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膝の痛み 高齢者に多い原因と治療法を徹底解説

膝の痛み 高齢者に多い原因と治療法を徹底解説
年齢を重ねるごとに増えてくる膝の痛み。
「最近、階段の上り下りがつらい」「膝が腫れて歩けない日がある」など、高齢者にとって膝のトラブルは、日常生活の質を左右する深刻な問題です。
実際、変形性膝関節症や関節リウマチ、骨壊死など、高齢者に特有の疾患が背景にあることも少なくありません。さらに、筋力の低下や肥満、歩行姿勢の崩れなども痛みの原因として関係しています。
- この記事では、
- ☑ 膝の痛みに多い原因と対処法
- ☑ 日常生活でできる予防とストレッチ
- ☑ 受診が必要なサインや再生医療の可能性
といった内容を、初めての方にもわかりやすく解説しています。
膝の痛みと上手につき合いながら、元気に日常を送るために必要な情報を、ぜひこの機会に知っていただけると幸いです。
膝の痛み 高齢者に多い原因と対処法
年齢を重ねると膝の痛みに悩む方が増えてきます。特に高齢者では、その痛みが日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
なぜこうした膝の痛みが起こるのでしょうか。そして、どうすれば症状の進行を防ぎ、和らげることができるのでしょうか。
まず押さえておきたいのは、高齢者の膝痛の多くが「変形性膝関節症」によるものだということです。関節のクッションとなる軟骨がすり減ることで炎症や変形が起き、歩行や階段の昇降に強い痛みが伴います。
また、筋力の低下や体重増加も膝関節に負担をかける要因です。特に太ももの前側にある大腿四頭筋が衰えると、関節の安定性が保てなくなります。対処法としては、まず無理のない範囲での運動療法が基本です。
膝周辺の筋肉を強化することで関節の負担を軽減できますので、整形外科を受診し、リハビリに通うなどの対策が大切です。また、体重管理も重要なポイントです。実は体重が1kg増えるだけで、膝には3倍の負荷がかかるとも言われています。そのため、太りすぎないよう体重には注意が必要です。
また、必要に応じて、「サポーターや足底板(インソール)」の使用や、ヒアルロン酸注射などの保存的治療も検討することになります。
いずれにしても、痛みが続く場合は、必ず整形外科を受診してください。
- <✅ 要点>
- ・高齢者の膝痛の多くは変形性膝関節症の疑いがある
- ・筋力低下や体重増加が痛みを悪化させる
- ・対策は運動・体重管理・補助具の活用が基本
- ・痛みが出たら、早めの受診を推奨
高齢者 膝の痛み 原因と考えられる疾患
膝の痛みが出たとき、「年齢のせいかな」「しばらくすれば治る…」などと軽く考えてしまわれる方が多いようです。しかし、高齢者に起こる膝の痛みには、いくつかの疾患が背景にある可能性があります。
最も多く見られるのが「変形性膝関節症」です。これは関節軟骨が年齢や負荷によって徐々にすり減り、関節に炎症が起こることで痛みや腫れを引き起こす疾患です。
他にも、以下のような病気が考えられます。
疾患名 | 主な特徴 |
---|---|
半月板損傷 | 膝のクッション部分が損傷。膝の引っかかりや不安定感がある |
関節リウマチ | 免疫の異常により関節が破壊される。朝のこわばりが強く両膝に症状が出る |
偽痛風・痛風 | 結晶成分が関節に沈着して炎症を起こす。急な腫れや熱感が特徴 |
大腿骨内顆骨壊死 | 骨が壊死して膝の内側に強い痛みを感じる。特に女性に多い |
このように膝痛の原因はひとつではありません。症状の出方、場所、タイミングによって原因は異なります。
まずは、放置することなく、早めに医師の診断を受けることが大切です。自己判断ではなく、画像検査などを通じて正確に原因を特定し、治療に取り組みましょう。
- <✅ チェックポイント>
- ・両膝に痛みがある場合:関節リウマチの可能性
- ・動作時だけでなく安静時も痛む:骨壊死の可能性
- ・急に腫れて痛み出した:偽痛風・痛風の可能性
高齢者 膝の痛み 突然起こるケースとは
いつも通りに歩いていたのに、突然膝に強い痛みが走る。そんな経験はありませんか?
高齢者の膝痛はゆっくり進行するものが多い一方で、急に痛みが出るケースも存在します。
代表的なのは、「半月板損傷」です。特に、軽くひねったり階段で踏み外したときなどに損傷しやすく、歩行時の不安定感や膝が抜けるような感覚が生じることもあります。
また、「偽痛風」も高齢者に多い突然の膝痛の原因です。体内のピロリン酸カルシウム結晶が関節に沈着し、ある日突然、膝が腫れて熱を持ち、強い痛みが出ます。痛風と似ていますが、主に膝に出やすいのが特徴です。
さらに、「大腿骨内顆骨壊死」という疾患も、痛みが急激に現れる原因のひとつです。膝の骨の内部が壊死してしまい、特に膝の内側に強い痛みを感じます。進行すると日常動作に深刻な影響を及ぼします。
膝の痛みが急に始まったときは、無理に動かさず、速やかに整形外科での受診を検討しましょう。
<✅ 急な膝痛の原因例>
- 半月板損傷:ねじれや衝撃で起こる
- 偽痛風:急な関節の腫れと激痛
- 骨壊死:安静時にも痛むことが多い
変形性膝関節症の特徴と進行ステージ
高齢者の膝痛の代表的な原因として、「変形性膝関節症」があります。これは年齢や負荷により、関節軟骨が徐々にすり減っていくことで起こる慢性疾患です。
特徴としては、「歩き始めに痛みが出るが、しばらくするとやわらぐ」という症状が初期に見られます。しかし進行するにつれ、痛みは常に続き、次第に膝が腫れる・水が溜まる・O脚が進行するといった症状が現れていきます。
以下は、進行のステージごとの特徴です。
ステージ | 特徴 |
---|---|
初期 | 歩き始めや階段での違和感。痛みは断続的。正座や長時間歩行が難しくなる |
中期 | 常に痛みを感じるようになり、膝が腫れたり水が溜まることがある |
末期 | 膝の変形が目立ち、O脚化が進行。立つ・歩く・座るすべての動作が困難になってくる |
こうした進行を抑えるには、早期診断と治療がカギになります。保存療法(運動、体重管理、ヒアルロン酸注射など)で対処できる段階であれば、手術を避けられる可能性や、少なくとも症状の進行を抑えることができます。
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高齢者 膝の痛み ストレッチで改善できる?
膝の痛みがあると、身体を動かすのが億劫になりますよね。しかし、適切なストレッチを行うことで、痛みの緩和や進行予防につながる場合があります。
特に高齢者の場合、膝関節の周囲の筋肉を柔らかく保つことが痛み軽減に直結します。硬くなった筋肉は関節に余計な負荷をかけるため、痛みやこわばりの原因となるのです。
例えば、太ももの前面(大腿四頭筋)や後面(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋)などを中心としたストレッチは、関節の動きをスムーズにし、日常動作が楽になります。特に朝のストレッチは、こわばった関節をほぐすのに効果的です。
ただし、強い痛みがあるときに無理に行うと逆効果です。痛みがある日は無理をせず、症状に応じて行いましょう。また、ストレッチを始める前には、必ず医師や理学療法士に相談し、安全な方法を教わることをおすすめします。
- <✅ ストレッチのポイント>
- ・太もも・ふくらはぎの柔軟性を高める
- ・痛みのない範囲で、ゆっくりと呼吸を意識して行う
- ・継続することで筋肉のこわばりを予防
高齢者 膝の痛み 歩けない時の対処法
膝が痛くて歩けなくなったとき、不安になりますよね。特に高齢者は転倒リスクも高いため、焦らず安全な対処が何より大切です。
まずは、患部である膝に体重をかけすぎないようにすることが最優先です。杖や手すり、シルバーカーなどの歩行補助具を活用し、できるだけ膝への負担を減らしましょう。痛みが強い場合は、冷やして炎症を抑えるのも一つの手段です。
次に、自宅内の環境を整えることも考えてみましょう。滑りやすい床や段差のある場所は、転倒の原因になりやすいため、マットや手すりを設置するなどして予防しておくと安心です。
できるだけ膝の痛みで歩行が難しくなる前に整形外科を受診しましょう。状態によっては、ヒアルロン酸注射や装具療法などの対処で痛みがやわらぎ楽になるケースもあります。
- <✅ 歩けないときの基本対処>
- ・無理に歩かず、歩行補助具を使う
- ・痛みが強ければ冷やす
- ・自宅の転倒防止環境を整える
- ・専門医に早めに相談する
関節リウマチや骨壊死の見極め方
膝の痛みが続くと、最も多い変形性膝関節症だけでなく別の病気が潜んでいる可能性もあります。中でも高齢者に多いのが、「関節リウマチ」や「大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)」です。
関節リウマチは自己免疫の異常によって関節が慢性的に炎症を起こす疾患で、朝に膝がこわばり、それが30分以上も続くことが特徴です。膝だけでなく、手指など複数の関節に症状が出ることが多く、進行すると関節が変形する恐れもあります。
一方、大腿骨内顆骨壊死は、膝の内側の骨が血流障害によって壊死してしまう病気で、突然強い痛みが出るのが特徴です。体重をかけるとズキッと痛み、安静にしていても痛むことがあります。
どちらも、一般的な変形性膝関節症とは症状の現れ方が異なるため、自己判断は禁物です。MRIなどの精密検査での診断が必要になります。
- <✅ 見極めのヒント>
- ・複数関節に痛み、朝のこわばり:関節リウマチを疑う
- ・急に強く痛む、安静時も痛い:骨壊死の可能性
- ・異常を感じたら、早めに専門医を受診する
サポーターや靴で負担を軽減する方法
膝の痛みを抱えた高齢者にとって、道具を上手に使って負担を軽くすることは、症状の進行を抑えるうえで非常に有効です。
特に「サポーター」は、膝関節を安定させ、ぐらつきを抑える効果があり、手軽にできるため積極的に利用しましょう。関節の保温や腫れの軽減にもつながり、安心して歩行ができるようにもなります。ただし、長時間の使用やサイズが合っていないサポーターは逆に血流を妨げることがあるため、選び方に注意が必要です。できれば医療機関でサイズや症状に合ったものをアドバイスまたは、購入されることをお勧めします。
さらに「靴の選び方」も見逃せません。足のアーチを支える中敷き(インソール)がしっかりしたものや、クッション性が高く滑りにくい靴底のものを選ぶことで、膝への衝撃を大幅に軽減できます。
歩行時に膝が不安定になる方には、足底板(インソール)をオーダーメイドで作成するのもおすすめします。足の傾きを調整することで、膝にかかる圧力を分散してくれます。こちらも整形外科などで注文することができます。
- <✅ 装具・靴でのサポートポイント>
- ・サポーターは膝の安定と保温に効果的
- ・靴はクッション性とフィット感が大切
- ・必要に応じてインソールで荷重を分散
- ・装着時間とサイズの選定には注意すること
冷やす?温める?膝の痛みに合った処置法
膝が痛いとき、冷やすべきか温めるべきか迷うことはありませんか?
処置の方法は、症状の原因とタイミングによって適切な対応が異なります。
まず、腫れや熱感を伴う膝の痛みには「冷やす」対応が基本です。これは、炎症反応が起きている状態であり、冷却することで血管を収縮させて腫れや痛みを一時的に抑えることができます。
特に、けがをした直後や急に膝が腫れたときは、氷や保冷剤をタオルで包み、1回10〜15分程度冷やすのが適切です。
一方、慢性的な膝の痛みやこわばり感がある場合には「温める」ことが効果的です。温熱療法によって血行が促進され、筋肉や関節のこわばりがやわらぎます。朝起きたときの膝の硬さや、長時間同じ姿勢を取ったあとの違和感などには、カイロや入浴などで温めると動きやすくなります。
ただし、痛みが強いときや熱を持っているときに温めると、かえって炎症を悪化させてしまう可能性があるため注意が必要です。
- <✅ 処置の使い分け>
- ・急な痛み・腫れ・熱感があるとき → 冷やす
- ・慢性痛・こわばり・朝のつっぱり感 → 温める
- ・状態を見極めて正しく使い分けましょう
医療機関で行う治療とリハビリの選択肢
膝の痛みが日常生活に支障をきたすようになってしまっては、自己流の対処は限界があり避けた方が無難です。違和感が出た初期段階から治療を行うのが理想ですが、いずれにしても医療機関での専門的な治療やリハビリが有効です。
医療機関で受けられる治療には大きく2種類あります。ひとつは「保存療法」、もうひとつは「手術療法」で医師の診断にて検討することになります。
保存療法では、ヒアルロン酸注射や鎮痛薬の内服・外用、装具の使用が中心です。関節の動きを助けたり、痛みを和らげることで、日常生活への負担を軽くします。また、理学療法士によるリハビリでは、関節を守る筋肉の強化や可動域の改善を目的とした運動療法が行われます。
進行が進んでいる場合や保存療法で改善が見られない場合には、関節鏡手術や、最終的に人工関節置換術が選択されることもあります。特に、歩行が困難なほどの痛みがあるケースでは、手術によって生活の質が大きく向上することもあります。
ただし、高齢者の場合は体力や合併症などを考慮して慎重な判断が求められます。尚、昨今は、手術や入院が不要な先端治療として「再生医療」という新たな選択肢も生まれています。
- <✅ 医療での治療選択>
- ・保存療法:注射・薬・装具・リハビリ
- ・手術療法:関節鏡・人工関節置換
- ・痛みの程度や生活状況に応じた選択が必要
- ・再生医療という新たな選択肢もある
再生医療による治療は高齢者にも有効か
最近では、変形性膝関節症などに対して従来の治療以外に「再生医療」という新しい選択肢が注目を集めています。では、高齢者にもこの治療法は効果があるのでしょうか。
再生医療とは、体の修復能力を活用して組織の再生を促す治療であり、膝の場合は主に「幹細胞治療」や「PRP療法(自己血由来の成分を使う治療)」が実際に行われています。これらは、関節の炎症を抑えたり、軟骨の保護・修復をサポートすることを目的としている新ジャンルの治療法です。
手術を行わないため、身体に優しい治療法として高齢者でも適応できるケースが多く、「手術は避けたいが、現状より少しでも楽に生活したい」「既往症の関係や、年齢的に手術が難しい」という方にとっては大きな可能性を秘めています。特に、薬が効かない・ヒアルロン酸注射を繰り返しているといったケースでは、切らずに治療が可能な再生医療が選択肢となる場合があります。
ただし、公的保険の対象外である点には注意が必要です。また、再生医療は、医療機関医よって差異があります。それぞれ特徴や、ノウハウ、治療実績やフォロー体制を確認しておくことが大切です。
当院は、日本でもトップクラスの再生医療専門クリニックです。お問い合わせ、事前のご相談は無料です。ご遠慮なくお問合せください。
- <✅ 再生医療の特徴と注意点>
- ・膝の自然治癒力を引き出す新しい治療法
- ・高齢者にも対応可能なケースが多い
- ・治療は公的保険適用外
- ・再生医療はクリニックにより差異がある
膝の痛み 高齢者の生活を守る予防法
膝の痛みが進行してしまう前に、日常生活の中で予防につながる習慣を取り入れることが非常に大切です。特に高齢者は、少しの意識で関節の健康を守ることができます。
まず意識したいのは「体重管理」です。膝には体重の約3倍の負荷がかかるといわれており、わずかな体重増加が膝への負担を大きくします。食生活の見直しや、無理のないウォーキングなどを取り入れることが予防に役立ちます。
次に、「関節周囲の筋力を保つこと」です。太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)が弱ると、膝の安定性が低下し痛みの原因になります。椅子に座った状態での足上げや、階段の昇降など、日常動作の中に筋トレ要素を含めるとよいでしょう。
さらに、「膝にやさしい生活環境づくり」も効果的です。クッション性のある靴を履く、床に座るより椅子を使う、寒い季節は関節を冷やさないなど、身体にかかる負担を軽減する工夫が求められます。
- <✅ 膝痛予防の生活習慣>
- ・体重を適正に保つ(肥満を防ぐ)
- ・大腿四頭筋を意識的に鍛える
- ・関節を冷やさず、安定した生活環境を整える
高齢者 膝の痛み 対処法を日常で活かすには
膝の痛みに対する知識や対処法を学んでも、「日常生活でどう活かせばいいのか分からない」という声は多く聞かれます。
そこで大切なのが、「無理なく継続できる方法で生活に取り入れる」ことです。
例えば、朝起きてすぐの動作は膝がこわばりやすいため、急に立ち上がるのではなく、ベッドの上で軽く足首を回すなどの準備運動をしてから動き出すと安心です。
また、掃除や買い物などの日常動作を「運動のチャンス」と捉える意識も効果的です。膝に負担をかけない動作(膝を深く曲げない、ゆっくり動くなど)を心がけることで、関節へのダメージを減らせます。
さらに、食卓の椅子の高さや、靴の履き心地、座る時間の長さなど、「身体がラクになる」環境を少しずつ整えていくことも、対処法を活かすうえで大切なポイントです。
- <✅ 日常で活かす工夫>
- ・朝は膝を慣らしてから立ち上がる
- ・家事や買い物も“膝にやさしい動作”を意識する
- ・椅子や靴など生活環境を見直す
適度な運動と体重管理の重要性
膝の痛み対策として、「安静」が必要な場面は確かにあります。ただし、ずっと動かずにいると筋力が衰え、かえって症状を悪化させることがあります。
だからこそ、適度な運動と体重管理は、膝の健康を守るために欠かせない柱です。
運動といっても、激しいものをする必要はありません。むしろ、太ももやお尻まわりの筋肉をゆっくり動かす軽い体操を毎日数分でも続けることが、膝関節の安定性を高めます。
そしてもう一つ重要なのが、体重コントロールです。体重が1kg増えると、歩行時に膝へは約3kg分の負担がかかるとされています。特にBMI(体格指数)が高めの方は、食生活の見直しが必要です。
運動と食事の両面からアプローチすることで、膝への負担を根本から軽減できます。
- <✅ 押さえておきたいポイント>
- ・運動は無理のない範囲で「継続」が大切
- ・大腿四頭筋や股関節周辺を重点的に動かす
- ・体重管理は膝関節の負担を直接減らす効果あり
入浴や温水運動で膝を労わる習慣
寒さや気温差は、膝の痛みを感じやすくする大きな要因です。
そのため、入浴や温水での運動は、膝のケアにおいてとても有効な手段といえるでしょう。
まず、湯船につかる習慣は血流改善につながります。温まった血液が筋肉や関節に酸素や栄養を運び、疲労物質を流してくれるのです。また、温めることで関節のこわばりがほぐれ、動作がしやすくなる効果も期待できます。
さらに、地域の温水プールなどで行える水中ウォーキングや温水体操は、膝への負荷を軽減しながら運動効果を得られる優れた方法です。水の浮力があることで、膝に体重がかかりにくく、痛みのある方でも取り組みやすいのがメリットです。
ただし、脱水予防や転倒対策などには注意が必要です。高齢者が行う際は、必ず周囲の安全環境を整えてから取り組みましょう。
- <✅ 温熱ケアと温水運動の利点>
- ・入浴で血流が促進され、こわばりがほぐれる
- ・水中運動で膝にやさしく筋力アップが可能
- ・脱水や転倒に注意して無理のない範囲で行う
高齢者 膝の痛み 病院を受診すべきサイン
「まだ我慢できるから…」と受診を先延ばしにしていませんか?
実は、早めの受診が膝の状態悪化を防ぐ最大のカギとなります。
膝の痛みがあっても、日常生活に大きな支障がない場合、医療機関を受診するタイミングを見失いがちです。しかし、以下のような症状がある場合は、早めに整形外科などを受診しましょう。
症状 | 受診の目安 |
---|---|
動作中に膝が引っかかる・抜ける感覚がある | 半月板損傷や不安定性の可能性 |
階段の昇降がつらい | 関節軟骨のすり減りや筋力低下が進行している可能性 |
安静時にも痛みがある | 関節リウマチや骨壊死のリスク |
膝に熱を持って腫れている | 炎症性疾患や感染症など、急を要することも |
また、何度も痛みを繰り返している、薬や注射が効きにくくなってきた、といった状態も受診のサインです。
受診が早ければ早いほど、治療の選択肢も広がり、回復もスムーズになります。膝の痛みを抱えたまま放置せず、信頼できる専門医に相談することが何より大切です。
- <✅ 病院を受診すべき症状>
- ・膝が腫れて熱を持っている
- ・動作時以外にも痛みが続く
- ・歩行に支障をきたすようになってきた
- ・痛みが数週間以上続いている
まとめ:膝の痛みと向き合い、生活の質を守るために
高齢者にとっての膝の痛みは、単なる不調ではなく、生活の自立や行動範囲に直結する大きな問題です。
本記事では、変形性膝関節症や関節リウマチ、骨壊死など高齢者に多い疾患や、突然起こる痛みの原因、そして日常生活でのストレッチや温水運動、体重管理の重要性について解説してきました。
さらに、医療機関での治療やリハビリの選択肢、そして注目されている再生医療の可能性などもご紹介しました。
大切なのは、痛みを我慢せず、早めに対処し、自分に合った方法を見つけて無理なく続けることです。膝の痛みは「年齢のせいだから仕方ない」と諦める必要はありません。
正しい知識と行動で、膝と上手に付き合いながら、これからの生活の質を守っていきましょう。
監修:医療法人香華会 リボーンクリニック大阪院
Q&A|膝の痛み 高齢者
Q1. 高齢者の膝の痛みは年齢のせいで仕方ないのですか?A1.年齢とともに関節や筋肉が衰えることは自然なことですが、「仕方ない」と我慢する必要はありません。変形性膝関節症や関節リウマチなどの疾患が隠れている場合もあるため、正しい診断とケアによって症状の進行を防ぐことが可能です。 Q2. ヒアルロン酸注射は高齢者にも効果がありますか?A2.ヒアルロン酸注射は関節の潤滑を助け、痛みを和らげる効果が期待できます。ただし、効果の持続期間には個人差があり、繰り返し注射が必要になる場合があります。症状の進行度によっては他の治療と併用することが勧められます。< Q3. 膝の痛みにストレッチは逆効果になりませんか?A3. Q4. 再生医療は何歳まで受けられるのですか?A4. Q5. 病院を受診する目安がよく分かりません。A5. |