
変形性膝関節症
リボーンクリニック 大阪院の変形性膝関節症
変形性膝関節症 どんな人に多い?発症の特徴と原因を知る

変形性膝関節症 どんな人に多い?発症の特徴と原因を知る
ご自身や、お近くの方が、膝の違和感や痛みに悩んだりしていて、変形性膝関節症は、どんな人に多いのかと気になられましたか!?
この病気は高齢者に多いと思われがちですが、実は年齢だけが原因ではありません。性別や体型、生活習慣、過去のケガなど、さまざまな要因が関係しています。
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みや腫れを引き起こし、進行すると関節の変形や歩行障害にまでつながる病気です。国内では約3,000万人以上が潜在的に抱えているともいわれており、決して他人事ではありません。
この記事では、「どんな人がなりやすいのか?」という疑問に答えるために、年齢別の傾向、男女差、肥満や筋力低下との関連、さらには遺伝的要因まで幅広く解説していきます。
読み進めていくことで、自分自身や友人、家族のリスクを正しく理解し、予防や早期対策につなげるヒントが得られるはずです。
まずは、変形性膝関節症がどんな人に多くみられるのか、その主な傾向と背景から見ていきましょう。
この記事で分かること
☑ 変形性膝関節症が多く見られる年齢層と発症のピーク
☑ 女性に多い理由とホルモン・筋力との関係
☑ 肥満やO脚・X脚など体型の影響
☑ 運動不足や筋力低下によるリスク
☑ 過去の膝のケガや遺伝的要因との関係
変形性膝関節症はどんな人に多い?主な傾向と背景
変形性膝関節症は、年齢を重ねた中高年層を中心に多くみられる病気です。
特に女性や肥満の方、膝に負担がかかる生活習慣を送っている方に多い傾向があります。
これは、加齢によって関節の軟骨がすり減りやすくなるうえに、体重や日常動作が膝への圧力を強めてしまうためです。
また、もともとの骨格や筋力の弱さ、ホルモンバランスの変化なども関係しています。
例えば、正座やしゃがむ動作が多い和式の生活を続けてきた方、あるいは若い頃に部活や運動で膝を酷使した経験がある方などは、後年になって症状が現れるケースがあります。
近年では、若年層でも肥満や運動不足、遺伝的要因などから発症する例も報告されています。
- ●中高年層での発症が多い
- ●肥満や運動習慣が影響
- ●女性に多く見られる傾向あり
- ●膝への負荷が大きい生活がリスク要因
変形性膝関節症とはどんな病気か
まず、変形性膝関節症とは、膝関節のクッションの役割を果たす膝の「軟骨」がすり減っていくことで、関節に炎症や変形が生じる慢性疾患です。
軟骨には神経がないため、初期段階では強い痛みを感じないこともありますが、進行すると膝の痛み、腫れ、可動域の制限などが目立つようになります。
さらに重度になると、関節に変形が見られるようになり、歩行困難や日常生活への支障をきたすケースもあります。
進行のスピードは人によって異なりますが、少しずつ悪化していく進行性であることが特徴です。
このことからも、「年のせい」と思って放置せず、進行が進む前、早めの対処が求められます。
- ●軟骨のすり減りにより関節が変形する
- ●痛みや腫れが徐々に強くなる
- ●進行すると歩行困難になることも
- ●早期の診断と対策が大切
変形性膝関節症の患者数と年齢別の傾向
日本における変形性膝関節症の潜在患者は約3000万人以上と推定されており、そのうち実際に自覚症状のある人は800万人以上といわれています。
とくに多くみられるのが、50歳以降の年代です。加齢とともに関節の軟骨や筋肉が衰えやすくなるため、膝への負担が蓄積されて発症リスクが高まります。
70代以降になると、有病率はさらに上昇し、日常的に痛みを抱える方も珍しくありません。
一方で、最近では40代から発症する人も増加傾向にあり、働き盛りの世代にも注意が必要です。
これは生活習慣や体重の増加、運動不足などが背景にあると考えられています。
年代別の発症傾向(推定患者数・有病率)
年齢層 | 有病率の目安 | 特徴 |
---|---|---|
40代 | 約10〜15% | 初期症状が始まることがあるが自覚しにくい |
50代 | 約20〜30% | 違和感や膝のこわばりが出始める人が増加 |
60代 | 約40%以上 | 本格的な症状が表れやすく、受診者も増加 |
70代以上 | 約50〜70% | 歩行障害やQOL(生活の質)への影響が顕著に |
✅ データからもわかるように、変形性膝関節症は加齢に伴って発症率が右肩上がりに増えていく特徴があります。
● 60代以降に急増する傾向がある
● 女性の有病率は男性の約2倍
● 自覚症状のない潜在患者も多く存在します
✅ 今は症状が出ていなくても、40代以降の方は膝の状態を意識し、定期的なチェックや予防的な筋トレ、体重管理などの予防する意識を持つことが大切です。
●50代以降に多く発症する
●70代以上で有病率が急上昇
●潜在的な患者は3000万人以上
●40代からの予防が鍵になる
変形性膝関節症の男女差と女性に多い理由
変形性膝関節症は、男性よりも女性に多く発症するといわれています。
この背景には、骨格や筋肉量の違い、女性ホルモンの変化など、さまざまな要因があります。
特に閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少します。
エストロゲンには関節の炎症を抑える働きがあるため、その減少により膝関節の状態が悪化しやすくなるのです。
さらに、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、関節を支える力が弱くなりがちです。
そのうえ、和式の生活やヒールの高い靴など、膝に負担をかける生活習慣が重なると、発症リスクが高まります。
年齢層 | 男性の有病率 | 女性の有病率 |
---|---|---|
40代 | 約10% | 約15% |
50代 | 約20% | 約35% |
60代 | 約30% | 約55% |
70代 | 約40% | 約65% |
80代〜 | 約50% | 約70% |
- ●女性ホルモンの減少が関与
- ●筋肉量が少なく膝が不安定になりやすい
- ●生活習慣に起因する負荷が重なりやすい
- ●男性より女性の方が発症率が高い傾向
変形性膝関節症の平均年齢と発症ピーク
変形性膝関節症が最も多く見られるのは、60歳代から70歳代にかけての年齢層です。
実際の平均発症年齢はおよそ65歳前後とされており、多くの方が高齢期に入ってから自覚症状を感じ始めます。
この年代になると、長年にわたって膝関節にかかる負荷が蓄積されており、軟骨の摩耗や骨の変形が進みやすくなるためです。
日常の動作でも違和感や痛みを覚えるようになり、症状が進行すると階段の昇降や正座などが困難になる場合もあります。
もちろん、発症年齢には個人差がありますが、統計的に見ると60代後半が最も多く、ここがひとつのピークと言えるでしょう。
- ●平均発症年齢は約65歳前後
- ●60代〜70代が発症のピーク
- ●膝への長年の負荷が蓄積されやすい
若年層にもみられる変形性膝関節症の例
ここまで一見すると高齢者の病気と思われがちな変形性膝関節症ですが、近年では30代〜40代の若年層でも発症する例が増えています。
その背景には、スポーツによる膝の酷使、過去のケガの後遺症、あるいは急激な体重増加などに原因があるようです。
特に、若い頃に膝の靭帯や半月板を損傷した経験のある方は、関節のバランスが崩れやすく、軟骨への負荷が不均等にかかることが影響しています。
また、最近では子供のころから屋外での活動からゲームを中心とした動きに乏しい室内での活動に生活がシフトしていること、PCなどを用いたデスクワーク中心の生活による筋力低下や運動不足も要因として挙げられる点が特徴的です。
こうした生活環境の変化が、若年層の膝関節へのダメージを進行させる要因となっているといわれています。
- ●30代〜40代でも発症例がある
- ●過去の膝のケガやスポーツ歴が影響
- ●筋力低下や運動不足も要因になる
- ●生活スタイルの変化
変形性膝関節症になりやすい人の特徴とは
変形性膝関節症になりやすい人には、いくつか共通した特徴があります。
特に注意すべきは「加齢・肥満・膝に負担がかかる生活習慣」の3点です。
まず、加齢によって軟骨の再生力が落ち、すり減りやすくなります。
次に、体重が重いと膝への負荷が常に大きくなり、関節の摩耗を早める原因になります。
さらに、膝をよく使う職業や、日常的に正座やしゃがむ動作が多い人は、関節にかかるストレスが強くなる傾向があります。
こうした特徴に該当する方は、予防や早期ケアを意識することで進行を抑えることが可能です。以下のチェックリストでリスクを感じてみませんか?
✅ 変形性膝関節症になりやすい人|セルフチェックリスト以下の項目に複数当てはまる場合は、変形性膝関節症のリスクが高まっている可能性があります。 * □ 50歳以上である
✔ チェックの数が多いほど注意が必要です。 |
●加齢による軟骨のすり減り
●肥満による膝への過負荷
●膝へのストレスが多い生活習慣
加齢との関係|なぜ年齢とともに増えるのか
年齢を重ねるごとに、変形性膝関節症のリスクは高まっていきます。
これは、関節軟骨や周囲の組織が年齢とともに変化し、耐久性が落ちるためです。
軟骨は再生能力が限られており、40代を過ぎたあたりから次第に摩耗が進みやすくなります。
また、関節を支える筋肉や靭帯も加齢とともに衰え、膝関節が不安定になることがさらなる負担につながります。
加えて、加齢に伴うホルモンバランスの変化や血流の悪化も、軟骨の代謝に悪影響を与える要素です。いずれにしても、年齢と膝の健康は深く関係しており、意識的な予防策が必要です。
中高年以降のマラソンやジョギング、山登りなどは、ある程度のリスクがあることを認識し、準備運動やクールダウンのためのストレッチなどを入念に行いましょう。また、膝に違和感を感じたら迷うことなく、早めに整形外科を受診するなど、リスク管理に敏感になりましょう。
- ●加齢で軟骨の再生能力が低下する
- ●筋力低下や関節の不安定化が進む
- ●血流・ホルモンの変化も悪化要因
- ●スポーツ前後のストレッチなどを意識的に行う
- ●中高年以降はリスク管理の意識を持つ
肥満との関係|体重が膝に与える影響
体重が増えると、それに比例して膝関節にかかる負担も大きくなります。
変形性膝関節症のリスクを高める要因のひとつが「肥満」です。
立っているだけでも体重の約2〜3倍の負荷が膝にかかるとされており、歩行や階段の昇降時にはさらにその負荷が増します。
体重が10kg増えるだけでも、膝の負担は数倍にもなるため、膝の軟骨が摩耗しやすくなるのです。
例えば、BMIが25を超えるような肥満体型の方は、正常体重の方と比べて変形性膝関節症の発症リスクが格段に高まります。
体重を少し減らすだけでも膝の負荷は軽くなるため、減量は予防・改善の基本といえます。
肥満度BMI (Body Mass Index) | 体重 | 歩行時の膝への負荷 | 補足テキスト |
---|---|---|---|
痩せ型(BMI 20) | 50kg | 約150kg(3倍) | 正常体重。膝の負担少ない |
普通体型(BMI 23) | 60kg | 約180kg | 日常生活に支障なし |
肥満体型(BMI 27) | 70kg | 約210kg | 膝の負担が徐々に蓄積 |
高度肥満(BMI 30以上) | 80kg | 約240kg | 軟骨摩耗が加速しやすい |
歩く・階段を昇る・立ち上がるといった日常動作では、体重の約3〜4倍の負荷が膝関節にかかるといわれています。
たとえば体重が10kg増えると、膝には+30kg以上の圧力が常にかかる計算になります。
そのため、肥満は変形性膝関節症の最大の危険因子の一つとされています。
- ●体重増加で膝の負担が増大
- ●わずかな減量でも膝の負担は軽減される
- ●肥満は進行のスピードも早める
- ●膝が不安な場合は、自己管理を徹底しましょう
O脚・X脚の人は要注意
O脚やX脚など、足の骨格に偏りがある人は、変形性膝関節症のリスクが高い傾向にあります。
というのも、本来であれば膝関節にかかる体重は均等に分散されるべきですが、O脚では膝の内側に、X脚では外側に偏って圧力がかかるため、軟骨が一部に集中して摩耗してしまうのです。
このアンバランスが続くと、骨の変形や炎症が進行しやすくなります。
日常生活ではあまり意識しない骨格のクセですが、長年積み重なることで関節の形状に大きな影響を及ぼします。
早い段階での歩行指導やインソールによる調整など、負担を軽減する対策が重要です。
- ●O脚は膝の内側、X脚は外側に負荷が集中
- ●骨格の歪みは軟骨の摩耗を加速させる
- ●早めの調整で進行を遅らせることができる
運動不足や筋力低下によるリスク
日常的に体を動かす機会が少ない人ほど、変形性膝関節症の発症リスクが高まる傾向にあります。
運動不足は、関節を支える太もも周辺の筋力(特に大腿四頭筋)を低下させ、膝への衝撃をダイレクトに受けやすくしてしまいます。
また、関節の可動域が狭くなり、柔軟性が失われることで、膝の動きがぎこちなくなり、関節の負担が増大します。
反対に、適度な運動を続けている人は、筋肉が膝をしっかりサポートするため、関節の摩耗を防ぎやすくなります。
無理のない範囲で、ストレッチや軽いスクワットなどを習慣に取り入れることが大切です。膝に負担をかけない範囲でもスポーツやジムに通うなどの定期的に運動を生活に取り入れましょう。
- ●筋力低下により膝への衝撃が増える
- ●運動習慣がある人は予防しやすい
- ●継続的な筋トレや柔軟体操が効果的
膝に負担をかける仕事やスポーツ歴のある人
長年にわたり膝を酷使するような仕事やスポーツに従事してきた方も、変形性膝関節症を発症しやすい傾向があるため注意が必要です。
建設業や農作業、介護職など、しゃがむ・立ち上がる・重いものを運ぶ動作が多い仕事では、膝関節に反復的なストレスがかかりやすくなります。
また、バレーボールやサッカー、柔道などジャンプや急な方向転換が多いスポーツも、膝の靭帯や軟骨に大きな負担を与えます。
若い頃は症状が出なくても、引退後や中高年以降に関節の変形や痛みが顕在化するケースが少なくありません。
これまでの経験を振り返り、早めのケアや定期的なチェックを行うことが勧められます。
- ●肉体労働や介護職などで膝に負担がかかる
- ●ジャンプや衝撃が多いスポーツ歴も要注意
- ●退職後や中年以降に症状が出やすい傾向あり
過去に膝をケガしたことがある人
膝の靭帯損傷や半月板損傷など、過去に膝関節をケガした経験がある方は、変形性膝関節症のリスクが高いといわれています。
ケガの直後は回復していたとしても、関節内部では軟骨や骨のわずかな損傷が残っている場合があります。これが長年にわたって蓄積され、関節の動きにわずかなズレが生じることで、軟骨への摩耗が進行しやすくなるのです。
たとえば、スポーツで前十字靭帯を損傷した後に復帰した場合でも、関節の安定性が損なわれていると、膝への偏った負荷が生じやすくなります。
このような影響は、数年後、あるいは中高年になってから現れることも珍しくありません。
- ●過去のケガが関節の安定性に影響
- ●摩耗が進行しやすく、変形を引き起こす
- ●若い頃のスポーツ歴との関連も強い
遺伝的要因と家族歴の影響
変形性膝関節症は、遺伝的な体質や骨格の特徴とも関係しているとされています。
つまり、家族にこの病気の方がいる場合、同様に発症する可能性が高くなる可能性があるということです。
これは、関節の形状や軟骨の質、ホルモンバランスの傾向など、生まれ持った身体的特性が似ているためです。
また、生活環境や食習慣も家族間で似通っていることが多く、それらも発症に影響を与えると考えられています。
ただし、遺伝がすべてではありません。
予防や早期対策によって進行を抑えることは十分可能です。
「家族に多いから…」と不安に感じる場合は、日ごろから意識して体重管理や、スポーツなど生活習慣の見直してみませんか。予防によってリスクを下げることが可能です。
- ●骨格や軟骨の質は遺伝の影響を受ける
- ●家族に患者がいる場合は注意が必要
- ●予防によってリスクは下げられる
女性に多い理由|ホルモンや筋肉量との関係
変形性膝関節症は、統計的にみても女性に多く見られる疾患です。
これは、女性特有のホルモン変化や筋肉量の差が影響しているとされています。
特に更年期を迎えると、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に低下します。
エストロゲンには軟骨の維持や炎症抑制の働きがあるため、その減少によって関節の変性が進みやすくなるのです。
また、女性は男性より筋力が少ない傾向にあり、特に膝関節を支える太ももの筋肉(大腿四頭筋)が弱いと、関節への負担が直接的になります。
この二重の影響により、女性は男性よりも早い段階で、また強い症状を感じやすいのです。
以下に示した表からも分かる通り、各年代ともに女性の有病率が男性より高い傾向があります。特に閉経期以降の女性(50代〜)で急増します。
女性の方が骨や筋肉が少なく、関節への負担が増えやすいことが一因と考えられています。
また、各年代ともに女性の有病率が男性より高い傾向があるのが見て取れます。特に閉経期以降の女性(50代〜)で急増しているのがはっきり分かります。
女性の方が骨や筋肉が少なく、関節への負担が増えやすいことが一因です。
年齢層 | 男性の有病率 | 女性の有病率 |
---|---|---|
40代 | 約10% | 約15% |
50代 | 約20% | 約35% |
60代 | 約30% | 約55% |
70代 | 約40% | 約65% |
80代〜 | 約50% | 約70% |
女性は閉経後のエストロゲン減少により、軟骨の保護作用が低下します。
また、筋肉量も男性より少ないため、膝関節への直接的な負荷がかかりやすくなります。そのため、同年代でも女性の方が発症しやすい傾向にあります。
和式の生活習慣が与える影響とは
正座・しゃがみ動作・畳での生活など、いわゆる「和式」の生活スタイルは、膝関節に大きな負担をかけるといわれています。床に座る生活では、膝を深く曲げる動作が日常的に求められるため、関節内の軟骨や靭帯に強いストレスがかかります。
また、立ち上がる際には自分の体重を膝で支える動作が必要となり、これも摩耗の一因になります。特に高齢の方にとっては、若い頃から何十年も続けてきた和式の生活が、加齢とともに膝の痛みとして現れることがあります。
このことから、「洋式生活」への切り替えや椅子の使用した、畳生活からの変更を検討することが、膝を守る上での一つの方法です。
生活スタイル | 主な動作 | 膝への負担 | 発症リスクへの影響 | 補足 |
---|---|---|---|---|
和式生活 | 正座・しゃがむ・畳での寝起き | 高い | 軟骨への圧迫が強く、進行リスクが高まる | 高齢層に多い生活習慣 |
洋式生活 | 椅子に座る・ベッド使用・テーブル食事 | 低い | 膝の深い屈伸が少なく、負担が軽減される | 現在推奨されるスタイル |
- ● 和式生活は膝の曲げ伸ばしが深く、特に膝蓋骨や内側軟骨に強い負荷がかかる
- ● 洋式生活では膝関節の可動域が過度に求められず、負担が少ない
- ● 変形性膝関節症のリスクを減らすには、洋式への移行が効果的
まとめ|自分に当てはまるかを早めに確認しましょう
変形性膝関節症は、加齢に伴って増える病気という印象が強いかもしれませんが、それだけではありません。実際には、肥満体型の方やO脚・X脚の人、筋力が低下している方、膝に負担をかける生活習慣がある人など、多くの要因が重なってリスクが高まることがわかっています。
特に、女性ホルモンの変化や筋肉量の差が影響するため、中高年の女性に多く見られるのも特徴です。また、過去の膝のケガや**家族歴(遺伝的な傾向)**を持つ方も、注意が必要です。
「自分はまだ大丈夫」と感じていても、日常の生活習慣が膝に知らず知らずのうちに負担をかけている可能性があります。
早期から膝への負担を減らす工夫や、筋力を維持する習慣を意識することで、将来的な発症リスクを下げることができます。
膝の痛みや違和感が気になり始めたら、一度専門医の診断を受けてみることをおすすめします。
変形性膝関節症は早期発見・早期対策が何よりも大切です。
監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪
Q1. 若くても変形性膝関節症になることはありますか?A. はい、あります。 Q2. 女性に多いのはなぜですか?A. 女性ホルモンの変化や筋力の差が影響しているからです。 Q3. O脚やX脚の人は必ず発症するのですか?A. 必ずではありませんが、リスクは高くなります。 Q4. 親が変形性膝関節症ですが、自分もなりますか?A. 遺伝的な要因や生活習慣の共通性から、発症リスクは高くなります。 Q5. 予防のためにできることはありますか?A. あります。 |
– 出典
- 日本国内の患者数と有病率(ROAD調査)
・60歳以上の日本人を対象とした研究で、男性の47.0%、女性の70.2%に変形性膝関節症(KLグレード2以上)
ガイドラインPDF
PubMed。
・40歳以上の潜在的な患者数は約2,530万人、そのうち自覚症状のある方は約800万人
厚労省調査PDF。 - 年齢・性別別の有病傾向(国際論文)
・40〜49歳:約8%、50〜59歳:約30%、60歳以上:約61%の有病率が報告され、年齢とともに増加する傾向が確認されています。
PLOS
・女性は男性に比べて有病率が高い傾向があり、性差がリスク因子としてされる。
PLOS、
SpringerLink、
OARSI Journal - 早期OAの危険因子(中年女性を中心とした研究)
・50~59歳の女性では早期OA(変形性膝関節症初期)の有病率が最も高く、主な危険因子として「女性」「加齢」「肥満」「膝外傷歴」が共通しています。
医書.jp - 国内有病率概算(疫学研究)
・日本では超高齢社会の進行に伴い、40歳以上の膝OA(変形性膝関節症)有病者数が約2,500万人に上るとされ、自覚症状を伴う患者数は約800万人と推定されています。
J-STAGE - 早期OAの危険因子(中年女性を中心とした研究)
・50~59歳の女性では早期OA(変形性膝関節症初期)の有病率が最も高く、主な危険因子として「女性」「加齢」「肥満」「膝外傷歴」が共通しています。
医書.jp - 国内有病率概算(疫学研究)
・日本では超高齢社会の進行に伴い、40歳以上の膝OA(変形性膝関節症)有病者数が約2,500万人に上るとされ、自覚症状を伴う患者数は約800万人と推定されています。
J-STAGE - BMIやケガ歴との関連(国際データ)
・肥満(BMIの増加)や膝の過去のケガ(半月板損傷・靭帯損傷)は、変形性膝関節症の発症リスクを大きく高める要因とされる。
高BMIの場合、発症のオッズ比は1.2〜7.9倍にのぼるという報告があり、さらにケガ歴のある人ではより強いリスク上昇が確認。
SpringerLink、
岡山大学論文 - 日本・ROAD研究(2009年)
日本国内で行われた地域コホート研究「ROAD(Research on Osteoarthritis/Osteoporosis Against Disability)」によると、60歳以上を対象とした調査で、変形性膝関節症(KLグレード2以上)の有病率は男性47.0%、女性70.2%にのぼると報告。
また、女性は自覚症状がない場合でも、画像診断では関節の変性が進行しているケースが多く、性別そのものが強いリスク因子となる。
出典:PubMed(PMID:19410032) - ROAD研究の最新10年トレンド(2025年)
2005〜2007年と2015〜2016年の比較により、変形性膝関節症(KLグレード2以上)の有病率は以下の通り低下
・男性:42.0% → 26.9%
・女性:61.5% → 44.9%
一方で、依然として女性の有病率が高く推移していることが確認。
出典:ResearchGate - 岩城コホート研究による早期膝OA(EKOA)調査
KLグレード0–1の早期OAの有病率は以下のとおり
・男性:9.5%
・女性:15.0%(特に50〜59歳女性が最多)
主なリスク因子として、以下がロジスティック回帰
・女性性(OR=2.5)
・BMIの増加(OR=1.2)
・膝のケガ歴(OR=21.7)
出典:PubMed(PMID:31292689) - 国際系メタ解析(中高年対象)
中高年を対象にした複数研究の統合解析(メタ解析)によると、以下の要因が統計的に有意なリスク因子とされる
・年齢(加齢)
・女性性(オッズ比1.04、95%信頼区間1.00–1.09)
・肥満(BMI)
・膝の外傷歴(半月板・靭帯損傷など)
特に「40歳以上の中高年女性」「肥満」「膝のケガ歴」が複合すると、発症リスクは顕著に上昇。
出典:ResearchGate(2019)