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リボーンクリニック 大阪院のひざ関節
膝の痛みと腫れがつらいあなたへ。原因と正しい対処法を徹底解説

膝の痛みと腫れがつらいあなたへ。原因と正しい対処法を徹底解説
「膝が腫れて痛い…」これって放っておいても大丈夫?
こんな不安を抱えて、このページにたどり着かれた方もおられるのではないでしょうか。
膝の痛みや腫れは、年齢に関係なく起こりうる身近なトラブルです。運動後の違和感や、朝起きたときのこわばり、あるいは急に膝がパンパンに腫れるような症状まで、原因や対処法は実に多岐にわたります。
その背景には、加齢やスポーツによる外傷、自己免疫による炎症、さらには感染症や全身疾患などが関与していることもあり、単なる疲労と決めつけてしまうのは危険です。
この記事では、「膝の痛み 腫れ」の原因となる主な疾患から、応急処置、自宅でできるケア方法、そして医療機関を受診すべき症状の見極め方まで、網羅的にわかりやすく解説しています。
不安を抱える方が「何をすべきか」「どう対応すべきか」のヒントを得られるよう、専門的な情報を丁寧に整理しました。
- この記事で分かること
- ・膝の痛みや腫れの主な原因となる疾患
- ・冷やす・温めるの適切な判断基準
- ・応急処置としてのRICE処置の方法
- ・自宅でできるセルフケアと再発予防の工夫
- ・早急に医療機関を受診すべき症状の見極め方
膝の痛み 腫れの原因と考えられる疾患
膝の痛みや腫れにはさまざまな原因がありますが、多くの場合は関節や周辺組織に何らかの異常や炎症が起きていることが関係しています。ここでは代表的な疾患をいくつか紹介し、どのような症状と結びついているのかを整理していきます。
まず、多くの中高年にみられるのが「変形性膝関節症」です。加齢や過度な負荷によって軟骨がすり減り、関節内に炎症が起きることで腫れや痛みが現れます。進行すると膝がO脚気味になったり、階段の昇降が困難になることもあります。
スポーツによる外傷で頻度が高いのは「半月板損傷や靭帯損傷」です。膝が急に腫れた、曲げ伸ばしがしづらい、ガクッと力が抜けるような感覚がある場合はこれらを疑ってよいでしょう。
そのほか、体の免疫機能が関節を攻撃する「関節リウマチ」や、尿酸やカルシウムの結晶が関節内に沈着する「痛風・偽痛風」も、膝に強い痛みと腫れを引き起こす疾患として知られています。
まれではありますが、「感染症(化膿性関節炎・蜂窩織炎)」や、全身性の炎症性疾患である「乾癬性関節炎・ベーチェット病」などが原因となることもあります。これらは適切な診断と治療が遅れると重篤化するリスクがあるため注意が必要です。
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※膝の痛みや腫れは、一時的に治まることもありますが、原因を見極めずに放置してしまうと慢性化や悪化につながる恐れがあります。違和感を感じた時点で、早めに専門医に相談することが大切です。
変形性膝関節症による慢性的な痛みと腫れ
年齢とともに膝が痛んだり腫れたりする場合、もっとも多く見られる原因が「変形性膝関節症」です。これは、中高年に特に多く発症する、膝関節の“軟骨のすり減り”による病気です。
本来、膝関節には軟骨というクッション材のような組織が存在し、骨と骨が直接ぶつかるのを防いでいます。しかしこの軟骨が加齢や使いすぎによってすり減ると、骨同士が接触するようになり、関節内で炎症が起きてしまいます。こうして炎症が広がると、膝関節に熱を持ち、腫れや痛みが徐々に強くなっていきます。
初期には「階段を下りるときだけ痛い」「長く歩いたあとに違和感がある」といった軽い症状から始まることが多く、見過ごされがちです。ところが、放置すると症状は悪化し、やがて膝の可動域が狭くなり、正座やしゃがむ動作が困難になります。さらに進行すると、じっとしていても痛みを感じるようになり、日常生活そのものに支障が出るケースも珍しくありません。
また、変形性膝関節症は女性に多い傾向があり、特にO脚の方は膝の内側に負荷が集中しやすいため、発症リスクが高まります。
症状の進行はゆっくりですが、筋力の低下や体重の増加が引き金になることも多いため、日頃のケアも大切です。
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半月板損傷で膝が腫れる仕組み
膝に鋭い痛みと腫れが同時に起こった場合、「半月板損傷」の可能性があります。これは、スポーツや事故、または加齢によって膝内部の半月板が傷ついた状態です。
半月板とは、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間にあるC型の軟骨で、膝にかかる衝撃を分散させるクッションのような役割を果たしています。この半月板が切れたり裂けたりすると、膝関節内に炎症が起こり、腫れや痛みが生じます。
特に多いのは、スポーツ中に急な方向転換をした際や、ジャンプの着地で膝をひねったとき。損傷直後には「ポキッ」という音がしたり、膝が抜けるような不安定感を感じることもあります。また、損傷した半月板の破片が関節内に挟まると、膝がロックされたように動かなくなる「ロッキング現象」が起きることもあります。
一方で、中高年では“特に大きなケガをしていないのに膝が痛くて腫れる”というケースもあります。これは、加齢により脆くなった半月板が、ちょっとした動作でも裂けてしまう「変性断裂」によるものです。
治療は損傷の程度によって異なり、軽度であれば保存療法(安静やリハビリ)で改善することもありますが、重度の場合には関節鏡を使った手術が必要になることがあります。
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靭帯損傷が引き起こす膝の腫れと不安定感
突然の膝の腫れと「ガクッ」と崩れるような感覚がある場合、靭帯の損傷が起きている可能性があります。これは膝の構造を安定させている主要な靭帯の一部、または複数が傷ついた状態を指します。
膝には4つの大きな靭帯があります。「前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯」です。これらは、前後・左右・ねじれ方向の動きから関節を守る役割を担っており、特にスポーツや転倒時の捻転動作で損傷しやすいとされています。
損傷が起こると、関節内部で出血や炎症が発生し、短時間で膝が大きく腫れあがります。さらに、関節を支える靭帯が不安定になることで、歩行時に「膝が抜ける」「踏ん張りがきかない」などの症状が現れるのが特徴です。
このような損傷は、単に「ねんざ」と勘違いされがちですが、適切に処置しなければ慢性的な不安定感が残り、将来的に変形性膝関節症へ進行することもあるため注意が必要です。
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関節リウマチの炎症で膝が腫れる場合
「関節リウマチ」は、自己免疫が関節を攻撃することで炎症を引き起こす病気です。その炎症が膝関節に及ぶと、腫れや熱感、関節のこわばりなどの症状が現れることがあります。
この病気の本質は「免疫の誤作動」です。身体を守るはずの免疫が、自分自身の関節を敵とみなしてしまい、滑膜と呼ばれる関節の内側を攻撃してしまうのです。その結果、滑膜が腫れあがり、関節液が過剰に分泌され、膝に水が溜まりやすくなります。
膝にリウマチが出ると、痛みだけでなく朝のこわばりや倦怠感も伴うことが多く、「なんとなく膝が重い」と感じる日が続くのが特徴です。また、指や手首など複数の関節でも同時に症状が出るケースが多く、左右対称に現れることもあります。
関節リウマチは進行性の病気のため、放置すると関節破壊が進み、膝が変形したり歩行が困難になったりする可能性があります。症状が軽くても、早めの受診と診断が非常に大切です。
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痛風・偽痛風による膝の激痛と発赤
「突然、膝が赤く腫れて激痛に襲われた」──その症状は「痛風や偽痛風」の可能性があります。どちらも関節内に結晶がたまることで強い炎症を引き起こす病気です。
痛風は、体内でプリン体が分解された際にできる「尿酸」が血中に増えすぎることで、結晶となって関節に沈着し、白血球がそれを攻撃することで発作が起こります。典型的には足の親指の付け根が腫れる病気として知られていますが、実際には膝関節にもよく起こります。
一方で、偽痛風は尿酸ではなく「ピロリン酸カルシウム」の結晶が原因です。特に高齢者に多く、前触れなく膝が腫れあがり、熱を持ち、強い痛みを感じるのが特徴です。痛風と違って膝関節での発症が非常に多く、数日間動けないほどの痛みに悩まされることもあります。
どちらの疾患も、炎症を鎮める消炎鎮痛剤の使用と、発作時の安静が必要です。根本的な原因を改善するには、尿酸値やカルシウム代謝をコントロールする生活習慣の見直しも欠かせません。
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化膿性関節炎や蜂窩織炎など感染症の影響
膝の腫れが急激に起こり、強い熱感や発熱、赤みを伴う場合は、「感染症による炎症」が原因の可能性があります。特に注意したいのが「化膿性関節炎」と「蜂窩織炎」です。
化膿性関節炎は、膝の関節内に細菌(主に黄色ブドウ球菌など)が侵入し、関節が化膿する疾患です。関節注射や手術後、傷口からの感染、虫歯菌の血流感染などが原因になります。特徴的なのは、膝関節の広い範囲にわたって強い腫れが見られ、激しい痛みや発熱、膿のような関節液がたまるケースもあることです。放置すれば、関節の変形や破壊が進み、関節機能を大きく損なうこともあります。
一方で蜂窩織炎は、皮膚や皮下組織に細菌が感染して広がる疾患で、膝周囲が赤く腫れ上がるのが特徴です。膝を直接打った覚えがなくても、免疫力が低下している人や糖尿病のある方に多くみられます。膝の皮膚が熱を持ち、押すと強く痛むことがあります。
どちらも一刻を争う疾患であり、自力での対応は極めて危険です。早期の抗生物質投与が鍵となるため、疑いがある場合は迷わず医療機関を受診してください。
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ベーチェット病や乾癬性関節炎の可能性
膝の腫れが慢性的で、他の部位にも症状がある場合は、膠原病の一種である「ベーチェット病」や「乾癬性関節炎」などの全身性疾患も視野に入れたほうがよいでしょう。
まず、ベーチェット病は原因不明の炎症性疾患で、膝や足の関節に痛みや腫れを起こすほか、**口内炎・陰部潰瘍・皮膚の赤いしこり・ぶどう膜炎(目の炎症)**など、全身の複数箇所に症状が出ます。特に30歳前後の男性に発症が多く、「膝の痛みだけでなく、他の部位にも異変がある」と感じた場合は、膠原病内科での診断が必要です。
また、乾癬性関節炎は、乾癬(かんせん)という皮膚疾患に伴って関節が腫れる病気です。膝に炎症が出るほか、頭皮やひじ・ひざ・お尻などに赤いカサカサした皮膚症状、爪の変形などが見られる場合は要注意です。血液検査ではリウマチ因子が陰性であっても、関節エコーや皮膚症状の観察で診断されることがあります。
これらの疾患は長期的な治療が必要となりますが、適切な薬剤(生物学的製剤など)によって、関節症状の進行を食い止めることが可能です。
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膝裏リンパの詰まりと腫れの関係
膝の裏側がぷっくりと膨れているような腫れ方をしていて、痛みよりも違和感やしびれを感じる場合、「リンパの詰まり」が原因であることがあります。これは病気というよりも循環障害による生理的変化に近い状態です。
膝の裏にはリンパ節が存在しており、老廃物や余分な水分を体外へ流す通路の役割を担っています。ところが、運動不足や冷え、ストレスによってリンパの流れが滞ると、老廃物がスムーズに排出されず、むくみや腫れを引き起こすことがあるのです。膝裏の「詰まる感じ」「重だるさ」「動かしにくさ」は、こうしたリンパ循環の乱れによって生じます。
このような場合、強い痛みがないのが特徴です。押してみると柔らかく、ぶよぶよとした質感を持っていることもあります。ただし、膝裏が極端に腫れ、膝の曲げ伸ばしに影響を与える場合は、「ベーカー嚢腫(のうしゅ)」と呼ばれる滑液の袋が腫れる病態の可能性もあり、医師の判断が必要です。
自宅でのケアとしては、軽いストレッチや膝裏を温めること、優しいリンパマッサージが効果的とされています。ただし、強く揉むのは逆効果になる場合もあるため注意しましょう。
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小児・思春期に多いオスグッドの特徴
成長期のお子さんが膝の前側を痛がり、腫れが出ている場合は「オスグッド病」の可能性があります。これは、小学校高学年から中学生にかけての男子に多く見られる、スポーツ障害の一種です。
オスグッド病は、脛骨(すねの骨)の上部にある「脛骨結節」という部位に炎症が起きることで発症します。ここは太ももの筋肉とつながっているため、ジャンプやダッシュの動作が繰り返されると、骨が引っ張られるように刺激され、炎症を起こします。
痛みは運動時に強くなり、場合によっては膝を地面につけることすら難しくなります。見た目では、膝のお皿の下あたりがぽこっと腫れていたり、触れると熱を帯びているように感じることもあるでしょう。
また、成長期の骨はまだ柔らかく、筋肉とのバランスが取りづらいため、急激に運動量が増えると負荷に耐えきれず発症しやすくなります。特にサッカー・バレー・バスケットボールなど、ジャンプやキックの多い競技に取り組んでいる子に多い傾向があります。
悪化を防ぐためには、運動の量や質を調整しながら、必要に応じて休息をとることが大切です。
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膝の痛み 腫れを感じたときの対処と治療法
膝に腫れや痛みを感じたとき、自己判断で動いてしまうと状態が悪化してしまう恐れがあります。まずは原因を見極めること、そして症状の進行を防ぐための適切な対応が求められます。
一般的な対処法としては、安静・冷却・圧迫・挙上を基本とする「RICE処置」が有効です。炎症を抑え、腫れを軽減するためには、患部を動かさず、冷やし、必要に応じて包帯などで固定しながら、脚を心臓より高い位置に保つようにします。
ただし、痛風や関節リウマチ、感染症が原因である場合、単なる応急処置では不十分です。たとえば痛風では冷却が逆効果になることがあるなど、状況に応じて適切な対応は変わってきます。そのため、腫れや痛みが数日以上続く、あるいは歩行困難なほどの強い痛みがある場合は、整形外科など医療機関の診断を受けることが必要です。
病院では、X線・MRI・血液検査などを通じて原因を明らかにし、消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射、物理療法、あるいは再生医療や手術といった適切な治療が選択されます。
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応急処置に効果的なRICE処置とは
応急処置に効果的なRICE処置とは
膝が急に腫れて痛む場合、まず試したいのが「RICE処置」です。これは「Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)」の4つの基本を押さえた、スポーツ現場などで広く用いられている応急処置の方法です。
例えば、転倒や捻挫などで膝を強打した直後、「冷やせば大丈夫かな」と思うかもしれません。しかしRICE処置は、単に冷やすだけではなく、炎症の広がりや腫れの悪化を防ぐための包括的なケアになります。
まずRest(安静)は、無理に膝を動かさず、炎症が広がるのを防ぎます。Ice(冷却)は、炎症による熱感と痛みを抑えるため、15〜20分ほどを目安に氷や冷却パックをタオル越しにあてます。Compression(圧迫)は、弾性包帯などを用いて腫れの拡大を防ぎますが、きつく巻きすぎないよう注意が必要です。そしてElevation(挙上)は、膝を心臓より高く保つことで、余分な体液の滞留を防ぎ、腫れの軽減に役立ちます。
ただし、すべての症状にRICE処置が適しているとは限らないため、異常が続く場合は早めに医療機関で診てもらうことが大切です。
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冷やす?温める?症状別の使い分け
膝が痛い、腫れている…そんなとき「冷やすべきか?温めるべきか?」は多くの人が悩むポイントです。実は、どちらが適切かは“膝の状態”によって異なります。
基本的には、急性期(ケガ直後や強い炎症があるとき)には冷やす、慢性的な痛みやこわばりがあるときには温めるのが原則です。
例えば、転倒やスポーツによる打撲・捻挫などで膝が急に腫れた場合、まずはアイシングが効果的です。炎症による腫れ・熱感・痛みを抑えるために、氷や保冷材をタオル越しに10〜20分あてて冷却します。ただし、凍傷のリスクを避けるため、直接肌に触れないよう注意しましょう。
一方で、関節のこわばりや慢性的なだるさがある場合、温熱が血流を促進し、筋肉や関節の柔軟性を高めます。これは変形性膝関節症のような、日常動作で膝に負担がかかる疾患に多く、朝起きたときや運動前に軽く温めることで動きやすくなる方も多く見られます。
ただし、自己判断で対応して症状が悪化するケースもあります。特に「痛みが強いのに温めた」「腫れているのに入浴で悪化した」という事例は少なくありません。
状態 | 対応 |
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急な痛み・腫れ | 冷やす(急性期) |
長引くこわばり・鈍痛 | 温める(慢性期) |
熱感・炎症が強い | 冷やす |
動かしにくいが熱はない | 温める |
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膝に水がたまったときの注意点と処置法
「膝に水がたまっている」と言われたら、多くの方は不安を感じるのではないでしょうか。医学的にはこれは「関節水腫」と呼ばれ、関節内に炎症が起きて余分な関節液が産生されている状態です。
この水は、体が関節を守るために作り出しているもので、単なる“悪いもの”ではありません。ただし、その原因を取り除かずに放置すれば、抜いたとしても水がたまり続けたり、膝の腫れが慢性化したりする恐れがあります。
原因はさまざまで、変形性膝関節症、半月板損傷、リウマチ、偽痛風、感染症など、いずれも関節内に炎症を起こす疾患が背景にあります。関節水腫そのものを注射器で抜く処置(関節穿刺)も行われますが、水を抜くだけでは根本治療にはなりません。
また、「水を抜くとクセになる」という声もありますが、これは医学的根拠がありません。重要なのは、なぜ水がたまったのか、その原因疾患を明確にして治療することです。炎症が治まれば自然と水も減っていくため、焦って抜くことよりも、原因にアプローチする治療が優先されます。
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整形外科での検査・診断の流れ
膝の痛みや腫れが数日経っても改善しない、または悪化している場合は、整形外科での診察を受けることが推奨されます。ここでは、診察時の一般的な流れをご紹介します。
まずは問診です。ここでは「いつから痛いのか」「どの動作で痛むのか」「過去にケガや持病はあるか」などを詳しく尋ねられます。その内容が、次の検査の選定に大きく関わってきます。
続いて触診・視診が行われ、腫れの程度や熱感、関節の動きなどが評価されます。場合によっては膝を曲げ伸ばしして「どこで痛むのか」や「関節の可動域」が確認されます。
その後、レントゲン検査で骨の形や関節の隙間をチェックし、変形や骨折の有無が確認されます。必要に応じて、MRI(靭帯や半月板の損傷確認)や超音波検査(関節内の水や滑膜の状態の確認)など、より詳細な検査が追加されることもあります。
最終的に、原因疾患が特定されたうえで、薬物療法・リハビリ・注射・手術などの治療方針が提案されます。診断が確定することで、適切な治療がスタートできるため、早めの受診が回復の近道です。
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自宅でできるセルフケアと再発予防のポイント
膝の痛みや腫れは一度治っても、再び悪化することが少なくありません。そこで重要なのが、自宅でできる日常的なケアと再発予防の工夫です。
まず、自宅で取り組める基本的なケアには、冷却や温熱の使い分け、軽いストレッチ、体重管理などがあります。腫れが残っている時期には、前述のRICE処置が基本ですが、痛みが引いてきた後は関節の柔軟性を高めるために太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)を無理なく鍛える運動が効果的です。
例えば、椅子に座って膝をゆっくり伸ばす「膝伸展運動」や、タオルを使ったストレッチは自宅でも簡単にできます。これらの運動は、筋力を補い膝への負担を軽減することで、再発の予防につながります。
また、日常の中で「正座を避ける」「急な階段の昇降を控える」「冷え対策をする」といった小さな工夫も、膝を守るためには重要です。肥満傾向にある場合は、膝への負担が大きくなるため、体重を数kg落とすだけでも症状が大きく改善するケースがあります。
ただし、無理な運動や誤ったフォームは逆効果になるため、少しでも違和感を感じたら一度中止し、必要に応じて医師や理学療法士に相談するようにしましょう。
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すぐに受診すべき危険な膝の腫れとは
膝の腫れには自然に回復するものもありますが、放置してはいけない“危険な腫れ”も存在します。特に次のような症状がある場合は、できるだけ早く整形外科や救急外来を受診するべきです。
まず注意すべきは、膝の腫れに強い熱感や発熱を伴うケースです。これは、化膿性関節炎や蜂窩織炎といった感染症が疑われるサインで、進行すると関節や骨が破壊される恐れがあります。
また、急に膝が赤く腫れて、激痛が生じた場合も危険信号です。痛風や偽痛風といった代謝性疾患の可能性があり、放置すると他の関節や腎臓にも影響を及ぼします。夜間や早朝に突然発症するのが特徴です。
さらに、膝がぶよぶよと腫れて動かせない、足の感覚が鈍い、膝が曲がらないなどの神経・血管圧迫の兆候がある場合も、一刻を争う状況です。これはベーカー嚢腫の破裂や大量の関節液貯留などによって起こることがあります。
高齢者や免疫が低下している方、糖尿病を抱えている方では、軽い症状が一気に重症化することもあるため、軽視は禁物です。
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まとめ・膝の痛みと腫れがつらいあなたへ。原因と正しい対処法を徹底解説
膝の痛みや腫れは、多くの場合で「何らかの炎症や構造的な異常」が関係しています。変形性膝関節症や半月板損傷のような整形外科的疾患だけでなく、痛風・関節リウマチ・感染症・膠原病など、幅広い疾患が原因となり得ます。
適切な応急処置や日常的なセルフケアも重要ですが、それ以上に「正確な診断を受けること」が再発予防と回復の鍵です。膝の腫れや痛みが長引いたり、動かせないほどの強い症状がある場合には、自己判断を避け、早めに整形外科を受診してください。
膝は、日々の生活を支える大切な関節です。だからこそ、違和感を軽く見ずに、体からのサインとして受け止め、正しい対応を心がけましょう。
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監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪院
|Q&A 膝の痛み 腫れQ1. 膝の痛みと腫れは、どのような病気が原因ですか?A. Q2. 急に膝が腫れて痛みが出た場合、まず何をすべきですか?A. Q3. 膝が腫れたときは冷やす?温める?どう使い分けるの?A.RICE処置 Q4. 膝が腫れていても、自己判断で様子を見てもいいのでしょうか?A. Q5. 自宅でできる膝のセルフケアにはどんな方法がありますか?A. Q6. 膝に水がたまるのはどうしてですか?抜いた方がいいの?A. Q7. どの診療科にかかればよいですか?A. |