
コラム
リボーンクリニック 大阪院のコラム
実際の幹細胞治療の流れ?|痛みや効果について解説
幹細胞治療の流れ?|痛みや効果を解説
再生医療における「幹細胞治療」という言葉を聞いたことがあっても、実際にどのように行われるのかは、あまり知られていません。
・「注射だけって聞いたけど本当?」
・「痛みはあるの?」
・「どんな効果が期待できるの?」
——幹細胞治療に興味を持ちつつも、情報不足で不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際の幹細胞治療がどのような流れで進んでいくのかを、できるだけわかりやすく、段階ごとにご紹介していきます。治療前の準備から、幹細胞の採取、培養、投与、そして治療後のケアまで、一般の方に向けて分かりやすく読める内容にしています。ぜひ最後までお読みください。
幹細胞治療とは?簡単におさらい
幹細胞治療とは、私たちの体の中にある「間葉系幹細胞(MSC)」」という自己複製能、分化能を持つ体性細胞を活用して、関節をはじめとして、傷んだ組織や臓器を修復・再生する治療法です。当院の場合はご自身の脂肪から幹細胞を抽出し、それを培養して数千万~数億にまで増やしたうえで、体内に戻します。
再生医療の一種として、変形性ひざ関節症、脊髄損傷や脳卒中後の後遺症、糖尿病、肝疾患、美容医療など、さまざまな分野で応用することができます。
間葉系幹細胞(MSC)の特長 | |
自己複製能 |
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分化能 |
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幹細胞治療の基本的な流れ
前提条件
まず前提として、一番に大切なのは「再生医療専門のクリニック」でカウンセリングをお受けになることです。
再生医療は、新しい医療ですので、通常のクリニックでは知見に乏しいことがあります。再生医療の経験値が低い場合、正確なカウンセリングを受けることができません。出来るだけ経験豊富なクリニックや再生医療の専門医が常駐するクリニックを選ばれることをお勧めします。
カウンセリングでは、現在の症状や既往歴、生活習慣などについて詳しくカウンセリングを受けます。整形外科関連の治療の場合は、MRI検査やレントゲンなどの画像診断が必要になることがあります。
過去数カ月以内に検査を受けていた場合は、その病院等で画像をいただけることがありますのでお問合せください。なければ新たに撮影しなければなりません。カウンセリングを受けるクリニックにご相談されると、提携先を紹介いただけることがほとんどです。
ステップ1:カウンセリング
カウンセリングにおいて医師は幹細胞治療が適応となるかどうかを判断し、幹細胞治療の内容、他の治療法との比較や、期待される効果、費用、リスクなどについて説明してくれます。
※この段階で十分な説明を受けることが、安心して治療に臨むための第一歩です。不明点は臆せず確認しましょう。
ステップ2:幹細胞の採取
幹細胞は、主に以下の2つの部位から採取されます。
- 脂肪由来幹細胞:お腹や太ももなどから脂肪を採取(局所麻酔で30分程度)脂肪から幹細胞を抽出(当院)局所麻酔を行い痛みは軽度です
- 骨髄由来幹細胞:骨盤から骨髄液を採取(局所麻酔で30分〜1時間程度)骨髄穿刺が必要で痛みが伴います
それぞれの特徴
脂肪由来幹細胞 | ・増殖力が高く、多様な組織に分化できます ・炎症を抑える効果が高く、組織の修復を促進します ・脳卒中後の機能回復や、変形性関節症の治療など、様々な分野で応用が可能 |
骨髄由来幹細胞 | ・神経細胞への分化が比較的容易ですが脂肪由来に比べて増殖しにくいといわれます ・免疫細胞の分化にも関与し、免疫機能を調整する役割も期待 ・血管や神経細胞を助ける組織への分化能力が低いことから、治療効果が低い場合がある |
ステップ3:幹細胞の培養・品質検査
採取された幹細胞は、細胞培養専門の細胞加工施設(CPC)によって6週間程度かけて培養・増殖されます。
幹細胞治療において、そのメインとなる「幹細胞の品質」は、非常に大切です。細胞培養施設の設備や経験に左右されるため最も注意したいステップです。第一前提として異物混入などのない安全性管理、経験、実績、品質管理、技術力、実績を考慮してください。
細胞培養をどこで行うかが鍵
小規模な細胞加工施設(院内CPC)は、厚生労働省への「届出」で開設できますが、より厳格な基準が設けられ、管轄する法律が変わるほど厳しい、国の「許可」が必要な「特定細胞加工物製造施設」に製造を委託している場合があります。(このほかに海外で行う例もありますが、ここでは省きます。)
例えるなら、小規模な町工場で培養するか、国からの許可を受けた最新鋭の設備と最新知見が整った大工場で培養するか、答えは明白ではないでしょうか。幹細胞治療は、幹細胞の品質が何より大切だからです。選択できるのなら、大規模工場(CPC)をお勧めします。
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この工程にこだわるのは、治療の「質」を決めるのに非常に重要なステップだからです。
ステップ4:幹細胞の投与
増やした幹細胞を体内に戻す方法は、主に2種類あります。
- 点滴:全身の炎症や慢性疾患、脳卒中、肝臓疾患、糖尿病などへの作用を期待
- 局所注射:膝関節や肩、股関節、脊髄、美容などで疾患部分へのピンポイント治療
どちらの方法も、入院の必要はなく、ほとんどが日帰りで受けられます。
ステップ5:アフターケアと経過観察
治療後は数週間〜数ヶ月にわたり、定期的に経過を観察します。必要に応じてリハビリや追加の治療を行うこともあります。
副作用は非常に少ないとされていますが、体質によっては一時的な腫れや発熱、倦怠感を感じることもあります。これらは自然に回復することがほとんどです。
幹細胞治療は痛いの?
多くの方が気にする「痛み」についてですが、以下のように段階によって異なります。
- 採取時:局所麻酔を使用するため、大きな痛みは感じにくい
- 投与時:点滴は無痛、局所注射も軽いチクッとした刺激程度
- 治療後:まれに筋肉痛や注射部位の腫れを感じることも
全体として、「思ったより痛くなかった」「注射が苦手でも問題なかった」という声が多く、痛みに対する心配はそれほど必要ないでしょう。
効果はいつから感じる?どんな変化がある?
幹細胞治療の効果が現れるまでには、ある程度の時間が必要です。
- 早い人で数週間後に実感(関節の痛みが軽くなる、動きがスムーズになるなど)
- 一般的には2〜3ヶ月後が目安
また、治療の効果には個人差があります。病気の種類や進行度、年齢、生活習慣などが影響するため、医師と綿密に相談しながら経過を見ていくことが大切です。
実際の声・体験談から見るリアルな効果
実際に幹細胞治療を受けた方の体験談をいくつか紹介します。
- 「手術しかないと言われていた膝の痛みが、幹細胞注射で改善して驚いた」
- 「脳梗塞の後遺症で手足の動きが悪かったが、少しずつ回復してきて希望が持てた」
- 「美容目的で顔に幹細胞注射を受けたら、肌にハリが戻ってきた」
こうした声からも、幹細胞治療が確かな選択肢として広がってきていることがわかります。
まとめ|治療の流れを知ることで安心につながる
幹細胞治療は、決して特別な人だけの治療ではなくなりつつあります。
治療の流れを知ることで、漠然とした不安が安心へと変わります。もしご自身やご家族が慢性的な痛みや後遺症に悩んでいるなら、「幹細胞治療」という選択肢を一度検討してみてはいかがでしょうか?
監修:医療法人香華会リボーンクリニック大阪院
次回は、「幹細胞治療の費用と注意点」について、詳しく解説していきます。