- ●関節の骨を削り人工パーツに置き換える手術
- ●部品は摩耗しにくい高耐久素材で構成(ただし寿命はある)
- ●MISによって負担を抑えた術式も増えている
手術後いつから歩けるようになる?
術後について、人工股関節手術を受けたあと、「いつから歩けるのか?」という点が気になるのではありませんか?実は、歩行の再開は手術の翌日から始めていただくのが一般的です。最近では術式の進化により、患者の身体への負担が少ない方法も増えてきているためです。
手術の翌日には、まずベッドの横に立つ練習を始めます。その後、リハビリスタッフのサポートを受けながら、歩行器や杖を使って歩く訓練がスタートします。この初期段階では、まだ痛みや腫れがあるため無理は禁物ですが、少しずつ動かすことで回復が早まります。
以下は、術後の歩行開始までのリハビリについて一般的な流れを示したものです。
| 術後日数 | 歩行状態の目安 |
|---|---|
| 1日目 | 起立訓練・ベッドサイドで立つ練習 |
| 2~3日目 | 歩行器や両手杖での歩行訓練 |
| 4~7日目 | 杖歩行に移行。階段昇降の練習開始 |
| 約2週後 | 杖なしでの歩行も可能になるケースあり(個人差あり) |
患者の年齢や体力、術前の筋力状態によってリハビリの進み具合は異なりますが、多くのケースで術後1~2週間で自力歩行の基礎ができるようプログラムします。
POINT -
- ● 術後翌日から立ち上がり・歩行練習を開始
- ● 歩行器 → 杖 → 自立歩行へと段階的に移行
- ● 体力や回復力により個人差あり
人工股関節手術 入院期間の目安
人工股関節手術の入院期間は、術後の経過や、万一の合併症の有無によって異なりますが、平均的には10日から2週間程度が目安とされます。以前は3週間以上の長期入院が一般的でしたが、医療技術と術後ケアの進歩により、短期化が可能なようになりました。
入院中は、リハビリテーションが中心となります。手術後の翌日から歩行訓練が始まり、リハビリスタッフが一人ひとりの状態に合わせたプログラムを作成します。また、退院前には「階段昇降」や「入浴動作」など、生活に必要な動きができるかどうか、日常生活に戻るためのチェックが行われます。
以下の表に、一般的な入院の流れをまとめました。
| 入院期間 | 主な内容 |
|---|---|
| 手術当日 | 全身麻酔、手術施行、安静 |
| 術後1〜3日目 | 起立訓練・痛み管理・歩行練習開始 |
| 術後4〜7日目 | 杖歩行・日常動作の練習 |
| 術後8〜14日目 | 階段昇降、トイレ・入浴の練習、退院指導 |
なお、高齢者や基礎疾患がある場合には、※合併症予防のため入院期間が、やや長くなることもあります。一方、体力があり自宅での生活環境が整っている人は、早期退院が可能なケースもあります。
POINT -
- ● 平均的な入院期間は10〜14日程度
- ● リハビリと日常動作の習得が退院の条件
- ● 早期退院は身体状況と生活環境次第
| ※合併症とは:
手術や治療の過程で生じる望ましくない症状や病気のことで、代表例は感染、血栓症、人工関節のゆるみ、神経麻痺などで、手術や術後の安静、薬の影響が原因となります。 |
術後のリハビリと回復スケジュール
人工股関節手術の成功には、術後のリハビリが欠かせません。手術が終わっただけで「治った」と思うのは早計です。術後、適切なリハビリを行うことで股関節の機能を最大限に回復させることが可能となるからです。
リハビリは大きく分けて3つの段階に分かれます。「入院中の初期リハビリ」「退院直後の中期リハビリ」「社会復帰に向けた後期リハビリ」です。以下の表にスケジュールの目安をまとめてみました。
| 時期 | 期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 初期(入院中) | 術後〜約2週間 | 起立訓練、歩行訓練、日常動作の指導 |
| 中期(退院直後) | 約1〜3か月 | 杖歩行→自立歩行、筋力強化、関節の可動域拡大 |
| 後期(社会復帰期) | 3か月〜6か月以降 | 軽スポーツ再開、職場復帰、階段動作の安定化 |
前述の通り、個人差はありますが、術後3か月程度で通常の生活に近い動きが可能になります。6か月を過ぎるころには、多くの方が手術前には困難だった動作を自然に行えるようになってきます。
なお注意点としては、正しいフォームでリハビリを行わないと、筋肉のアンバランスや再脱臼のリスクが高まるため、自己流は避けてください。必ず理学療法士の指導を受けながら進めることが大切です。
POINT -
- ● 術後のリハビリは初期・中期・後期に分かれる
- ● 3か月程度で日常生活へ復帰可能
- ● 専門家の指導を受けて進めることが回復の鍵(早道)
人工関節のメリットとデメリット
人工関節置換術は、重度の関節障害に苦しむ患者にとっては非常に有効な治療法です。ただし、万能な方法ではなく、利点と不利点の両面を理解した上で検討することが重要です。
まず、最大のメリットは「痛みの改善」と「可動域の回復」です。変形性股関節症などで関節の骨がすり減ってしまった場合、人工関節に置き換えることで痛みが大きく軽減し、日常生活動作がしやすくなります。また、重度の変形によって難しかった歩行や階段の昇降がスムーズになるケースも多いです。
一方で、人工関節にはデメリットも存在します。
最も注意すべき点は、「耐用年数の限界があること」です。人工関節の寿命は15〜年が一般的とされており、それ以降は再置換(リビジョン)手術が必要になる可能性があることです。また、強い衝撃や激しい運動によって脱臼や摩耗が起こるリスクも無視できません。
そのため、リハビリの後でも生活様式や行動様式の変更などが必要となっていきます。これについては、次項にて詳しくのべます。
以下に、メリット・デメリットを簡潔に比較した表を示します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 強い痛みの解消、歩行能力の回復、生活の質向上 |
| デメリット | 耐用年数の限界、再手術の可能性、脱臼のリスク、生活・行動様式の変更 |
POINT -
- ● 痛みの解消と可動域改善が主な利点
- ● 人工関節には寿命があり、再手術が必要になる場合もある
- ● 過度な負荷や動作制限があるため生活習慣の見直しが必要
術後にやってはいけないこととは?
人工股関節の手術を受けたあと、患者が最も気をつけなければならないのが「術後の注意事項」です。特に脱臼や摩耗を防ぐため、術後の動作にはいくつか避けるべき禁止事項があります。
まず代表的なのが、「股関節を深く曲げる動作」です。正座やあぐら、和式トイレの使用、低いソファに深く座り込むことなどは、人工関節が脱臼する可能性があるため推奨されません。また、足を内側に捻る・足を組むなどの動作もリスクとなるため、避けるよう指導されます。
さらに、床に物を落として拾うような前屈動作や、片足立ちになる動作も脱臼のリスクを高めます。リハビリ中や退院後の生活では、以下のような点に注意しなけらばなりません。つい、クセで…とならないよう動きに意識を向けなければなりません。
| 禁止・注意すべき動作 | 理由 |
|---|---|
| 正座やあぐら | 股関節を深く曲げるため脱臼リスクあり |
| 和式トイレの使用 | しゃがみ込み動作が危険 |
| 足を組む・ねじる | 関節への捻じれが起きやすい |
| 長時間の前屈 | 関節の安定性を損ねる可能性 |
術後数か月は特に慎重な行動が必要ですが、正しい姿勢と動作習慣を身につけることで、多少の不自由さはあっても日常生活を普通に送ることが可能になります。
POINT -
- ● 深く曲げる・ひねる・組むなどの動作は避ける
- ● 特に術後数か月間は脱臼リスクが高い
- ● 動作制限はあるが、正しい生活習慣で回避可能
スポーツや自動車の運転はできるようになるのか?
人工股関節手術後でも、適切なリハビリを行うことで、軽いスポーツや自動車の運転を再開することは可能です。ただし、状況や時期、スポーツは、その種類によって医師による慎重な判断が必要です。
自動車の運転に関しては、術後約1か月が目安とされており、股関節の可動域や反応速度が回復してからでないと再開は勧められません。特に右股関節を手術した場合は、ブレーキ操作に支障がないことを確認する必要があります。退院時には医師とリハビリ担当者による安全確認が行われることが一般的です。
スポーツについては以下のようにリスクに応じて区分けされます。
| スポーツの種類 | 再開の可否 | 留意点 |
|---|---|---|
| ウォーキング、ゴルフ、スイミング | ○(約3か月後) | 過度な負荷をかけない |
| 軽いジョギング、ヨガ | △(医師の判断) | 関節に無理のない範囲で |
| サッカー、バスケットボールなど接触スポーツ | × | 脱臼・損傷リスクが高いため推奨されない |
このように、術後の身体状況に応じては軽いスポーツを楽しむことも期待でき、健康的な生活を目指せます。なお、運動前後には無理のない範囲で股関節のストレッチやウォームアップを欠かさないようにしてください。
POINT -
- ● 運転は術後1か月程度から可能(要確認)
- ● スポーツは種類により再開時期や可否が異なる
- ● 過度な負荷や接触プレーは避けることが大切
人工関節の耐用年数と再手術の可能性
人工股関節は、一度の手術で一生使えるものではありません。使用状況や年齢によっては再手術が必要になることもあるため、耐用年数と再置換術のリスクについて事前に理解しておくことが大切です。
人工関節の耐用年数は、一般的に15年~とされています。近年では素材や構造の改良によって、より長持ちするタイプも登場していますが、それでも完全に摩耗やゆるみを避けることは難しいのが現状です。
特に若年層で手術を受ける場合、将来的に再手術が必要になる可能性が高くなります。また、スポーツや重労働などで関節に過度な負担がかかると、摩耗が早まり、再置換術(リビジョン手術)を検討するケースもあります。
以下の表に、人工関節の耐用年数と再手術が必要となる主な原因をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般的な耐用年数 | 約15~20年 |
| 長持ちしやすい条件 | 適切な体重管理・無理のない生活動作 |
| 再手術の主な原因 | 摩耗・ゆるみ・感染・脱臼など |
| 再手術のリスク | 手術時間の延長・出血量の増加・回復の遅れ |
なお、再置換手術(2度目の人工関節手術)は初回よりも技術的に難しく、合併症のリスクも上がる傾向があります。したがって、術後の日常管理や定期的な検診が極めて重要です。
POINT -
- ● 人工関節の寿命は約15~年が目安
- ● 若年層ほど再手術のリスクが高まる
- ● 再置換術は初回より難易度が高いため、術後管理が重要
治療費と高額療養費制度の活用について
人工関節置換術は高度な医療技術が用いられるため、費用も高額になる傾向があります。しかし、日本では公的医療制度が充実しており、高額療養費制度を活用することで患者の自己負担を大幅に軽減できます。
手術費用の総額は入院期間にもよりますが、一般的には60万~120万円前後となるケースが多く見られます。ただし、多くの場合は健康保険が適用され、自己負担額は3割または1割(高齢者の場合)に抑えられます。
それでも高額になることがあるため、活用すべき制度が「高額療養費制度」です。この制度では、月ごとの自己負担上限額が世帯の所得に応じて定められており、一定額を超えた分は払い戻しの対象となります。
(詳しくは、こちらでお確かめください ▷:厚生労働省「高額療養費制度について」 )
また、医療費控除や、限度額適用認定証の事前申請などを活用することで、さらに費用を抑えることができます。これらの制度は事前に申請が必要な場合もあるため、手術前に医療機関や自治体窓口に相談しておくと安心です。
POINT -
- ●人工関節手術の費用は保険適用で軽減される
- ●高額療養費制度で月の自己負担上限が設定されている
- ●事前に「限度額適用認定証」の取得を検討すべき
股関節の人工関節に進む前に、再生医療という選択肢
股関節に強い痛みや可動域制限を抱えている方にとって、人工関節手術は有効な選択肢の一つです。しかし、必ずしもベストとは言えない問題があります。手術に気が進まないなら必ずしも選択する必要はないかもしれません。
手術に進む前の選択肢として、幹細胞治療といった再生医療を選択される選択肢があるからです。
たとえば、再生医療を検討されている方々の理由として、以下のようなご意見が多くみられます。
- ☑ 人工ではない、自分自身の生体としての股関節を温存したい
- ☑ 手術はしたくない
- ☑ 体への負担を少なくしたい
- ☑ 手術、人工関節による長期のリスクを考えたい
- ☑ 人工関節による生活や行動の制限をかけたくない
さらに、実際上のデメリットとしては次のようなことも考えられます。
- ● 再手術が必要になる可能性がある(耐用年数15前後が目安)
- ● 再手術は、非常に難しい手術になる
- ● 激しい運動やジャンプ動作などには制限がかかる
- ● 転倒や衝撃で脱臼・破損のリスクがある
- ● 細菌感染などの合併症がまれに起こる可能性がある
- ● 術後もしばらくはリハビリが必要で社会復帰に時間がかかる
- ● 高齢者や持病のある方では手術のリスクが上がることがある
- ● 金属アレルギーを持つ方には素材によって注意が必要
- ● 人工物である以上、完全に元の関節と同じ機能を取り戻せるわけではない
- ● 年齢や体質上、手術が不可能なことがある
人工関節手術に進む前に、保存療法・再生医療といった“温存治療”を検討することは、患者様ご自身のライフスタイルや活動性、将来設計を踏まえたうえで非常に大切ではないかと考えています。再生医療を適切に活用することで、股関節の痛みや変形による歩行制限を改善し、手術時期を遅らせる、あるいは手術の選択肢を無くす可能性もあります。
とはいえ、進行が進んでいる場合や保存療法・再生医療で十分な改善が得られない場合には、人工関節手術が最善となるケースもあるため、詳しくは当院までお問合せください。
再生医療(幹細胞治療):適応の目安とメリット・注意点幹細胞治療の対象となるのは、例えば以下のようなケースです。
一方で、再生医療には以下のような注意点もあります。
当院の幹細胞治療の特徴
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まとめ・股関節 人工関節をすすめられた時にまず読む完全ガイド
「股関節 人工関節」という言葉を検索する背景には、日常生活に支障をきたす痛みや、不安定な歩行、治療への迷いなど、さまざまなお悩みがあることと思います。
本記事では、人工関節置換術の必要性や判断基準、手術の流れ、術後の生活、再手術の可能性に至るまで、できる限り具体的に解説してきました。
また、保存療法と手術の見極め方や、高額療養費制度の利用方法などもあわせてご紹介しました。
人工関節の手術は確かに大きな決断ではありますが、適切なタイミングで正しい情報を得ることで、痛みのない快適な生活を取り戻せる可能性が高まります。
股関節の症状が長期化している方や、生活に支障を感じている方は、まずは専門医の診察を受け、客観的な意見を聞くことが大切です。
尚、再生医療は、「手術をすぐに選ぶべきかどうか迷っている」「できれば関節を温存したい」と考えている方にとって、検討価値のある選択肢となることを最後にお伝えいたします。
あなたの体と未来を守るために、焦らず冷静に選択していきましょう。
本記事がその一助となれば幸いです。
よくある質問 Q&A |股関節の人工関節でよくある疑問
Q1. どのような症状があると人工関節が必要になりますか?A. Q2. 手術を受けるタイミングはどのように判断すればいいですか?A. Q3. 人工股関節の手術後はいつから歩けますか?A. Q4. 人工関節には寿命がありますか?再手術の可能性は? Q5. 手術費用は高いですか?保険は使えますか?A. Q6. 手術後にスポーツや車の運転はできますか?A. Q7. 術後に注意しなければならない動作はありますか?A. |
リボーンクリニックは、再生医療専門のクリニックです。
国が定めた「再生医療等安全性確保法」のもと、特定認定再生医療等委員会の厳格な審査を経て、厚生労働大臣へ届出を終えた、ご信頼いただける安心の「再生医療専門の医療機関」です。
膝の治療にあたりましては、法令を遵守し、院長の青木医師をはじめとした経験豊富な医師が患者さまのお悩みに親身に寄り添い、最新鋭の設備と熟練のスタッフといった最高の環境でサポートいたします。
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